スクショを撮っただけで有罪に!? ——違法DL規制に『魔法先生ネギま!』赤松健と山田太郎議員が提言「パブコメで国民が意識していることが官僚に伝わる」

10月29日(火)21時0分 ニコニコニュース


 漫画などを海賊版と知りながらダウンロードする行為を違法とする著作権法の改正について、文化庁は9月30日〜10月30日までパブリックコメント(以下、パブコメ)を実施しています。

 ニコニコでは「漫画家赤松健山田太郎議員が著作権法改正案”を語る生放送」が放送され、『ラブひな』『UQ HOLDER !』などの作者である漫画家・日本漫画家協会理事の赤松健氏、自民党参議院議員の山田太郎氏、マンガ・アニメ・ゲームの表現の自由を守るための団体・エンターテイメント表現の自由の会(以下、AFEE)編集長の坂井崇俊氏が出演。

 赤松氏が自身の作品がネット上に無断アップロードされている現状を実際のリーチサイトの画面で説明を行い、著作権法改正案の是非や問題点などについて議論を行いました。

左から赤松健氏、山田太郎氏、坂井崇俊氏。

違法ダウンロードを規制する著作権法改正案の拙速さ

スタッフ:
 漫画などを海賊版と知りながらダウンロードする行為を違法とする著作権法の改正について、文化庁は9月30日から10月の30日までパブリックコメントというものを実施しています。

 この番組では漫画家であり日本漫画協会の理事も務めていらっしゃる赤松健さん、そして参議院議員の山田太郎さん、山田太郎さんの公設秘書でエンターテイメント表現の自由の会の編集長でもある坂井さんにご出演いただきまして、このパブリックコメントについて説明をいただきつつも、違法ダウンロードを規制する著作権法改正案の問題点について、お三方に切り込んでいただこうと思います。きょうはよろしくお願いします。

山田:
 きょうは赤松さんと坂井さんが控室からなんとなくバチバチしている感じがしていまして、今まで同志兼友情でやってきたものが、きょう解消してしまうかもしれないと。きょうの構図は赤松さんはやっぱり漫画家で権利者の立場です。徹底的に海賊版をなくさないといけないと。

 できるだけ自民党内、政権与党も含めてどんな議論になっているのか、大事な局面ですから、ぶっちゃけ話をしたいと思っています。

スタッフ:
 まずは前回の法案がどうなったかというところを振り返りからお願いできればと思います。

赤松:
 前回の法案に関してはいったいどこが問題だったんですか。

坂井:
 ふたつあって、いっぱい問題になったのは著作権のダウンロード違法下でスクショが違法になると。Twitterのアニメアイコンなんかが入っていところをスクショすると、スクショはダウンロードということになるので違法になっちゃうと。でもそんなのみんな普通にやってるよね? みたいなそういうところがたぶん……。

赤松:
 著作権的にまずいものがあるものをスクショしたのが問題であって、スクショ自体は別に問題ではない。

坂井:
 そうですね。そこら辺がたぶん一番盛り上がったと。ユーザーとしてはなんでTwitterのアニメアイコンをスクショしちゃいけないの? と、そんなようなところがたぶんスタートだったのかな。

赤松:
 もう一点って何でしたっけ。

坂井:
 リーチサイト【※】ですね。というようなところがはじまりです。

※リーチサイト
インターネット上にある違法コンテンツに利用者を誘導するためのリンクを集めて掲載するサイト。リーチサイト自体は違法コンテンツを掲載していないが、違法コンテンツへの誘導は著作権侵害を助長させる行為であるとして、出版などの業界団体が問題視している。

山田:
 私が経緯を話しましょうか。まず元々2018年当時はサイトブロッキングの話をしていたんですね。海賊版の議論があって、実は海賊版をなんとかしなきゃいけないというのは、もう随分前から議論があったのですが、サイトブロッキングというのはある意味てきめん。止めちゃうわけですから。

 ただサイトブロッキングというのはさすがにやりすぎだろうという議論があって、しかも国がそういう事をやると、サイトをブロックするということは中を見ることになるので、検閲にも繋がるんじゃないかということ、「民間の努力で」というところでNTTさんがやる、やらないのって言っていたんですけど、降りちゃったんですよね。

 ということでサイトブロッキングはなくなりました。結局いろいろな事を議論してきたものの、本当に海賊版をどうするのよ? という議論に戻ってきた時に、ダウンロード側に関しては議論があって、その中でのダウンロード違法化。

 ダウンロード違法化のひとつが、スクリーンショットについても違法性と知りながらダウンロードするのがダメだとか、それとリーチサイトという形でもって、違法性があるコンテンツにリンクを貼っているようなものもダメだろうと。そういうような議論になっていったんですよね。

赤松:
 ブロッキングがポシャったので、すごい急いでやった法案なんですよね。そこがやっぱり間違いの元だったんですよね。

山田:
 私も議員になって、なんでああいうふうになったかというのもだんだんわかってきたんですね。かなり異様な速さで進んでいった。12月までに審議会を終わらせて、途中小委員会も打ち切りみたいな形でもって、なんとなくまとまったか、まとまらないかわからない、ふわっとしたような形でまとめあげるわけです。

 通常12月に閉じた審議会が、すぐ次の1月からはじまる通常国会にのってくるということはなかなかなくて、出すなら次の秋口の臨時国会だろうと。私もまだ議員になっていなかったので高をくくっていたら、一気に法案という形で出てくると。実際その法文法案もここに持ってきたんですけれども、こんなような形で出るということになったわけです。

 これを見たらびっくりという話になった。それは何かというと、相当このダウンロード違法化に関しても文化庁の中でやっている審議会中で異論もあったにもかかわらず、どうもどんどん進めたほうがいいという肯定的な意見に変わっているじゃないかと。  

 もうひとつ、今回で非常に異例だったのは条文法案ベースではあまり議論されずに、さて条文が出てみたらずいぶん違うと。政権与党に対する説明も審議会の内容と違ったんじゃないかと、こんなようにいろいろ議論があって、現場でこんなものが通ってしまえば表現の自由も含めて萎縮しちゃうんじゃないかと大騒ぎになるわけですよね。

 ただ当時はものすごい勢いで進んでいったので、止めようがないくらい進んでいったと。どれぐらいかかったかというと、まず1月25日に小委員会が打ち切りになった。たぶんこの辺りのなんで開いたかっていう経緯は赤松さんのほうが詳しいと思うんですけれども、2月8日に参議院の緊急院内集会開かれます。

 竹宮惠子先生をはじめとして漫画家の先生方や関係者がいて、スクショが違法だということがはじめて語られて、そこに朝日新聞が来たんですよ。朝日新聞が「スクショも違法になる」と書いたのが割とセンセーションで特にネットで炎上していくという結果になっていきました。

 そういう状況ではあったもの、政治としてはものすごい勢いで議論が進んでいくわけですね。次の2月22日なんですけれども、自民党の文科部会と知的財産調査会で、合同部会でもって了承ということになりました。これもすさまじい速さで進んでいって、すぐ明けの27日に日本漫画家協会もギリギリのとこで反対声明を出しました。

 丁寧に説明しておくと、どうやって法律法案ができていくのかということなんですけれど、ひとつは関係担当省庁、今回は文化庁の著作権科が法律を起案する。

 ただその法律を作るにあたって、文化庁の審議会というところで大学の先生だったり、権利者団体でいろいろな人が来て審議をして、そこでまとめあげたものを著作権課が整えて内閣法制局というところと、法文の打ち合わせをしてつめて、それを自民党の部会というところに持っていきます。

 この部会を通ると、総務会という自民党の最終意思決定機関に持っていってそこで通ると、今度は内閣のほうに渡されて閣議決定を経ていわゆる閣法という形で内閣提出という形でもって、衆議院と参議院にかけられて、今度は野党も含めて議論されて衆参で通ると法律になると。

 実は果てしなく長い道のりを通るのですが、ものすごい勢いで自民党の審査を通過していくんですね。この27日というのは、どれぐらいギリギリで反対声明を出し、かつその参議院の院内集会とはどういうタイミングだったかというと、3月1日の総務会で止まったんですよね。

 これは報道でもいろいろ出ていますし、MANGA議連の古屋圭司先生が総務会で「これはおかしい。権利者の意見はちゃんと聞いたのか?」と。

赤松:
 漫画家のためにやっているのに、聞きに来なかったんですよ(笑)。

山田:
 わけがわからないというか……。

赤松:
 パブコメで「聞きに来なさいよ、絶対まずいことになるよ」って言っていて、文化庁も目を通していたんだけれども。来なかったですね。

山田:
 それでそのあとがまた大変だったんですね。総務会で止めたというのもかなり罪深くて、部会だったら中身の審議なんですが、総務会だったらもう大体ほぼシャンシャン。総務会で止まったケースは自民党の中でも年間1件あるかないかなんです。

 実はいろいろなところに総理に対しても話がいっていまして、安倍総理から古屋圭司先生に6日の夜に電話があったんですね。

 「どういうことなんだ」ということで、古屋さんの方が総理に電話をかけたというふうに言っているですけれど、どうもいろいろ話を聞くと総理から古屋さんに電話がかかってきたみたいですね。その時に古屋さんが説明されたということのようです。

 7日に産経新聞さんが「ダウンロード部分については削除が総理の鶴の一声で決まった」と書いたのですが、私のあとからの調査でわかりましたが、決まっていません。6日の夜は、「付帯決議でもって作って萎縮に繋がらないように……」的な感じで原文はそのまま通すと。でも考えてみればおかしな話で、付帯というのは普通野党がつけるんですよ。

 法案に問題があって付帯を最初からつけて出すような法律は本来ないんですが、ここまで出来上がっちゃっていると、この通常国会に通過が間に合わなくなるという懸案もあった。というのは、次の次の週までの総務会に出さないと、閣法としても通常国会が間に合わないということで、相当急いでいた。

 どうもいろいろな人の話を聞いていると、著作権課と内閣の法制局との間の法律のつめもあまりうまくいってなかったようで、条文で相当荒れていたらしいです。それがいろいろ情報が出てこなかったとか、最終的に急いだことに繋がったんじゃないかと。

坂井:
 審議会が事前に「あれだったらOKだよ」と言っていたのが条文になったら、その審議会に出ていた人が「こんなの聞いてないよ」っていうのが多発したというような状況ですね。

山田:
 8日の総務会にもかかるかというふうに思われていた。総務会というのは多いときは週に2回やって、最低週に1回やるんですけども、かかるかというところに対しては見送りだったんですが、実は私は2ルートから官邸に連絡をしました。「ちょっとこれはまずい」と。

 「これじゃ、選挙も負けると思う」と。「こんなんで自民党にいって、とてもじゃないけど……」と。これ実は、ぶっちゃけてしまえば知財のほうのトップでかなりこれを推薦されていたのが、実は甘利明先生で。

 甘利先生自身は選対の委員長もやられていたということで、ある意味反旗を翻してしまった私は、正直言って本当に公認打ち切りでも構わないと。本当に腹をくくりました。そういうことも含めて、12日の午前中で官邸内で議論があったそうです。

 僕は何を官邸に伝えたかというと選挙のことと、もうひとつは今話題になっている森ゆうこさんが、実はその前の参議院の予算委員会でこれを取り上げたんですね。ということがあって、「野党は手ぐすねを引いてこの問題に関して議論をして選挙の争点にもなるぞ」というようなことまで、私は正直に言いました。

 ということで、総理含めて官邸筋は「そんなのは知らなかった」ということで、このままでは整わないだろうということでいろいろあったんですね。こんな状態では……ということで、12日に西村副官房長官のほうに指示があったようで、今回の通常国会では通さないということで差し戻し。

 事前に自民党のほうにも伝わって、もう一度文化庁まで差し戻しと。一応12日の朝の官房長官の「今期中に法案にしたい」という記者会見があったんです。これは菅官房長官のほうには伝わっていなかったみたいで、そのまま流しちゃったのでちょっと事実関係がちぐはぐしたんですが、背景ではそこはもう話ができていたようです。

