今から習慣にしておきたい 冬の乾燥肌・かゆみ対策

2019年11月11日(月)5時55分 ウェザーニュース


2019/11/11 05:51 ウェザーニュース

乾燥が進むと、肌のかさつきやかゆみに悩まされる人が多いのではないでしょうか? 
気温が低くなると大気中に含まれる水分量は少なくなり、乾燥した日々が続きます。肌の乾燥・かゆみはこうした気候と大いに関連があるのです。
皮膚科専門医の林宏一先生(松本歯科大学病院皮膚科診療科長)は「本格的な冬が到来する前に乾燥肌対策を始めると、症状を抑えることも可能になります」とアドバイスします。林先生に11月の今からできる対策を伺いました。

乾燥するとなぜ肌にかゆみが生ずるのか?

松本歯科大学病院皮膚科診療科長の林宏一先生

「皮脂には皮膚を保護し保湿する働きがあり、肌の表皮の角層は水分をためて逃がさない構造になっています。ところが、冬になって空気が乾燥すると、こうした働きは抑えられてしまいます。
バリア機能が衰えて水分が失われ、外的刺激に対して過敏に反応するようになり、かゆみを覚えるのです。つまりかゆみの多くは、乾燥によって肌の水分保持力が下がってしまうことに起因します」(林先生)

日常習慣が乾燥肌を招くことも

皮脂が少ない部分ほど乾燥しやすく、すねや腰などにかゆみが出やすくなります。乾燥肌は皮脂の分泌量が減る中高年に多く見られますが、日常の生活習慣が原因で若い人でもかゆみを訴えるケースがあります。
それは入浴時における洗いすぎや長湯などで、皮膚の水分を失わせて乾燥肌を招くことにつながるので要注意です。林先生は、今からできる乾燥肌・かゆみ対策として、以下の5項目を挙げてくれました。

(1)症状が出る前から保湿剤を塗る
毎年かゆみに悩まされる人は、かゆみが生じる前の今から患部に保湿剤を塗り、潤いを保つことをおすすめします。かさつきが気になる人も同様です。
入浴すると角層に水分が補われるので、お風呂からでた後、早めに塗ると角層の水分を閉じ込めることができて効果的です。患部全体にゆきわたるように広めにやさしく塗ってください。
(2)ナイロンタオルでゴシゴシはNG
入浴時にナイロンタオルで体をゴシゴシ洗うのは皮脂を取りすぎてしまうだけでなく、刺激により湿疹の原因になるのでNGです。石鹸を使う場合はよく泡立てて、やわらかいタオルや手でやさしく洗う程度にして、洗いすぎないことが大切です。
(3)熱いお湯や長湯は避ける
熱いお湯での入浴や熱めのシャワーは、肌から皮脂を奪い、乾燥しやすくなります。お湯の温度はぬるめにして長湯も避けましょう。
(4)暖房時は加湿器などで湿度を確保
寒くなるとエアコンやファンヒーターなどの暖房器具を使うようになりますが、これらの乾燥した空気はお肌にはよくありません。加湿器などを使用して、部屋の湿度を確保することが重要です。
(5)肌に触れる衣服は刺激の少ないものを
直接肌に触れる衣類は、チクチクしない刺激の少ないものを選びましょう。
「それでもかさつきが治まらず、かゆみが生じた場合は、早めに皮膚科を受診してください。放っておくと、皮脂欠乏性皮膚炎になって重症化するケースもあります。患者さんによって治療法は異なるので、医師の指示を仰いでください」と林先生は話しています。
早めの対策と日常生活の改善によって、肌の乾燥・かゆみを克服しましょう。
それでも改善しない場合は、早めに検査や治療を受けてください。


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