コロナと自殺増 命救う対策と実態調査を急げ

10月18日(日)5時0分 読売新聞

 自殺者が夏場から急増している。新型コロナウイルスの流行が長引き、精神面にも悪影響が出ているのではないか。一人でも多くの命を救う対策を急がねばならない。

 警察庁の統計によると、7月から9月の自殺者数は、3か月連続で1800人を超え、前年同期より計400人以上多かった。

 外出や営業の自粛が長期化し、経済的、精神的な負担が蓄積されている。1〜6月はいずれも前年を下回っていた。最近の急増は深刻に受け止めるべきだろう。

 女性と子供の自殺の増加が目立っているのが気がかりだ。

 8月の統計では、女性は前年比4割増で、特に40歳未満は7割以上増えた。女性は非正規雇用が多く、コロナ禍で職を失った人もいる。外出自粛に伴う育児や介護のストレスのほか、家庭内暴力なども潜んでいた恐れがある。

 「学校問題」を理由とした子供らの自殺は、前年の16人から52人に増えた。

長引く休校や慣れないオンライン授業で、子供たちは不安定な状況に置かれていた。

 コロナの影響で、解雇や雇い止めを通告された人は、6万5000人を超えている。

 1990年代のバブル崩壊後、年間3万人以上が命を絶ち、失業との関連が指摘された。国は、コロナと自殺の関係性について、調査を急いでもらいたい。

 一般に自殺の原因は、経済状況や人間関係などが複雑に絡み合うことが多い。芸能人の自殺が相次いだ影響が大きいと話す専門家もいる。国や自治体が、自殺の原因やリスクが高い層を見極めて、適切に対処することが大事だ。

 厚生労働省は1万人を対象に、「コロナうつ」の実態調査を始めた。高齢者を中心に、感染の不安などから心の不調を訴える人は多い。特に、一人暮らしのお年寄りや一人親家庭など、孤立しがちな世帯への目配りが重要になる。

 厚労省は9月、「生きづらさを感じている方々へ」と題した大臣メッセージを公表し、悩みを抱え込まずに、家族や友人ら身近な人に相談するよう呼び掛けた。

 悩みを打ち明けられる窓口の拡充が急務である。人手不足で活動を制限している団体もある。コロナ禍で対面相談は難しい。SNSを使った相談態勢の整備も必要だろう。国や自治体が、資金面で手厚く支援することが不可欠だ。

 周囲に助けを求められない人もいる。地域住民や関係機関が垣根を越えて連携し、SOSをすくい上げる環境を整えてほしい。

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