 13日の朝に指示があって、15日の総務会が最終日だったのですが、そこにかからなかったということで飛んだと。これが裏話ですね。

赤松:
 漫画協会の代表としていろいろな自民党の朝のスピーチとかでいろいろ演説して「権利者がいらないと言っているのになんで通すんだ」みたいなことを言ったんですけれど、やっぱりちょっと政治判断だなというようなことがあって……。これが通ると思っていました。

山田:
 そう。7日の夜は私もちょっとこれは敗北ではないかと。思っていました。私も実は自分の番組でもトーンが下がったんです(笑)。最後、やるしかないということでかなり私も無茶をしました。

赤松:
 無茶しましたね。ずいぶんいろいろな人を怒らせちゃいましたけれどね(笑)。

山田:
 1回来て戻してもう1回来ましたからね。2回目はさすがにね……ということで、その前後にも知財本部長の先生に会っていた雰囲気は、相当厳しいものがあったんじゃないかと。

坂井:
 あのときは毎日あっち行ったりこっちに行ったりで、どうなるか本当にわからなくて。何が正しいのかもまったくわからないという状況でしたよね。

山田:
 自民党もちゃんと部会のレベルでいろいろな議員が来ているんですから、しっかり止めるべき。一応、形式上は多数決ですけれども実質は全員一致というのが自民党の部会の大原則です。反対をするとどうなるかっていうと、ひな壇というのですが、部会の部会長と副部会長、役員がその人のところに来て説得してみたりとか、もう何回か部会を開きます。

赤松:
 私が指摘した部会の時はすごい反対して、私がちょっと頼んだ議員さんたちも反対してくれたんですけれど、最後はなんか部会長預かりで……。だから、えぇ⁉ みたいな(笑)。

 これからはそれまで現場にいた自民党の議員の先生たちがなんとかしてくれるということですよね(笑)。

山田:
 これを反省して、やっぱり党内でもしっかり議論しておかないとと思って、今回の関係の役者は、ひとつは知財本部長が林芳正先生なので、実は林芳正さんとも私、直に1、2時間お話しさせていただいて、なんと税制調査会のトップの甘利先生とも……。

 やはり甘利先生は前の知財の件で、本件に関して非常に力を持ってらっしゃいますので。

赤松:
 怒ってました?

山田:
 「いや〜、参っちゃったよ。漫画家協会と話をしていないって、びっくりしたよ!」 というふうに言われました。

坂井:
 甘利さんからしたら、それはさすがにやっておいてくれよって。まさか一番の賛成者から反対声明を出されちゃうなんてっていう。まさにそういうことですよね。

山田:
 甘利先生からも林先生からも、「きちっと今回は整えて、山田さんもいろいろかかわってきた責任というのがあるから、ちゃんとやってね」というふうにご指示をいただいたので、一生懸命権利者の立場を守って海賊版をなんとかしなきゃないけれども、一方で萎縮に繋がってはいけないというところでどうバランスをとるかと日々双方に挟まれ、たぶんどんな結果であろうとも双方からは批判されるのは覚悟を決めなきゃいけないと。

 ただ今回は関係者が前回のようにまったく聞いてないとか、まともな議論ができないということは絶対にやめたいのです。

 ある人たちは「絶対普通だ」と言うし、ある人たちは「とんでもない」ということで党内抗争を繰り返していても仕方がないので、そこのあたりは私が伝書鳩というか、回ってやらせていただいてるという立場でいます。

赤松:
 前回よりかはずいぶん議員さんのほうも説明ができているし、権利者たちに対してもいろいろなヒアリングも行っていて、ずいぶん違った感じにはなっていますね。

坂井:
 著作権課もずいぶん丸くなってというか、丸くさせられちゃってというんですかね。当初みたいな何をしてでも案を通すんだみたいな、今年の春は結構強引なところがあったじゃないですか。そういう感じではなくて、「みなさんがいいと言ったものを法律にします」みたいなそんなしおらしい感じに見えますけれどね。

漫画界の将来が危ぶまれる「リーチサイト」の存在

坂井:
 そんな感じで振り返ってきたんですけれど、実はほとんどダウンロード違法化について今年の春は話されませんでした。実は著作権法改正は5、6個のパッケージになっている中で、その中でほとんど声が上がっていなかったリーチサイトについてもいくつか意見があったんです。正直、我々はあまりリーチサイトについては……。

赤松:
 意見がありませんでしたね。

坂井:
 パブコメではちょっと出したんですけれども。

山田:
 著作権課が今回言ってきたことで「えぇ⁉」と思ったのが、「山田先生、リーチサイトについては前回何の議論もなかったので、そのまま原文通りで通させていただきたいと思っています」と言われちゃって、ちょっと待ってくださいと。前回はスクショという話になっちゃったから、それが目いっぱいの議論になっちゃったので正直リーチサイトの話までいきませんでしたと。

 なので決してリーチサイトの何の問題もないわけじゃないと思いますよと。しっかりこれはこれで議論してもらいたいということで、当初案と当初のパブコメもリーチサイトについてやらないつもりだったのですが、やるということになりました。

坂井:
 ちらっとですがパブコメに入っているんですけれども、それはやっぱり入れてもらったと。

赤松:
 僕はあの時点で急に止めましたけれども、その後これが潰れちゃって、今度はちゃんとやろうということで権利者団体にも聞いていろいろな根回しも終わって、パブコメを文化庁が募集しているんですよね。これはみなさんはどういうふうに思っていますかという意見を求めているわけです。これはみなさんに出していただきたい(クリックで、文化庁の募集ページへ)。

 これをやって有識者で会議をしてそれから決めていくというわけで、それで決まることでも全然なくて、これからまだ議論がはじまるということですよね。

山田:
 だからきょうの番組の見どころはふたつあると思っていまして、リーチサイトに関してが今回の大ポイントで、たぶん赤松先生も含めてリーチサイトはなんとかしなきゃいけないという思いもある。AFEE側はリーチサイトの規制は非常に萎縮効果が高いと考えています。

 私もそうなのですが、しっかりとリーチサイトにおける海賊版の研究はちゃんとやらないといけないですよ。それがきょうの大テーマです。2番目はパブコメの用紙を巡って、それぞれだったらどんなふうに書くかということで意見がわかりやすくなるのではないかというところが見どころですね。

赤松:
 今回、静止画ダウンロード違法化とか、リーチサイト規制とかっていうふうに言っていますけれど、そもそも海賊版サイトの漫画村はストリーミングでブラウザで見ていたから、たぶん使った人もいるかもしれないですよね。でも一般の人がリーチサイトと言われてもわからないし、ダウンロード違法化とかサイバーロッカーとか、どこから何をダウンロードして、何がリーチなの? ということがわからないと思うんですよ。

 私はその辺はすごく詳しいので、まずそれを解説して、なるほどこれがリーチサイトか、これくらいの規模なんだ、こうすればいいんだ、 こんな感じなんだというのをわかってから議論をすると、頭に入ってくるはず。意外と漫画家も知らないですよ。

坂井:
 赤松さんはずっと「漫画家に見てほしい」とTwitterで言ってましたもんね。

赤松:
 漫画家はみんなリーチサイトって知らないですよ。まず海賊版サイトの基礎知識からいってみようかな。

 海賊版サイトというのは単純アップロード型、昔の画像貼り付けみたいな。これは常にあまり問題視されないです。2番目、機械収集型。初期の漫画村は「ネット上に落ちている画像を機械で収集して保存しているから我々は保存していない」と。「保存元で非公開にされると見れなくなるので違法じゃないよ」みたいなことを昔言っていたんですね。

 「ベトナムにサーバーがあるので、なんとかに加入していない」とかいろいろ主張が変わっているんですけれど、最後は「ダウンロードは違法じゃないんだ」みたいなふうにどんどん主張が変わっていったんですよね。これはダウンロード型とストリーミング型とどちらもあります。

 3、ユーザー投稿型。漫画村より前にあったFreeBooksとかdropBooksの主張なんですけれど、建前は「自作の漫画コミック・雑誌・同人誌・小説を自由に投稿して、みんなで共有&読み放題にできるファイル投稿共有サイト」とサイト内に説明がありました。

 これはもうないんですけれど、投稿して読めると。YouTube型ですよね。権利者が投稿する建て付けになっている。あとdropBooks。これは二次創作エロ同人ですね。

 ダウンロードしまくれるところですが、もうないです。こういうものも権利者と言い張っている人たちがアップロードして、それをダウンロードするようになっています。それに関してはdropBooksもFreeBooksもプロバイダ責任制限法で、「知らなかったんだ」と。「権利者だと思って載せたんだ」と。「我々は賠償責任は負わないんだ」というのがすべての言い分なんですよ。

 もちろんYouTubeも同じで、一部の規約には第三者の著作権により保護されたマテリアルや、その他の第三者が財産的権利を有するマテリアルが含まれないことに同意した上でじゃないとアップロードができないと。これがユーザー投稿型ですよね。

 海外だとスキャンレター型。スキャンレーションというのはスキャンしてトラストレーションする。違法にスキャンしてそれを翻訳して漫画好きな奴らで楽しんでる海外のスキャンデータ型。これは結構漫画ファンが多くて、違法なことに変わりないのですが、わりと愛のある奴らですよね。

 愛のない奴らはスキャンレーション型を勝手に集めたアグリゲイター型というのがあって、MangaFoxとかが向こうでは最大手ですけれども。あそこで一番読まれてるのが海外で一番人気のある漫画だと思って間違いない。『ワンパンマン』とかね。

坂井:
 『ワンパンマン』なんですか。

赤松:
 今はちょっとわからない。今、一番問題されてるのが6番のサイバーロッカー&リーチサイト。リーチは到達するとかの意味の“Reach”ではなくて“Leech”、ヒルですね。ヒルは血を吸うみたいな、おいしいところだけを吸い付いてチューチューしちゃうような意味ですね。

 漫画村が潰れたじゃないですか、あの人も逮捕されちゃって。でも依然として多数の海賊版サイトがあるんです。500以上あるんですけれど月延べ6000万人がまだ利用しているんですよね。トップテンはちょっと映せませんけれども、ちょっと見てもらおうかな……。

 上のNyaaはねtorrent(笑)。torrentっていうのは、みなさんわかる? 日本で一番使われているのはBitCometかな。torrentというのはP2Pですよ。そのtorrentファイルを集めているというところですね。

 次にこれはリーチサイトなんですけれど、全体のかなり部分がtorrentとリーチサイトで占められている。要するに漫画村を潰したんだけれど、まだまだダウンロード型のサイトがあって、そのほとんどがリーチサイトということになっているんですよね。

 torrentはIPが丸見えなので、あまり著作権ガチガチのだと使われないですよね。あと今回関係ないですけれども、スキャンレーション。これは私の作品で問題なんですよ。勝手にスキャンしてトランスレーション する人たちというのはファンが多いです。

 こういうチームで作ってることが多いです。ファンがチームで作っていて前の作品も読み込んでいるので、結構愛のあるいい翻訳をしますね。こういうものは原盤がないと作れないじゃないですか。海賊版の原盤は誰が流出させるのか。Cleanerの前にraw providerという存在があるんですね。今は電子書籍ですけれども、昔はスキャナで自炊【※】していたんですよ。

※自炊
自ら所有する書籍や雑誌をイメージスキャナ等を使ってデジタルデータに変換すること。

坂井:
 それはイメージが湧きやすいですよね。

赤松:
 自炊して汚れたままのやつを上げる場所があって、そこからデータを持ってきて改造してきれいにしたり、翻訳したりする。これはたまに逮捕されるんですよね。誰がこういうものを提供しているかというと、出版印刷所から全国に配送する業者です。

 業者の人が流出させちゃっていますよね。『別冊少年マガジン』は水曜日に発売なんですよ。でも前の週の金曜日には編集部にあります。なので土曜日には流出して海賊版もありますね。『少年ジャンプ』なんかも人気ですけれどね。

坂井:
 僕らが中学校の頃は月曜日が発売日で日曜日にどこどこの書店に行ったら買えるというのが(笑)。

赤松:
 早売りというやつですね。『少年ジャンプ』の早売りはすごく話題になっちゃうので、ほとんど絶滅しました。

坂井:
 今はデータで出ちゃうということなんですね。

赤松:
 そうです。さて話題のリーチサイトとサイバーロッカーですね。サイバーロッカーはロッカーと同じで、いろいろなデータを入れておくところです。そのURLをまとめたのがリーチサイトです。なぜこんなものが流行るのか。その仕組みを簡単に説明します。

 最初のアップロード者は本が好きな人で、昔はいわゆる自炊をしていたんですよ。これをサイバーロッカーにアップロードします。みんなに読んでもらいたいと。やめろ! って感じですけれども(笑)。これを読者がタダで読めるからとダウンロードするんですね。

山田:
 これは儲けるつもりはまったくないわけね?

