蛾の世界に魅せられて 女性2人組が作品展

10月13日(日)13時15分 毎日新聞

世界最大級のヨナグニサンの刺しゅうを施したブローチ。後ろは蛾の幼虫を描いた絵画=兵庫県伊丹市の市昆虫館で2019年9月18日、近藤諭撮影

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 蛾(が)の知られざる魅力を刺しゅうや絵で表現する女性2人のユニット「蛾売りおじさん」の作品展「蛾たちに魅せられて〜鱗粉(りんぷん)が織りなす色の世界〜」が、伊丹市昆虫館(兵庫県伊丹市昆陽池3)で開かれている。美しい鱗粉や意外にかわいい顔立ちなどを刺しゅう糸で一針ずつ丁寧に再現した。2人は「汚いなどのイメージを持つ人が多いが、作品をきっかけに蛾が好きな人を増やしたい」と話している。【近藤諭】


 2人が蛾に魅了されたのは、京都市内の大学で美術系の学部生だった約7年前。深夜のアルバイトから帰宅中、光に集まって白い壁に張り付いた大きな蛾をじっくり見たことがきっかけだった。鱗粉できれいな模様が描かれた羽や、つぶらな目、ウサギの耳のような触角。それまでのイメージとのギャップで一気に蛾の虜(とりこ)になったという。学園祭では付けひげをして蛾のぬいぐるみを売り、現在のユニットを名乗るようになった。


 刺しゅう担当はブローチなど蛾をデザインしたグッズを制作し、絵担当は蛾の絵や漫画を描く。羽の色のグラデーションなどを表現するため、30種類以上の刺しゅう糸を使うこともあるという。大学卒業後も会社員をしながら各地のギャラリーに出展して作品を販売していたが、刺しゅう担当は3年前に会社を辞め、作品作りに専念している。


 7月には初の著書「蛾売りおじさんのめくるめく蛾の世界 もふもふでかわいく優美 刺繡で魅せるモス図鑑」(税抜き1600円、誠文堂新光社)を出版。日本人にもゆかりが深いカイコをはじめ44種類の蛾の刺しゅうを掲載した。活動を始めた経緯を描いた漫画や、蛾へのあふれる愛を記したエッセーなどを収録し、蛾のイメージ向上に取り組んでいる。


 会場には、蛾の刺しゅうが施されたブローチ12点や蛾の幼虫などを描いた絵画、本物の蛾の標本などを展示している。世界最大級の蛾で沖縄県の一部に生息するヨナグニサンの刺しゅうは幅約25センチの大作で約1カ月かけて完成させた。また、丸みを帯びてかわいらしいヤママユガの幼虫を描いた絵などからも、2人が蛾に注ぐ愛情がうかがえる。


 11月4日まで。入館料(大人400円、中高生200円、3歳〜小学生100円)が必要。問い合わせは同館(072・785・3582)。

毎日新聞

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