「水は抜かない?」「復旧まで何日?」 博多駅前の陥没事故の疑問にQ&Aで回答 福岡市長の情報発信に反響
2016年11月9日(水)12時11分 BIGLOBEニュース編集部
福岡市の高島宗一郎市長は、博多駅前で発生した陥没事故に関する情報を自身のブログやSNSで発信している。この中で、事故に関する疑問に対してQ&A形式で回答しており、「解りやすい」「迅速かつ適切な対応」と注目を集めている。
高島市長は、自身が持った疑問を「同じ疑問を持つ方もいらっしゃると思いますので」と対策本部の工事担当者から聞いて8日夕方の投稿で共有。陥没事故に対して、穴に溜まった水、水の水位、復旧までの手順と期間、流動化処理土(水の中でも固まるセメントが混ざった土)の投入量、建物倒壊の可能性の6つの疑問に簡潔明瞭な文章で回答した。
ネットではこの高島市長の迅速でわかりやすい情報発信に、「最新の情報と分かり易い御説明を、ありがとうございます」、「喉にささった骨が抜けたくらいのすっきり簡潔な記事にとても安心しました」といった感謝の声が寄せられている。
<Q&A全文>
穴に溜まった水は抜かないのか?
A.水は抜いてはだめ。逆に地下水レベルまで水が溜まったので地盤が安定した。土砂崩れは穴が空いた部分と周りの地下水を含んだ土のレベルが違うので土砂の移動がおきる。陥没事故対応の基本は水を入れること、とのこと。
水はこれ以上増えて溢れないのか?
A.周辺の地下水と溜まっている水のレベルが同じになった。また下水の大きな排水管部分までの水位になったので、そこから排水される。
道路復旧までの手順は?
A.まずは穴を埋めるために流動化処理土というものを入れる。これは水の中でも固まるもの。地上近くの地下埋設物(電気、電話、ガスなど)のレベルまで埋めて、固まったら中に入って電話や電気、ガスを復旧して、さらに埋めて車が通れるように仮復旧する。
何日くらい掛かるのか。
A.埋めるのに最長3日。あとは電気や電話を繋ぐなどの復旧の時間が未知数だが、さらにそこを上から埋めれば通行可能になる。
陥没を埋めるための流動化処理土を投入する量を増やして時間を早められないのか。
A.特殊な薬剤なので福岡市だけで一日に作れる量が限られている。他都市に支援を頼んでも持ってくる間に固まってしまう。全てこの薬剤ではなく、現在は他のものが使えないか検討している段階。
下の基礎がむき出しになっている建物もあるが、大丈夫なのか。
A.交差点沿いの建物は全て地盤まで杭が届いている。計測しているが現在のところは時間が経過しても傾きなどは発生していない。
高島市長は、9日朝にも埋め戻し作業の続報を投稿。流動化処理土に加えて「濃度を薄めたモルタル(ガチガチに固まりすぎないために)を併用」し、陥没した穴の水の中に投入していることを伝えた。また、福岡市内で行われている他の工事現場についても、緊急点検を8日から進めており、543ヶ所ある現場のうち8日までに280ヶ所の点検が終了したとしている。