赤松:
 いや、これはちょっとあとでお話しますね。これを他のところにアップロードします。

 なぜかというのはあとで説明しますね。これを他の人たちもどんどんダウンロードして、アップロードしていって全世界に広まると。

 これは10月9日に発売された私の漫画ですけれど、10日には最初のアップロードがありました。

 その日のうちに全世界のサイバーロッカーに大体広まってしまいました。これは痛いですよ。1ヶ月とか1年とか経ったならいいですけれど、翌日にアップロードされちゃうと相当痛いですよね。それに関して、あまりにもひどくて売れなくなっちゃうので、漫画家が出版社と一緒に削除要請をします。

 すると削除はしてくれるんですよね。次にサイバーロッカーの基本的な構造を紹介します。何かをアップロードするとそれがダウンロードされるごとにお金がもらえる。これがサイバーロッカーの秘密です。

 私のこの単行本だと250MBぐらいかな。これが1000ダウンロードされると5ドル入ります。すると最初のアップロード者はダウンロードされると1000回ごとに5ドルもらえるので、結構インセンティブがあると。すると黙っていないのが、ダウンロード&アップロード者という、このラーメンを食べている子ですけど、自分もインセンティブが欲しいですよ。

 なのでダウンロードしたものを、そのまま他のサイバーロッカーにアップロードします。他のやつらもダウンロードしたら自分もお金がほしいから、みんなアップロードするんですよ。これが全世界に1日で広まってしまうという秘密です。

 我々漫画家はサイバーロッカーに上げられて売れなくなっちゃう上に、我々の漫画を使って大儲けしている奴らが結構いるので2倍悔しいというのが、このサイバーロッカーの秘密ですね。

山田:
 このサイバーロッカー社はどうやって儲けているの?

赤松:
 プレミアムコースというのがあってすごく早くダウンロードができるんです。あとは広告収益とか、そういうものがあってお金はかなり儲かっている。サイバーロッカーの会社自体は「知らないよ」ということが言い張れるんですよね。

 Winny【※】もそうですけれども、こういう仕組みというのは悪用する人たちが悪いんであって、仕組み自体は別にいいんですよ。WinnyだとかtorrentにしたってLinuxのディストリビューションなんかはtorrentで配布されたりもするんです。つまり技術はいいんですが悪用する人たちがいるということですよね。

※Winny
P2P技術を応用したファイル共有ソフト。開発者の元東京大学大学院情報理工学系研究科助手の金子勇氏は、著作権法違反(公衆送信権の侵害)を問われたが後に無罪となった。

 きょうはこの本を実際のリーチサイトに行ってどんな具合だかを見ます。原作者はダウンロードしても問題ないです。

赤松:
 じゃちょっと坂井さん、やってもらえます?

山田:
 坂井さんがやったら違反になっちゃうじゃない。

赤松:
 赤松健が坂井さんにダウンロードを許可します(笑)。これはリーチサイトで最も有名なところです。

 『UQ HOLDER』の21巻は10月9日に出ています。アップロードは10月10日です。これは悔しいですよ。翌日に上げるなよ! って感じですよ。21巻はZippyshareとZeroshareとUploaded、あとはTakefileとか。RapidGatorなんかは昔からありますよね。一番最初にアップローダーに上げたものと全部同じものです。当然ですよね。右側のほうを見てください。RapidGatorおすすめ度星5とか(笑)。

 出版社から苦情が来ると削除率はいいんです。削除率はYouTubeなんかは99%かな。サイバーロッカーも95%。サイバーロッカーは95%くらいは苦情が来たら消して「俺らは悪くないよ、消すよ」って言って消してくれるんです。サイトの安定とかリンクの生存率とかがここに書いてありますけれども、けしからんですよね。

 リンクがいつまでも残っているところはみんなが使うというところですよね。ただリンクがすぐに消されるところはわりと誠意のあるところということになりますよね。全部同じ内容なので、じゃ坂井さん、Uploadedを。

坂井:
 いいですか(笑)?

赤松:
 押して(笑)。

 さて、「Free Download」と書いてあるでしょう。これが無料でダウンロードできるやつ。これでダウンロードするとすごいかかっちゃう。だいたい1時間半くらいかかるかな。それで青いほうの「Premium Download」でダウンロードすると、超早いです。30秒でダウンロードできちゃう。同時ダウンロードも無制限。いろいろやりやすくなっている。これがプレミアム会員で、この会費がすごく儲かるんですよね。

 全然逮捕されないしプレミアム代で儲かるし、苦情が来ちゃえば消しちゃえば全然いいしということで、サイバーロッカーはなかなか消えないですね。今回「Free Download」を押そうと思ったんだけど1時間かかってしまうので、お料理番組じゃないですけれども私があらかじめダウンロードしておきました(笑)。作者だからいいの(笑)rar形式で圧縮されています。これを解凍してもらいました。ちょっとめくってみてください。

坂井:
 いいんですか。

赤松:
 いいですよ。

 画質は素晴らしくいいです。これは裁断して自炊したものではないですね。網点がすごく精度がいいので、間違いなく電子書籍の画面キャプチャです。トランスレーションはされていないです。なので正規のやつを連続してキャプチャしてデータを作るというイメージですよね。ありがとうございます。

坂井:
 いっぱいめくっちゃった。衝撃でした。

赤松:
 こういうものが素晴らしい画質で発売日翌日にアップロードされて大したリスクもなく手に入るので、これはあまりにも痛いですよ。こういうものがすごい使われてまくっていて、特に諫山創くんの『進撃の巨人』が今回1位なんですけれど、その量たるや26巻だけで1巻につき何万とかやられているわけですよ。

 動画とか音楽とかというものはダウンロードしても違法だと。漫画はダウンロードしてもいいよというようなメッセージをこれ以上出すというものに対して、すごく抵抗を感じているというのが今の私の気持ちなんですよね。

 これ、雑誌もありますよ。『別冊少年マガジン』の最新号ですけれど、これもダウンロードできちゃうんですよ。

 これの何がさらに痛いかというと、私みたいなベテランは、今まで紙で買ってくれた読者層が買ってくれるんですよ。新人さんたちは雑誌でこうやって読まれちゃって単行本になる前に儲からなくてやる気をなくしちゃうみたいな例がある。やっぱり悔しいしね。

 さらに彼らはサイバーロッカーのシステムで儲かって、こうやって新人さんが痛めつけられるというシステムに関しては、ちょっと手を打たないと漫画界の将来に対して随分なダメージがあるんじゃないかという話があるんですよね。そこで前回は静止画ダウンロードに関して反対しました。しかし、その後政府が「海賊版対策は何もやらないよ」と言ってきたというのがあって、ちょっと待ってと。

 我々は最初の2月の声明から、「要件を絞ればいいよ」と言い続けているんだと。海賊版の対策はやらなくてもいいということではないと言っているのが現在の私で、裏切りではないわけです。これがだいたいの現状と漫画協会の立場と状況です。

坂井:
 他の漫画家さんはどのくらい知ってるものなんですか。

赤松:
 知らないと思いますよ。ブラウザで漫画村みたく読まれない限りは、読者も「サイバーロッカーでダウンロードしましたよ」と言うわけがないから(笑)。

坂井:
 まあそうですよね。

赤松:
 漫画村だったら本当だ! とわかるんだけれども、サイバーロッカーとリーチサイトに関しては今みたく大変なんですよね。みなさん、真似はしないでください。サイバーロッカーには変なトラップがたまにあります。

 私の知り合いの大学教授に「ある作品のサイバーロッカーのURLを教えて」と言われて教えたら、案の定「あなたのパソコンはウイルスに感染しました」みたいな広告を押しちゃって。「対策ソフトをダウンロードしたらパソコンが全部消えちゃったのよ」って大学教授が言っていたんです(笑)。

坂井:
 ひょっとしたらパソコンの中身が全部出ちゃっているかもしれないですよね。そう思うと大学の研究なんかは怖いですよね。

赤松:
 サイバーロッカーに正しい電子書籍が入っているとは限らないです。だからみなさんはやっちゃダメですよ。私は相当慣れているので(笑)。

山田:
 何がアップロードされているか、実はわからないですよね。一見、普通の漫画に見えるんだけれども、プログラムされたソフトがあって、それもダウンロードしちゃうかもしれないですもんね。

坂井:
 じゃあその中で、ものによってはやばいかもしれないということなんですね。

赤松:
 そうですね。中に何か入っていると実行しちゃうかもしれない。rarは自動実行はされないと思いますよ。

坂井:
 でもわからないですからね。

赤松:
 この仕組みとか画面のきれいさとか、ダウンロードの多さ。量と品揃えを見ると、これは野放しにはできないですよ。それでもやっぱり坂井さんは反対なんですか(笑)?

坂井:
 ひとつは漫画にすりゃいいじゃんと思ったわけです。漫画リーチサイト禁止。

山田:
 ちょっと論点を言ったほうがいいんじゃないの(笑)。あまりざっくりした話をしちゃうと何を言っているのかわからないので。その論点を坂井さんに説明してもらって、赤松さんのほうから「これじゃだめだ」とか突っ込んでいただいていいですか。

赤松:
 わかりました。

どこまでが対象? 罰則は? 著作権改正のポイントと論点

坂井:
 論点とポイントという話ですね。前回の3月にどんな法律が出てきたのかという話と、それに対してどんなような論点が今後考えられるのかというようなところを、ダウンロード違法化とリーチサイト規制というところで少し説明したいと思います。これが著作権のダウンロード違法化についての話です。

 民事と刑事というのが大きくふたつに分かれています。刑事というのがわかりやすいですね。警察に捜査されて、逮捕されて、裁判起こされて刑務所に入れられちゃうというのが、わかりやすく言うと刑事。民事というのはその権利を持ってる人に、これだけの賠償損害を我々が被ったので、その部分を賠償してくださいよとか。そういうのが民事というものになります。

 先ほど赤松さんからあったように、今までは対象が映画と音楽だったんですね。今回は漫画も含む著作物全部ですから、小説とか論文とかそういったようなもの全部に対象は広がっています。ただ刑事だけは少し狭くて、有償なもの。タダの物は入っていません。それから二次創作というものも入っていないというこの2点が、民事と刑事でちょっと違っています。

 なんでかと言うと、警察がいきなり来て捜査されるというのは怖いので、刑事のほうが要件というか対象を絞っているという場合です。この主観要件と書いてあるところなんですけれども、これはどういう場合違反になるかというところですね。違法にアップロードされたと知りながらダウンロードする場合。これを違法としています。

 除外されているのは違法と知らなかった場合とか、適法・違法の評価を誤った場合。これはちょっと難しいんですけれども、たとえばTwitterのアイコンをダウンロードした時に、このアイコンは確か作者から許諾をもらって使っているはずだと。だからこれは違法にアップロードされた画像じゃないというふうに信じてダウンロードした場合は違法にはならないというふうに書いてあります。

 それからひとつ飛ばして常習性ですね。これは継続又は反復なので、継続してやったりとか何回も繰り返して反復してやるという場合には、これは違法になります。提訴と書いてあるところで、親告罪とあるのですが、これはどういうことかと言うと、親告罪の逆は非親告罪というやつですね。

 親告罪というのは権利者が訴えた場合にのみ、警察が捜査する。厳密には起訴できる、できないなんですけれども、警察が捜査して刑事事件化すると。そうじゃない非親告罪というのは、「被害にあったよ」と権利者から言われなくても、誰かから告発があったら警察が自主的に捜査をして対応することができるというようなところで、これは親告罪なので非親告罪と比べると警察の力というのは弱いというのがひとつになります。

 では論点というところにいきますか。今度、今のようなものに対して先ほど赤松先生からもあったように、本当に今のままでよかったのか。前回はみんな反対しましたけれども、どういう場合に限定すれば海賊版というものが防げるのかというところがいくつか論点があります。

 「原作のまま」「まるごと」というのは、たとえば漫画の一部について、漫画の1コマのセリフを変えるみたいな。そんなようなものであったり、その1ページだけダウンロードするとか。そういったものを違法にするのか、しないのか。

山田:
 二次創作とかパロディを対象外にするという効果もあるね。

坂井:
 「まるごと」というのは、たとえば100ページものの1ページだった時にどうなのかという評価があるという話ですね。2番目の「著作権者の利益を不当に害する場合」というは、本来であれば電子書籍が売れていた場合に、その売上が少なくなったと言ったら、それは明らかに著作権者の利益を不当に害しているというふうに言えると思いますが、そうじゃない場合というのもあると思います。そういう場合は限定されるのか、されないのか。

 海賊版サイトからのダウンロードに限定されるのか、されないのか。先ほども少しありましたけれど、漫画・アニメのダウンロードですね。たとえば小説とか論文とかプログラムとか、こういったようなものまで含めるのか、含めないのかということもあります。

 民事も有償著作物だけに絞るのかとか。あとはちょっと議論があると思いますけれども、出版権を設定されるものに限る。これは漫画とか本に限ると。ちょっとここは赤松先生にも教えてほしいなというふうに思っているんですけれども。

 あとは正当な目的ですね。何をもって正当な目的? というのはあるんですけれども、裁判の証拠収集とか研究とか、そういったような時に違法にアップロードされたものをダウンロードする行為というのは違法にするべきなのか、しないのかみたいなところも議論があります。

 注意点というふうに書いてあるんですけれども、スクリーンショットの写り込みが違法になったりとか、Twitterのアイコンダウンロードが違法になったりというところがあるのは、やっぱりちょっと考えなきゃいけないんだろうなと。あとはそもそも、立法事実は何か実効性はあるのかを考えなきゃいけないかなと思っています。

 立法事実というのは、特に刑事罰をつけるというのは人の自由を法律で制約することなので、何かの利益を守りたい、何かの権利を守りたい、誰かの権利を守りたいみたいなそんなような事実がなければ、法律は作れません。もうひとつ実効性というのは、この法律ができたんですけれども実際にその守ろうと思った権利が守られなかったということになってしまうと、それは何のための法律なのか意味がわからないので、どうなのかと。

 もうひとつが罰則をつけないというやつですね。民事措置のみにする。違法は違法なんだけれども、警察には逮捕されないという曖昧というか、違法なんだけど逮捕されないというような位置づけにする。「刑事プロセスに事前の警告を入れる」というふうに書いてあるのは、これはみなさんからの懸念である「本当にこれが違法なのかよくわからない」と。それで、やっちゃったと。

 でもその前に「あなたがやっていることは違法ですよ」「もうやっちゃダメですよ」と警察からの警告があれば、そういったところは防げるんじゃないのというところですね。それから本法律の実効性と書いてあるんですけれども、海賊版対策というのは実は政府としては10項目くらい考えているメニューがあります。

 それが先ほどあったフィルタリングとかブロッキングとかそういったものも含めてなんですけれども、それ以外にももしかしたら本当に海賊版対策ができるものがあるのであれば、それも検討していかなければいけないんじゃないかみたいなところが、今後の著作権法改正を実際に法律を作っていく上でポイントと今のところ考えています。このあと、リーチサイトの紙も2枚ほどあるんですけれど……。

赤松:
 ちょっと一旦ここで。こういうふうな要件の絞り込みをすればAFEEとしてもOKみたいな感じなんですか。

坂井:
 そうですね。だって海賊版を許しているわけではないので。

赤松:
 私がTwitterで「どんなに大量でも何度でも毎日でも延々やっていても合法なんだみたいなメッセージを送ることは、なかなか難しい」というようなことを言ったら、「そういう極端な例を出して」というような反論もあったんですけれども。

坂井:
 AFEEとしては思っていないです。 

赤松:
 スイスで基本的にダウンロードは全部合法になったというニュースがあって、そういうのを目指している人たちがもし批判をしてきているのであれば、それは問題じゃないですか。

山田:
 あれも勘違いしちゃっているのは、合法になったのではなくて違法性を問うていないだけなのであって。

坂井:
 日本のこの3月の状態と一緒なんです。違法という議論になったんだけれども、それが先送りになった。

山田:
 だから別に合法でどんどんやれと言っているわけじゃないですよね。これも国際的にどこの国も問題であるのは間違いがないと。

赤松:
 なるほど。するとダウンロードが違法化に関しては特に我々は議論の余地はないんですか(笑)。

山田:
 どの程度絞り込むかというところについては実効性なのか……となると思うんですよ。僕はふたつ論点があると思っていて、ひとつは刑事罰なし。結局訴えたいほうは赤松先生もそうだと思うんですけれども、民事駆動があるからできるのであって、なんで最終的にみんな怖いかというと、勝手に警察が差し合う。

 「ダウンロードしてるらしいよ」とかなんとかって、要は著作権トロール【※】みたいな問題になっちゃうんだったら非常に怖いから、警察駆動にしたくないと。警察だって権利者に相談もせずにはできないんだから、結局は民事ということで刑事罰なしというところからスタート。ただこれは映像の時とも同じなんだけれども、様子を見て、もしそれでも刑事罰をつけなければ効果がないというのなら、また議論はできるはず。

※著作権トロール
著作権を自身の著作物の保護のために行使するのではなく、訴訟による賠償金獲得を目的として行使すること、あるいはそれを行う者のこと。

赤松:
 昔は動画と音楽も刑事罰はなかったですよね。

坂井:
 そうですね。昔はなかったですね。

山田:
 もちろんそのあとで刑事罰がついたのは議員立法で強引だったとも言われているんだけれども、ただ厳しく作っちゃったものをまた緩和するということは、とてつもなく難しい話になっちゃうので、段階としてやるならやるだし、いずれにしても事実をとるとすると、たぶん警察に任したって警察にはできないよと。だったらいわゆる刑事罰なしという形でまずダウンロード違法化ということを進めて、これは教育的配慮にもなる。

 つまり「違法なものをダウンロードというものはしちゃいけないんだよ」というメッセージは当然伝わるだろうというのがひとつ。それから対象物をしぼるというのは、元々は漫画とかアニメの話からスタートした話で、漫画・アニメ・ゲームにまずは絞れないかと。漫画・アニメ・ゲームはきょうこうやって赤松先生が説明してくれた通り、極めてクリアに海賊版の話があるんだけれど、これが論文になったらどうなるのか、なんとかになったらどうなのかと。

 たとえば僕はビジネスをやっていたから、ビジネスでコンサル会社がパワポを作るのに、引用の部分を越えてダウンロードして使っている可能性が高いかもしれない。それがわからなかった時に、世の中が混乱しちゃうんじゃないのと。

赤松:
 なるほど。

山田:
 もちろんスクショのことも、いろいろ細かい話をやると何時間でもできるんだけれど、たとえば30条の2項というのがあって映り込みでいけないかどうかということを言っているんだけれど、どこまでが映り込みかどうかというのもわからない。

 漫画・アニメ・ゲームにしぼるという議論をしたら、漫画・アニメ・ゲームの定義をしなきゃいけないと。

赤松:
 それも難しいですよね。

山田:
  「漫画」と書いてしまって、漫画・アニメ・ゲームで争いがあったときに判例で絞っていくやり方もあるにはある。議論しなきゃ進まないのであったら、実際の判例でもって争ったっていいのがひとつ。

 それから出版権という話が出たんですよ。これは日本技術会議の中で、大学の先生とか弁護士の人が集まって、私もそこに行ったんですね。

赤松:
 出版権はこういうやつですよね。講談社と私が出版の時に対する契約書ですよね。

坂井:
 その中に公衆送信権は入っていないですか。

赤松:
 ありますよ。今、新しくなっていて電子書籍に関するやつも別に結ぶんですよ。だから一概には言えないですけれども、そうです。

山田:
 出版権というものを設定すれば、スクショ違反というのはまったくなくなるし、いろいろこれはすごいんですよ。ぶっちゃけ言うと疲れちゃうくらい。たとえば漫画協会さんが出した三要件とかという議論もあったんだけれども、「著作者の利益を不当に害することとなる場合」なんていうのは逆に言うと、「この程度は不当には害しないから、ダウンロードOKと思って判断してやった」ということについてはどうなっちゃうのかなとか。

赤松:
 そういう会議だったんだ(笑)。

山田:
 そうそう。だから条文ベースでやらなきゃいけないというのはそういうことで、ポンチ絵(概要)ではなんぼでもできるんだけれど、条文に寄せた場合に実効性を持つかどうかというのは、例外の問題であったり解釈の問題ということを細かく決めて書かなきゃいけない。強く作ってしまうと、今度は想像もしないところに波及してしまうこともあると。

坂井:
 新しいビジネスだってありますからね。

山田:
 ということなので、対象物をしぼる形にロジックとして作っていかないと。手段だとかプロセスに対して何か網をかけるとなると、他のわけのわからないものにまで網がかかっちゃう可能性がある。対象物をしぼるとすると、しっかりと契約書になってるかどうかは別として、結局は出版権というのがあるはずだから。

 そうしたら今度は何が起こっちゃったかというと、「これについて期待しているのは、実は論文のほうの業界からもみんなこれに対して期待している」とか言い出しちゃったりなんかしてるので、これって本当に立法事実があるんですか? ということをごちゃごちゃやっていたりするというのが、今のステータスなんですよ。

坂井:
 本当にやらなきゃいけなかったらやればいいし、やる必要がなければやらなくていい。

赤松:
 この契約書自体、ここ数年なんですよ。それまでは漫画家は雑誌に載るときには契約がないんですよ。だから雑誌が急にやめたり、急にどこかに移ったりすると基本的には問題ないんですよ。契約なしで連載しているから。

 単行本のときだけこういうふうな契約をします。なので雑誌に載っているやつに関しては、実はすごく微妙な立場で弱いとも言える。昔、手塚治虫先生のW3事件【※】みたいなのがあって、それ以降は専属契約で縛ることにしたみたい。

※W3事件
手塚治虫が漫画『W3』の掲載誌を『週刊少年マガジン』から『週刊少年サンデー』に切り替えた事件のこと。

坂井:
 出版権の場合は、たとえば二次創作とかの場合はどうなっちゃうんだとか、そういうところは少し考えないといけない。

赤松:
 これを結んでいない作家はやっていいのね? ということになっちゃうので、出版権はナイスアイデアと思ったけれどもダメかな(笑)。

山田:
 あと、見えないの。出版権が結ばれているかどうかがわからないから、使うほうとしても問われちゃうか問われないかがわからないから、確かに対象物は絞れるんだけれど、きっとなんかの合わせ技でやらないと難しい。

 真面目に学術会議とかの偉い先生たちもどういうふうにこれを絞り込めばいいかと日夜検討しているということで、私も全部丁寧に集めて、これはできるかできないかということを交わしているんだけれども、たぶんポイントとしては、まず萎縮側からしたら何が萎縮効果で一番怖いかといえば警察駆動。

 やっぱり差し合いが起こるんじゃないかと、どうしてもそこがあるし、スクショぐらいのところで警察が飛んできてというのはかなわんと。でも権利者から言ったら権利者が駆動するから、はじめて進む。

赤松:
 ないですけれども、我々に無断で警察官が勝手に起訴できるわけです。だから権利者としてはちょっとムカつきます(笑)。

山田:
 一応これは親告罪ではあるんだけれども、もう少し寛容にすると、ここはまずは刑事罰なしでスタートするのがひとつの論点です。これもいろいろな人に聞かないといけないんですけれども、権利者としてはどうですか。たとえばダウンロード違法化に関して刑事罰なし。捕まえろよと。罪にして懲役もかけろと。

赤松:
 ちょっと……漫画協会の常務理事として公式な意見は差し控えさせていただきたい(笑)。僕が今やっているのはリーチサイトの前段階の静止画のダウンロードに関することですけれども、コメントではAFEEも「要件を絞り込めば静止画ダウンロード違法化はあり」だというふうに言っていますけれど、コメントしている人たちはそれでいいんですか。

坂井:
 アンケートとってみましょうか。

赤松:
 さっき私がサイバーロッカーとリーチサイトの現状を見せましたけれど、巧妙さとこれを取り締まれないというのと、画質のきれいさを見て、こういうふうな形で新人さんたちがきつい目にあっても……。

坂井:
 ちょっと先にアンケートをやりましょうか。

赤松:
 とにかくどんな要件でしぼっても反対なんだという人たち。

山田:
 要件をしぼればOKなのか、まったくだめなのか。

スタッフ:
 三択にしましょう。

山田:
 でも議論だから、実際の権利者の話を聞いてゆらぎながら正直に答えるのは民主主義じゃないですか。だってイズムになっちゃうよ。最初から答えが出ていて賛成だ、反対だというのは今はもうそんな時代じゃないから双方いろいろ事実をぶつけながら議論していくために番組をやっているので。

赤松:
 ネットでは「昔こんなことを言っていただろ」とかいって叩かれちゃいますけれど(笑)。

スタッフ:
 ではアンケートの準備ができました。

山田:
 ダウンロード違法化に関しての部分ですね。要件をしぼれば違法化あり、要件をしぼっても何であろうとだめなんだと、それからわからないと。

坂井:
 AFEEの立場だと用件を絞ってもダメかな。というか、もっと他にやることをやって欲しいというそういう立場ですね。

山田:
 僕は政治家ですから、双方の意見を聞くまでわからない。

坂井:
 割れましたね。

山田:
 僕、正直「わからない」が一番多いと思ったんだけれども、結構いろいろとあるんだね。

スタッフ:
 めずらしいですね。

赤松:
 まっぷたつという感じですね。

坂井:
 これは政治家が一番大変な割れ方ですね(笑)。

赤松:
 どっちにしても叩かれるっていう(笑)。

山田:
 多数決がきかないっていう。確かに決められないね。もっと議論がいるということだね。

リーチサイトは規制すべき? 「運営者だけでも潰したい」

赤松:
 では次はリーチサイトにいきますか。

坂井: 
 前回こういうのが出たよというやつなんですけれど、ふたつの種類に分かれています。

 対象1、対象2と分かれていますけれど、対象1はリーチサイトとかリーチアプリの運営に対していいとか悪いとかいう話。

赤松:
 先ほどのいっぱい集まった本体ですね。あそこには私の漫画のデータはないです。だからいまは手も足も出ないです。

坂井:
 対象2というのがリンクの提供で、「ここに行けばこの漫画が見られるよ」ということをそのサイトに教えてあげる人。似ているというか、事実上一体のケースというのが多いと思うんですけれども。そういったことで一応、今の法律の体系では分かれています。

 ちょっとややこしいんですけども、上のほうは対象1、リーチサイトの運営というのはリンク先の侵害コンテンツをことさらに誘導する場合違法ですよというふうにいっています。これはストリーミングを含むので、実はダウンロードよりも範囲が広いことになります。

 たとえばYouTubeのちょっと違法にアップロードされたところのリンクを貼るプラットフォームを運営するということは、この対象1の範囲に含まれます。それから提訴と書いてあるのですが、これも民事と刑事で分かれていまして、民事の場合には差し止め請求ですね。

 差し止め請求というのは、そのサイト自体がクローズしなさいという請求が可能です。

 対象2、リンクの提供ですね。たとえば先ほどの赤松さんの漫画はいくつかサイトがあったと思います。このサイトに行ったら見られるよ、このサイトのURLはこれだよということを、対象1の人たちに教える人たちですね。

 具体的にはこの侵害コンテンツ、たとえば赤松さんの『UQ HOLDER!』が公衆というのは誰でもという意味ですが、みんなが簡単に見られるようにすることという場合には、これはわざとそれをやるというのが禁止行為になっています。

 民事の場合には差し止め請求、損害賠償請求が可能ですし、こちらの場合は親告罪ということで、たとえば先ほどのものも赤松さんからの告訴があれば警察は刑事罰を問えるんだけれども、告訴がなければ刑事罰は問えないというような仕組みになっています。これについてどんなような議論があるのかというようなのは、正直似たようなものになっています。

山田:
 ちょっとその前段で、これについてはうちの事務所からリーチサイト規制の懸念点ということで文章を出しています。著作権課と各大臣を含めて主要なところには出していて、論点にしたものはいくつかあるんですけれども、ひとつはリーチサイトと言うと、確かに先ほどの説明だけを聞くとすべて悪いものだと思われます。

 ただその中には引用の要件を満たさないニュースまとめのサイトリンク集があったりとか、小説論文のリンク集があったりとか、素材のライセンス違反をして利用しているスライド等のリンク集があったりとか、現実的にそういうものが存在していて、それをたとえば消化しちゃったり、リンクを貼っちゃったりとかしていろいろなことで引っかかってしまうと、やはりそれはそれで萎縮というかまずいだろうと。

赤松:
 ネットが全滅ですよね。

山田:
 もうひとつやっぱり気をつけなければいけないのは、背景にあるのはハイパーリンクというのが前提なんだけど、これを作っちゃったことによって、今後のリンクというのも絶対だからねと。まだどこまで影響を及ぼすかがちょっと見えないと。なので結論からいうと、こういうものはフェアユース【※】みたいにしておくべきなんだけど、赤松さんが言っていらっしゃるように、目の前でこれが深刻だというのもわかっているという中で、条文を何にも議論せずに今決めようとしてるままではまずいよと。

※フェアユース
米国著作権法第107条に盛り込まれた規定。「フェアユース(公正な使用)は、著作権の侵害とならない」と定められている。

 そこが丁寧に文化庁との考え方ということでカウンターをもらっていまして、個別に我々が投げたものについて詰めているような状態なんですね。そんな中で要件をしぼったりして萎縮もない形で、どういうことが議論できるかというのが論点というのをちょっと出してください。

坂井:
 ひとつ議論があるとすれば一番下にあるやつですね。

 YouTubeなどのストリーミングコンテンツですね。これを含めるのかどうかというところは、ひとつ問題になるということですね。これは何かというと、今までダウンロードがそもそも、映画とか音楽は違法になっていました。今回はリーチサイトについて、たとえばアニメのリンクサイトというのは、そもそもリーチサイト規制の対象じゃなかったのが今回は含まれるので、そういった場合にYouTubeみたいなものに対するリンクもひとつ議論になるのかなというふうに思っています。

 それから文章として難しいだろうなというふうに思っているのが、法律上「侵害コンテンツにことさらに誘導する場合」と書いてあるんですね。ことさらに誘導する場合というのは、たとえば変な話ですけれども、先ほどのリーチサイトで見た赤松先生のあれは、当然「ことさらに誘導」に入らなきゃだめじゃないですか。あれを規制しないと何を規制するのか意味がわからない。

 そうじゃない単なるリンク集というものがあった時に、それは「ことさらに誘導する」にはあたらないのか、あたるのかというところが少し考えなきゃいけなくて、何に対してリンクを貼っているのか、漫画の違法アップロードに対して貼っているのか、他のものに貼っているのかというところで分けていくとか、そういうことも議論としてはひとつ考えなきゃいけないんだろうなと。

山田:
 客体をしぼらないと結構怖いのが、たとえば引用先の対象物というのは、引用というのは著作権法の32条であるんだけれども、ほとんど違反しているんですよ。

 最高裁判例というのがあるんだけれど、あれを守っていないんですよ。ほとんどの本の引用とか、うしろにまとめてここから参考文献をとりましたというのは違反なんですよ。ということを含めて、引用の32条が厳しすぎて守られていない、リンク集ということと掛け目にすると、相当網がかかっちゃう可能性があるわけですよね。

 確かに漫画・アニメに限ればかなり問題が多いから、そこをしぼれるかどうかっていうことではあるんだけど、まさに引用プラスハイパーリンク、これがセットで解釈される法文になっていると、かなり怖いというのは間違いない。

赤松:
 そうなると静止画ダウンロード違法とかよりもリーチサイトのほうががネットに対する……。

山田:
 インパクトはでかいですよ。そこはずっと出していて、そこは話したので著作権課も理解しているんですね。どう詰めていくかというのが、ここが腕の見せどころ。ダウンロードはかなり前回も議論されたし、ダウンロードは対象物がはっきりとしているんだけれども、これはリンクなのでどこまで広がっちゃうかが見えない。

赤松:
 これはわりと権利者団体もリーチサイトに関しては「いいでしょう」みたいな感じで進めたんだけど、これは山田先生がにわかに言い出して、ああなるほどという感じはしましたね。

山田:
 これ、危なかったらそのまま通っちゃうところでしたよ。そういう意味で僕は自負しているんですけれども。だからといって、もちろん放置しているとは思わないし、はっきり言ってダウンロードで時間がかかるというのもあったけれども、わかりやすいのはこっちなんだよね。

 ここに書いてあるとおりで、結局はどうやってしぼり込むかというと事実上ダウンロードのほうと同じで、原作のままとか著作権者の利益を不当に害する場合とか。でもさっきも言ったように、著作権者のこの程度なら大丈夫だろうと思って意図的にやっているケースとか出てくるんじゃないか。

 漫画・アニメに限定も、何をもって漫画・アニメなのかとかということが言われると。ポイントとしてはこれも罰則のところでまず民事措置からスタートというのもひとつの考え方で、これこそ刑事にしてしまうと、わけのわからないものでも捕まえちゃうんじゃないのということで、見えない以上こっちこそしぼり込むべきではないかと。

坂井:
 あとは抜け漏れちゃったんですけれど、ただそうは言っても親告罪としておけば、赤松先生が言った場合に対する親告罪というのは、運営者側にどう適用するのかというのは、その運営者のサイトにはいろいろな侵害コンテンツが載っていて、そのうちのひとつを侵害された人がいた時にどう評価されるのかというのは難しいんですけれども、その人だけ逮捕されてもサーバが残っちゃっていたら、コンテンツはそのまま残っちゃうので。

 そういうところを含めて、やっぱりきちんと考えなければいけないと。そうなればだいぶ怖くなくなると思うんですよ。

山田:
 非親告罪はちょっとありえないと思ってるので、あれだけは絶対にだめよって言っているの。

赤松:
 文化庁は何と言っているんですか。

坂井:
 文化庁はまだ落としどころを考えていないというのが、パブコメを募集中なのでパブコメを見てから自分たちの意見を決めるというのが彼らの態度なんですよ。

赤松:
 リーチサイトに関して、もう潰れちゃいましたけどはるか夢の址というリーチサイトがありました。これが昔は一番でかかったんですよ。はるか夢の址になる前は紅籍会といって、だいたい欲しいものはそこにリンクが置いてあってみんな行っていたんだけど、その人たちが逮捕されました。その理由は本人たちがアップロードしていたから。

坂井:
 確かほう助にもなったんですよね。

赤松:
 この前、漫画村一味が逮捕されましたけれども、結局アップロードしたということで逮捕されていたんですよ。はるか夢の址はすごく長い年月で運営していたんですよ。もう、すごい老舗で、手も足も出なかったと。手も足も出ないという状況に関して、それに対してはどうですか。アップロードしたものを発見するまで、このまま手も足も出なくていいですか。

坂井:
 僕は別のことを絶対にやらなければいけないと思います。僕の中の答えになってしまうんですけれど、普通のブラウザで見られるという範囲に限定した時に、基本的にはドメインを取らなきゃいけないし、サーバーを借りなきゃいけないし、これだけ大規模になったらCDN(Content Delivery Network)も必要なわけですよ。  

 たとえばそこら辺の本人確認を厳格化するとか、防弾ホスティングをやっている国なんていうのは、世界中で「お前ふざけんな」と、ちゃんと著作権法違反しているようなものであればちゃんとテイクダウンさせろということであったり、たとえば日本の中でもアップロードしている側を特定しやすいようにね。

 それは裁判を使ってプロパイダー責任法を変えなきゃいけないですけれども、そういうことをやってちゃんとアップロード側に対する民事あるいは刑事の手が届きやすいようにしていくということは、絶対に考えなきゃいけない。だってどう考えたって悪いのはアップロードしている人たちですから。そこは間違いないんです。

赤松:
 あとは運営している人。

坂井:
 そこをなんとかしなきゃいけないということを、この議論を見ているとすべてダウンロード側なんですよ。ダウンロード側はやっぱり最後の手段にしたいなというのが、どちらかと言うと我々の思いなんですよ。それは漫画家さんからすれば「なんでもいいからやめてくれ」と、「一連のプロセスのどこでもいいからまず切ってくれ」と、一番やりやすいのはダウンロードだというのも、確かにわかることはわかるんです。

赤松:
 そんなことは言ってない(笑)。

山田:
 私も今回要望というか、党内でもかなり強くまとめようとしているのが、ダウンロード側をもし法制化するんだったら、ちゃんとそこにアップロードについてもこれから真剣にやるんだよというのがセットでやると。

赤松:
 それは最後のほうにしませんか。

山田:
 しましょう。

赤松:
 まずリーチサイトに関する決着をつけたいんですけれども。私のパワポを出してください。

 最初のアップロード者がアップロードして、まあいいでしょう。リンクサイトはこのサイバーロッカーのこのデータが入っているURLを、なぜか知っているんですよ。

坂井:
 一緒ということですよね?

赤松:
 なぜか知っていて、最新のアップロードをしているURLをまとめてあると。いろいろなところにあげてあると。それでインセンティブをもらってそのURLをまとめている人たちが、どうもやっぱりリーチサイトの運営者じゃないかと。漫画村も結局はそうだったんですよ。はるか夢の址もそうだったと。

 サイバーロッカーの中で最新の『UQ HOLDER!』21巻のURLを検索する機能はないです。だから上げた人がURLを貼るというのが一番合理的なんですよ。となると、それを取り締まれない。アップロードと運営者が同じ人だとかいうのまでわかったとしても、訴訟して回収できるかというと、そうでもないと。

 よくわからない人たちが捕まったりするということに関して、運営者だけでも潰したいなっていうのは、わりと合理的な考えな気がするんですよね。

 その中でダウンロードする人たちはなるべくやめてほしいけど、そうじゃなくて運営者を特定して、アップローダーやサイバーロッカーは別に善意でも使えるわけだから、ストックとしてみんな万々歳になるんじゃないかなっていうので、用件をしぼった上でリーチサイトを規制したらどうかなというのが、現在の私の意見なんですけれど、これに対してどうですか。それでもいらない?

坂井:
 いらないかと言われると、すごく厳しいんですけれども……。

赤松:
 運営者はいいの? 野放しなの?

坂井:
 ふたつあって、実際に違法ですとなった時に、このサーバーが海外にありますと。これが本当に何か実効性を持てるのかというところは真剣に議論しなきゃいけないし、できるんだったらアメリカのデジタルミレニアム著作権法【※】だってありますからね。あの仕組みが良いかどうかは別にしても、そういうような仕組みできちんとサーバーを落としていけるというような仕組みを考えなきゃいけない。

※デジタルミレニアム著作権法
1996年12月に成立したWIPO(世界知的所有権機関)の著作権条約および実演・レコード条約にアメリカ国内法を適合させるための改正。追加された重要な規定として、デジタル情報の複製を防止・制御する技術的保護手段(DRM等)を回避するソフトウェアなどの開発・頒布を禁じたことと、インターネット上での著作権侵害事案についてインターネットサービスプロバイダ(ISP)など発信者と受信者の中間にある事業者の責任や手続きを明確化したことの二点が挙げられる。

 だってそれをやらなかったら、いくら法律を作ったって意味がないわけじゃないですか。悪いことだと知っていてやっているわけですから。アップロードとセットでアップロードはそもそも今でも違反ですから、バレないだろうと思ってやってるだけですからね。確かにおっしゃられたように、捜査が進まないと結果的にアップロードもやっていたねということがわからないというところは、やっぱりすごいもどかしいところですよね。

 でも先ほど言った仕組みというのも、やっぱり考えなきゃいけない。政府が考えている仕組みだけだと海賊版はなくならないですよ。

山田:
 サイバーロッカーって、場所はどこにあるの? アメリカにあったとしたら、仮に一番厳しいリーチサイト規制を作ったらどうなるのかな。

坂井:
 たぶんアメリカだったら落とせるんじゃないですか。

赤松:
 問題としてアップローダーはもちろん突き止めたいですよ。この際、ダウンローダーはいいですよ。運営者を規制できないという現状に対して、AFEEとして野放しでもいいということですよね。

坂井:
 だからこれはまさにWinnyの話なんですよ。プラットフォームを提供している人たちって……ちょっとすごい嫌だな(笑)。

赤松:
 プラットフォームを提供しているのであって、問題はないと?

坂井:
 問題はありますよ。だってそれは事実上、一緒にやってますから。

山田:
 これがサイバーロッカーだったら、確かにこれをピンポイントで取り締まられるようなダウンロード側とかリーチサイトに関しても、厳しい法律を作るというのはありなんだけれども、このサイバーロッカーの形がさっきも言ったように、小説論文とかだったりとかまた別の形態になった場合、網に引っかかっちゃうかどうかということを外せるかだよね。

 どういうふうに法文上書いて、構造上これだけをうまく止めらせられるかどうか、捕まえることができるかどうか、そこがたぶんこれから法律を作る側も我々も、腕の見せどころじゃないですか。ただ何度も言うんですけれど、我々も実体は正直言うと、きょう赤松さんから詳しく聞いた状態なんですよ。

坂井:
 衝撃的でしたよ。

山田:
 議論が足りない中で法整備を急いでやる。何もやらないよりはやったほうがいいからということで、段階的にした場合にどうかっていうやり方が今回ひとつ落としどころだと思うと、さっきも言ったように罰則については段階的につけつつ、様子を見て、それでも防げないんだったら……というふうにするし、あとはその法律を作ることによって不具合もわかってくるので、1年から3年を目途に修正させていくこともできると思うんですよね。

 本来はこういうものこそ、世界の常識はフェアユース【※】なんですよ。一つひとつのこういう案件をめぐって、アメリカなんかだと訴訟も通じて、こういうケースはだめでしょう、こういうケースはOKにしようということをやるんだけれど、日本というのはどうしてもベースはなくて、オプトイン。いわゆる著作権自体が全部ダメ。

※フェアユース
アメリカ合衆国の著作権法などが認める著作権侵害の主張に対する抗弁事由の一つである。、著作権者の許諾なく著作物を利用しても、その利用が一定の判断基準のもとで公正な利用(フェアユース)に該当するものと評価されれば、その利用行為は著作権の侵害にあたらない。

 これだけが例外的にOKと認められている中で、こういうものをダメにしちゃった場合に全部がダメになってしまうということは絶対に避けなければならないと。そうするとフェアユースじゃないんだけど、徐々に寛容に作っていって、それで状況が打開できるかどうか。僕はまず取り締まるとしたらリーチサイトのアップロードの仕方というのは、そういうことなんじゃないかなと思っているんですよね。

赤松:
 このリーチサイトに関して投票するのか、あとはパブコメに関して設問ごとに戦わせるのかを時間を見て決めてほしいんですけれど。

山田:
 リーチサイトこそやりましょうよ。先ほどと同じ設問でいいんじゃないですか。

赤松:
 ダウンローダーは先ほどの話とは違うので、リーチサイトの運営者を特定して叩くということに関して、用件をしぼってやるっていうものに関してはいいのか、それともなんでリンクに関してダメなのかと、あとはわからないと。

坂井:
 いや〜、難しい(笑)。

スタッフ:
 リーチサイトの運営者をどう罰するか。

赤松:
 「罰する」というと刑事になっちゃう。

山田:
 今の段階では要件をしぼってということしか書けないと思いますよ。難しい。そんな簡単にリーチサイトのケースみたいなものを特定できるようなことができるんだったら、もう明日にでも作っています(笑)。

坂井:
 要件なんですが、漫画とかアニメに限定するといっても、実際それが法文になれるのかというのは、かなりハードルが高いことは間違いない。

赤松:
 とりあえず要件をしぼってリーチサイトを規制すべきだと。もしくはどんな要件でもダメ。あとはわからない。先ほど同じですね。

山田:
 でもきょうはびっくりしたんですよ。きょう知財に関する部会があって、日本もフェアユースについて議論しないといけないということを言ったら、みんな「フェアユースをやるべきだ」と言いはじめて。

 たまたまきょうはイノベーションの件で経団連とか新経連とかそういうところも来ていたんだけれども、そういうところもフェアユースはやるべきだと。総論賛成各論いろいろ。反対まではしていないんだけれど。

赤松:
 イノベーション推進みたいな形で著作権もずいぶんと変わってきているので。AIだったらいいよとかみたいなのがあって、全体的な流れだとは思うんですけれども、権利者団体としてはフェアユースはすべてよしみたいなふうには急には言えないんですよね。

山田:
 日本型とアメリカ型は違っていて、訴訟を好まないから日本型というのはちょっと何を考えているか、立法でオープンに議論した上で、ある程度の枠組みはちゃんと立法で措置する。そうしてあげないと訴訟で強いとか強くないとなったり、あとは訴訟を嫌っちゃうから。意味がないし、進まないと思うんですよね。そういうふうに日本型フェアユースというのは少し考えています。

スタッフ:
 アンケートが。

坂井:
 出ましたね。要件を絞ってリーチサイトを規制するべきだと思いますか。1、要件を絞れば規制してもいい。2、どんな要件でもだめだ。3、わからない。

山田:
 本当に議論になってこなかったので、きちっと僕はこれを議論するべきだと思っています。

赤松:
 そうですね。

山田:
 きょうも著作権課は見ていると思います(笑)。関係者みんな見ていると思います(笑)。

坂井:
 みなさんすみません(笑)。これはむずかしいですよ。

山田:
 日本学術会議ですらいろいろ揺れて、いろいろな意見を出してああだこうだと。学者のみなさんがそういうレベルですからね。

坂井:
 リベラル、自由であることには私だってやりたいですけれど、そういうことを言いはじめると、「海賊版いいんだよ」っていうメッセージになっちゃうのは困るんですよね。

山田:
 赤松さんがこういうふうに被害を具体的にきちっと見せて、それはまずいよねと。はじめてなんじゃないですか。

赤松:
 実際に自分の作品を出してリーチサイトやサイバーロッカーをやって見せるというのは、他の作家では無理ですよ(笑)。出来るのは多分私だけ(笑)。

坂井:
 はじめてダウンロードの画面を見ました。

赤松:
 行ったことないでしょう。ぶっちゃけ、マニアはみんなこれを使っています。

坂井:
 画面キャプチャでこういうサイトがありますよというのは見たことがありますけれども、まさにこの画面ははじめて。

赤松:
 ドキドキするでしょう(笑)。

山田:
 これだけの重要な問題、特に表現の自由にまつわる数十の問題を与党議論というか審査をしているような過程で、これだけあからさまにオープンで晒して意見を求めるというのも、ネット型政治というのかな。

坂井:
 画期的ですよ。きょうの議論だって、たとえば僕が漫画家で赤松さんがAFEEの編集長で逆の立場だったら、絶対に逆のことを言っていますよ(笑)。

赤松:
 言っていますね(笑)。

坂井:
 僕、「リーチサイトを規制すべきだ」と言ってますもん(笑)。

スタッフ:
 回答がでましたのでお願いします。

一同:
 お〜。

赤松:
 やっぱりみんな運営者を叩きたいんじゃないですか?

山田:
 これはなんとかしたほうがいいんじゃないかと。

坂井:
 先ほどのリーチサイトの具体像がたぶん出たんでしょうね。

山田:
 正直、説明を受けていないと違ったりとかという可能性はあるので、どういう被害が具体的にあるのかをきちんとフェアに審査する。これは著作権課からサイバーロッカーの問題とかの説明は行っていますか。

赤松:
 私が全部知っているだけ。官僚はサイバーロッカーに行ってないんじゃないですか。本当にダウンロードすると危険ですよ。

パブリックコメントの中身を公開

赤松:
 ではパブコメ議論で最終決着をつけましょうか。今のところ私のほうが優勢のようですよ(笑)。

坂井:
 ちょっと劣勢ですけれども、海賊版をやめないといけないというのは一緒だというところは理解してくださいね。

赤松:
 ……。

坂井:
 反応がない(笑)。

赤松:
 海賊版をダウンロードしてもいいんでしょう(笑)?

坂井:
 海賊版ですか? だからそれは僕……厳しいなあ(笑)。これが文化庁が出しているパブコメの様式集というやつで、この下に設問が並んでいます。

赤松:
 パブコメに関しては我々が「これは一番にしなさいよ」みたいなことを言うべきではないですよね。我々として意見をちょっと戦わせてそれを見てもらうイメージなので。

山田:
 みなさんがちゃんと考えて出して送っていただくと。

坂井:
 きょうの議論を聞いて、自分が一番「そうだな」と思ったことを書くのが一番いいんだろうなと。

山田:
 基本的な考え方ですね。「深刻な海賊版被害の実効的な対策を講じること」、「国民の正当な情報収集等に萎縮を生じさせないこと」というふたつの要請を両立させた形で、侵害コンテンツのダウンロード違法化を行うことについて、どう考えるかと。このあたりから軽く。

坂井:
 全然軽くないですよ(笑)。

赤松:
 これが一番重いですよね(笑)。でも漫画協会は今回、大手出版社の集まりと共同声明を出して、政府に対して「この前はすまなかった」と。「海賊版対策をやってほしくないわけじゃないからやって」と共同声明を出しちゃった以上は賛成と言わざるを得ないんですよね。

山田:
 AFEE的にはどうですか。

坂井:
 僕は編集長思案で2で出したんですよ。どちらかと言うと賛成。最終的にはですね今の役員会案というやつがあるのですが、それは未回答。これは何かというと政府に対する不信感なんですよ。だってここに書いてあることって絶対賛成なんですよ。ネガティブなこととポジティブなことを両立させたら、ネガティブなことを叩くためにはダウンロード違法化しなきゃいけないですから。

 だからどちらかと言うと賛成です。本当にできるんだったら基本的には賛成です。でも賛成に丸をつけると、全部この問題に賛成と捉えられるように見えちゃうから、これは未回答としました。

山田:
 でもネットでもそういう意見が多かったんですよ。明らかに1番をつけざるを得ないような書きぶりであると。ゆえに賛成だからこそ規制を作っていいんだというふうに誘導しているのではないかというふうに、かなり批判が逆に多かった。逆にこれは最後にすべきなんだよ。

赤松:
 一旦これはパスして次のやつにいきましょう。

山田:
 懸案事項および要件設定ですね。侵害コンテンツのダウンロード違法化を行うことによる懸念事項として、下の項目があると。1。インターネット上に掲載されたコンテンツは、適法にアップロードされたのか違法にアップロードされたのか判断が難しいものが多いため、ダウンロードを控えることになる。そういう懸念があると。

赤松:
 それが違法なのかわからないから、なるべくやらないよという人たちがいる。

山田:
 萎縮しちゃうということ。

坂井:
 僕はこれはとても懸念されるに丸をつけました。

赤松:
 まあそうですよね。どちらかというと懸念。言っておきますけれど、これは漫画協会としての意見じゃないですよ(笑)。どちらかというと懸念されますよね。

山田:
 次はスクリーンショットで保存しようとする際に、違法画像等 が入り込むことが違法になる。これはスクショ問題ですね。

赤松:
 どうですか。

坂井:
 懸念されるに丸をつけましたけれども、ここはどちらかと言うと、あまり今回の論点にならないかなというふうに僕は思っていて、さすがに今回の文化庁もこれは違法にしないでしょうというふうに思っているんですけれども。

山田:
 へえ、信じているんだ。

坂井:
 はい、信じています(笑)。

赤松:
 私も1番。

山田:
 たぶんこれは30条の2でやろうとしているんですよ。映り込みの解釈でもって明確に書くというのかなと思うのですが、まず政府なり、そういうのが信用されていないというのが大きいのかなという気もしますけれど。では、同じだと。

赤松:
 同じじゃないですよ。私はとても懸念されると心配しているんですよ。

山田:
 坂井さんも。

坂井:
 「とても懸念される」です。

山田:
 漫画の1コマのダウンロードや論文中に他人の著作物の違法引用がされている場合の該当論文のダウンロードなど、ごく一部の軽微なダウンロードでも違法になる。

赤松:
 私は2番。どちらかというと懸念されると思います。

坂井:
 1番と書きましたけれども、これもないんだろうなと僕は著作権課を信じているんですけれども。

赤松:
 次が問題なんですよ。

山田:
 原作者の許諾を得ずに創作された二次創作・パロディのダウンロードが違法になる。

赤松:
 これはどうしていましたか。

坂井:
 とても懸念されると書きました。ただし今の法律上、これって違法じゃないんですよ。

山田:
 判例がないんです。

坂井:
 判例がないというか、これは除外されているんですね。二次創作、パロディはすごく難しいんですけれど、「二次創作を作りました」という人がアップロードする。これ自体は違法行為。あ、違法行為と言っちゃいけないのか。

赤松:
 私が許可しているかもしれないからね(笑)。

坂井:
 原作者の許可なくやっていれば、厳密に言うと違法です。それをダウンロードすること自体は今回の法律では合法なんですよ。ただしたとえば僕が赤松さんの作品で二次創作を作ったものを、山田さんが今度コピーして別のサイトにアップしましたと。それをダウンロードしましたというので、それを知っていたらこっちは違法になる。すごく難しい仕組みになっているので、こういうのは教育しなきゃいけないと僕は書きました。

赤松:
 私としては二次創作が違法なのかどうなのかというのが前提条件として出てくるので、これを懸念されるとかいうと、二次創作がだめなのかと言っているように見えるし、懸念されないだと二次創作はOKなんだと言っているように聞こえちゃうので、一応5番にして態度を明らかにしませんでした。

山田:
 原文でも28条というのがあって、二次創作、パロディは含まないというふうには除外しているんだよね。

赤松:
 二次創作関しては文化審議会でも出版社が「コミケは創作のゆりかごである」みたいなことを言っているし、我々も概ね同人出身の漫画家ってすごい多いんですよというのがあるので、ガンガン違法みたいなふうにはならないですよね。かと言って合法なの? と言われると、合法とも言いませんよという感じですよ。だから5番にしました。

山田:
 無料で提供されているコンテンツが違法にアップロードされている場合は、そのダウンロードが違法になる。

赤松:
 これはちょっとおかしくて、「問題視していない」というときは、問題視していないということじゃないですか。それで「黙認している」というのは黙認しているということではないので、これはなんかちょっとよくわからない設問なんですけれど。

坂井:
 僕はこういうやり方、有料か有料じゃないかじゃなくて、原作者の経済的利益を不当に害しているか、害していないかという観点で、どちらかというと害しているほうだったら規制してもしょうがないかなという立場です。タダでも害している場合はあるし、有料でも害していない、あるいは別に気にしない場合もあるので、そういう観点で分けるべきなんじゃないかなということを、コメントに書いています。

赤松:
 作者が黙認しているというのは、どういう状況をいうのかわからないです。黙認している顔とかですかね(笑)。

山田:
 次は権利者により、濫用的な権利行使がされる可能性や刑事罰の規定の運用が不当に拡大される可能性がある。これは信頼度だね。

坂井:
 これはとても懸念されるにしました。

赤松:
 これは「権利者により」というのは私じゃないですか。だから3とか4とかというふうにしないと、自分でとても懸念されるにすると、やらなきゃいいじゃないかという話になるので設問がちょっとおかしい。

坂井:
 どちらかというと僕らは前段というよりも後段ですね。刑事罰の規定の運用を不当に拡大される可能性があると。警察が好き勝手やれちゃうよというようなところに対する懸念を主に書きました。

山田:
 ここは大事な論点で、コメントでも「警察が」というのが多いんですよ。そういうのが萎縮に繋がるとするんだったら、刑事罰を最初につけるべきじゃないんじゃないかというのが論点ですね。次にいきましょう。侵害コンテンツのダウンロード違法化に関する文化庁当初案についてどう思うか。

 当初案で良い、当初案よりもしぼり込むべき、広げるべき、適否はわからないがバランスのとれた内容とすべき、政府における検討にゆだねるってちょっとあまりよくわからないですけれども。要件にかかわらず侵害コンテンツのダウンロード違法化自体は行うべきではない。

赤松:
 坂井さんは?

坂井:
 最初に言ったとおり、5番にしました。

赤松:
 今までの設問と矛盾していませんか(笑)。

坂井:
 なぜかと言うと、実効性がないからということにしたんですよ。先ほどのリーチサイト話を見るまではということで許してください。実効性がないと思っていたんですよ。

 ダウンロードの違法化というのは僕の感覚だと、漫画村、miomio、AniTubeと、アニメも入っていますけれどもストリーミングサイトで仮にこういうことをやっても実際に1時間半かけてダウンロードして漫画を見る人がいないと思ったんですよ。すいませんがその認識は僕には欠けていました。その上でこれをどうするかというのは、すいません、ちょっと考えさせてください(笑)。

赤松: 
 私は2ですね。違法となる対象が広いので、もっとしぼり込めよということですよね。

著作権改正の今後の流れは?

山田:
 今後のスケジュールをさくさくっと。これですね。

 文化庁と知財本部、他省庁と書いてありますが、どういう形で進むかということなのですが、年内までパブコメをまとめまして、有識者検討会というものを……。

赤松:
 パブコメの締め切りっていつですか。

山田:
 10月30日までですね。

赤松:
 それまでに今の議論を参考に。

山田:
 これをもって有識者検討会が行われて、私もアンダーでやっていますが正式に自民党知財調査会等にきて、与党審議というのが行われながら、私が絶対に約束を取りつけているのは法文ベースやってくださいよと。法文がでない限りは与党も見ないよと。

 それはそうだよね。特に著作権は法文が一番大事なんですよ。出てきた法文が全然違ったりするんだよ。著作権というのはすごく複雑なんだよね。ということもあるので、法文ベースでやることは約束した。実は与党の会議の中で著作権課が約束したので、もうやらざるを得ませんからそれでやる。

 2月の与党審査を経て閣議決定が3月にあって4月以降の来年の通常国会で提出をするという、だいたいこんな運び。だから基本的に世論も有識者会議に入って行く前に、ひとつ有識者にもわかるような形で世論形成をすると。有識者の人たちも私は半分くらい知っているんですけれども、話もしていまして、この人はこういうことを言うんだろうなと。

 ただ最終的には国民の意見というのを代弁しているのは国会審議ですから。その前の政権与党の力というのは事実上大きいので、そこでの審査をどうやるのかというのが私も責任がすごくあるのですが、だいたいそんな流れでいくと。

 早い遅いは別として絶対法文ベースでやらないと、また間違いが起こるので、そこだけは。その法文が出てくると、また解釈がいろいろ専門家の中でも分かれたり出てきたりするので、行きつ戻りつはあるかもしれないんだけれども、決してポンチ絵だけで進めないということで。ただ法文にするのはすごく難しい。漫画だけにしぼるとか、そういうのはどうなっちゃうのかとかね。

赤松:
 随分と頼りになりますけれども、野党対策はどうなっているんですか。

山田:
 もうひとつMANGA議連というのがあるので、あそこでも「ここは重要事項としてやろう」と。最終的な出来栄えを与野党がぶつかったものにしたくない。というのは、与野党がぶつかると潰れちゃうだけなんですよ。潰れちゃったら結局海賊版対策がまた、なしになっちゃう。

赤松:
 またか(笑)。今回潰れたらまじでないですよ(笑)。

山田:
 だからこれは与党にとっても野党にとっても本当はこれを政局みたいにして反対賛成でやるよりも、できるだけ野党にも意見をもらいながらいいものに仕上げていくと。

 野党はどちらかと言うと閣法なので批判的に見てくると思うんだけれど、だからこそここは私はもうどうしても与党の立場だから、「山田さんがいくらMANGA議連含め超党派で動いたところで、所詮は自民党の立場があるでしょう」と言われちゃうので、ここは逆に漫画家としてまさに赤松先生が少し野党に対しても説明してもらう必要はあるのかなということは思っています。

 その前にこれは世論形成だと思います。特に前回もそうなんですがネットの力というのが、すごく本件に関しては大きいからね。基本、これに関係するユーザーサイドはネットとスイートな人たちが多いはずなので、世論がネットで形成されるという傾向を持っているから、しっかりネットでどういう過程でなぜこういうふうになっていったのかということを全部オープンにしていくことが、最終的にまとめあげる最大のポイントだと思っています。というようなのが今後のプロセスですね。

坂井:
 それぞれの立場でのこの問題の難しさっていう。

山田:
 最後は今後というところですよね。途中でも話が出ていましたが、ダウンロード側とかユーザー側に負荷がかかるような規制案なのですが、とはいえアップロード側への取り締まりを強化すべきだということで、これは正直言って、このあいだ内閣府が来たんですよ。それでびっくりしたことにアップロード側に対する取り締まりの強化のアイデアがない。

坂井:
 僕が話した10個くらいの案を列挙して書いていました(笑)。

山田:
 「アイデアをください」と言われたので、政府に対してもアイデアを提供したり、党内のほうでも、一応知財本部に関しては知財本部長が林芳正議員なので、林芳正先生ともサシで随分議論して、そうしたら「山田さんのほうでこれをまとめる役割をやってくれ」と言われたりとか。

赤松:
 そこを叩くのは権利者団体としても全然問題ないのでやってほしいですね。

山田:
 もうひとつは著作権だけの問題じゃなくて、発信者情報開示制度、ディスカバリーというものもやるべきだし、これが実際漫画村をアメリカのほうで開示させた決定版でもあったので、ディスカバリーとサピーナというのは罰則付き召喚状ということなんだけれども、要はネットは匿名制だから結局、誰がやっているかわからないから捕まえられない状況にあるわけです。

 でもアメリカではそれはネット上フェアじゃないと。そこで言われたもん負け、言ったもん勝ちにならないように、双方がフェアな形で裁判ができるように情報者の発信開示制度というのが裁判前提としてできるようになっているんですね。だから民事だけの適用です。刑事だと怖いからね。どんどん刑事がいけちゃうということになっちゃうので。

 日本は全然ないのかと。プロバイダ制限責任法の中に確か4条だと思うんですけれど、「事前に発信者に言うこと」となっているんですよ。そうすると何の意味もないということになるので、ちょっとこの辺りは見直す必要があるし、サピーナという罰則付き召喚状までやらない限り、どんどん話が長くなっていってしまう。

 これは他のところでもいろいろ言っているのですが、これは海賊版だけの問題ではなくて、最近ネットのいじめの問題でも非常に深刻で、いじめで自殺しちゃうという。例でいうとテレビでは菅田将暉さんが出ていた『3年A組』の話ですよ。誰が殺したんだ? というようなもので、実際の裁判判例でも亡くなった子供の親御さんが開示制度を日本の中で訴えて、1年2年かかるんですよ。

 もちろん匿名性のネットの特徴もあるから、何でもかんでも開けばいいということではないんだけれども、バランスをとってそういうものも日本ではスタディするべきじゃないかなと。それからやはりつめていくにもフェアユースというものも、そろそろ真剣に考えないともう毎回こういう話なんですよ。これも知財本部だったりとか自民党デジタル社会推進特別委員会でも私は発言していまして、各議員が議論をどこかでしなきゃいけないよねという気運は少し出てきているので。

坂井:
 フェアユースだと今回の著作権の件も認められると思いますよ。フェアユースの規定だったら譲歩できると思います。怖くなくなりますもん。

山田:
 ただフェアユースにすると、条文のどこをいじるかというのが問題がすごくあって。

赤松:
 日本版フェアユースというのは何度も失敗しているんですよ。

山田:
 何回も議論があったそうなんです。30条の4の一部をいじることで事実上のフェアユースにするということもあれば、それはちゃんと本格的に作り直さないといけないんじゃないのかということもあるんですけれども。

赤松:
 山田先生を中心に権利者といろいろなところが集まって話し合うのをはじめるのがいいんじゃないですか。

山田:
 本来は弁護士さんとか法曹界が中心にならないと。実は著作権の問題って、すごい巨大な財産権なんですよ。みんな単なる著作権文化を信仰みたいな形で矮小化して考えている人も多いんだけれど、すごい大きな財産権なんですよ。そもそもこれを文化庁の下に置いておくべきなのかという議論もあるんです。

 別に文化庁が悪いとかそういうことじゃなくて、そもそももしかしたら経産省じゃないんだけれど、リユースということで言えばそういうことになるだろうし、いろいろなところが……。実はビジネスにおいてもめちゃくちゃ大きな法律というか、強い法律なんですよね。ということでもあるので、本当は今回の漫画・アニメ・ゲームだけを駆動として議論できるものではない。

 ものすごく大きく効いてきちゃう法律なので。専門家がなかなか少ないし、政権与党を見ていても、なかなか著作権をメインでやっている人もほぼいない状況だから、なかなか弁護士の先生方でも著作権は専門というのが分かれてきたり。

 ただ商売では弁護士の人は多いんですね。権利関係というのはすごく重要だから。ただそうなると今度は権利者側にどうしてもついちゃう動きをするので、強めに強めに議論しちゃうというきらいもあるんですね。どうしても大学の先生対弁護士さんみたいな構図にもなったりするので、どうバランスをとっていくかということはちょっと難しいのですが、私も公約でフェアユースについて議論するということは選挙で言ってきたから、真面目にやっています。

 ということで、やはりアップロード側はまだやるべき事で、いろいろアイデアが欲しいんですよね。

赤松:
 そうですよね。アップロードと運営者ですよね。だいたい同一ですけれどね。

山田:
 法文についてはどんなものを作るにしても、ちゃんとアップロード側についても議論をするという附則はつけさせて、これをきっかけにアップロード側についても議論をはじめるということも、実は今動いていますのでという感じです。

パブリックコメントで自分の意見を届けよう

スタッフ:
 あっという間の2時間。

坂井:
 でもまだできますね。全然できますね(笑)。

山田:
 でもはじめてじゃないですか。これだけひとつの法律、法案の重要なものがこれだけオープンになって議論されることは。この話をきっといろいろな関係者が見ていたりして、かなり影響を受けると思いますよ。

スタッフ:
 文化庁の方もサイバーロッカーの説明をご覧になってどう思うか。

坂井:
 今度来た時に言っておきましょうか。「あれ、見ました?」とかって(笑)。

山田:
 麻生さんはわりと規制に触れることがあるという話をしていますが、実は麻生さんともこの一週間以内に2時間くらいお話します。

スタッフ:
 「麻生さんは規制派でしょう」というコメントも。

山田:
  必ずしも……。

赤松:
 でもこのあいだ、さいとう・たかを先生の45周年記念で『ゴルゴ13』がいかにいいかというのを、ちょっと引くレベルの詳しさで(笑)。

山田:
 僕は政治家のレッテルを貼っちゃいけないと。もちろん保守的な先生とかもいて、でもきちんと情報が伝わっていなかったりとかコミュニケーションが足りないというケースもあります。わからないですよ、はっきり言って。

赤松:
 馳先生なんかもお話してみたら漫画の味方になってくれたし。

山田:
 馳先生なんかは本当は文教族で極めて強烈な保守派に位置づけられているはずなのに、LGBT等をはじめとして考えはリベラルということもあったりするから、所属といわゆる中身がバランスを持った方がいろいろいるので、仮に規制派だと思ったとしてもきちんと議論すべき。

 下村博文先生ともこれまで何度も、それから先週は平沢勝栄先生とも話をしていますので。平沢勝栄先生が今回自民党のネットメディア局の次長に指名したんです。もっと自由にと。どんどん自由にやってよろしいと。

赤松:
 本当ですか(笑)?

山田:
 ネットメディア局で番組を作るので、どんどん出していって引き出したいんですよ。もちろん理想ばかりじゃありません。自民党という党も見ていると問題が多いでしょう。だけど誤解されている面もあったりとか、もうちょっとうまく引き出せる部分もあるし、そのために言ったので、まずはここまでやっておいてこれを仕上げないと無責任ですから。

 著作権法に関してはタイミングとしては責任持ってやろうと思っているので関係者の方々でどんな大物であったとしても、萩生田先生も文部科学大臣になる前から何度も会っているので、やっぱりこういうのはきちんと議論しようと。僕はどっちかで言うとリベラル派だから保守派の人と接触しなきゃダメなんですよ。いい意味で。

スタッフ:
 本当に情報を知らないだけだったりしますよね。

山田:
 そうなんですよ。リベラル派の人は言わなくてもわかっているから。でも保守派の人と積極的に議論をして、何が論点で何を守りたいとか変えたいのかということを含めて、それでちょっと立場が違うよねということになることもあるだろうし、でもそれでコミュニケーションを閉ざしてしまったら、僕はそれはイズムだと思っちゃうので、どんな先生とも結構サシで長く、こればかりの話ではないですけれどもいろいろな話をすると。

赤松:
 いいと思いますよ。ネットでは「あの政治家は規制派なので会っちゃダメ」みたいなことを言う人もいるんだけど、会ってお話していると結構味方をしてくれることもあるので私は山田先生のやり方を支持します。

山田:
 ということで、ぜひ頑張って時間とともにだんだんまたいろいろなものが見えてくると思うので、重要局面で、しかも先生の締切日に引っかからないように(笑)。

赤松:
 全40ページなのにまだ21枚しかできてない(笑)。

スタッフ:
 パブコメの数はもういいんですか。

坂井:
 今は2900件ですね。5000件ぐらいは欲しいなというふうに思っています。これは来れば来るほどこの問題に興味があるということが官僚に伝わります。1000件以上のパブコメって年間に10件もないんですよ。その中で5000件とかそういう数字が来れば、それは重要な問題だと、みんなが意識している問題だということがわかりますので。

赤松:
 きょうの坂井さんと私の議論を参考に、ご自身でちょっと考えていただいて。

山田:
 よかった、「もう二度と会わない」とか言って険悪な雰囲気でふたりが帰ったらどうなっちゃうんだろうって(笑)。なんか最初、控え室では特に赤松先生がやる気満々なのがすごい伝わってきちゃったので、ちょっときょうの展開はヤバいぞと思ったんですが(笑)。

坂井:
 きょうやはり一番衝撃的だったのはリーチサイトだし、連載した若手の漫画家がお金続かなくて連載を続けられなくなるという現状は、やっぱり変えないといけないでしょう。

 AFEEの人だって、漫画・アニメ・ゲームが好きな人がいっぱいいるし、その人たちはそういうのがなくなってもいいと絶対思ってないですから。

スタッフ:
 若手の方が生活できなくなるわけですもんね。

赤松:
  ベテランは紙で買ってくれる読者はまだいっぱいいるので。でも彼らはこういう雑誌段階から海賊版をやられちゃうと一番痛いんですよ。

スタッフ:
 みなさん最後に一言大丈夫ですか。

坂井:
 最後はなんといってもパブコメですよね。

山田:
 そうですね。出してください。

坂井:
 ぜひパブコメが5000件を超える形にしたいなと思っています。

■info

・「侵害コンテンツのダウンロード違法化等に関するパブリックコメント」の実施(文化庁)

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