“第二のスルガ銀行か” 「西武信用金庫」無謀な経営の実態とは

11月14日(水)7時0分 文春オンライン


経済財政諮問会議の政策コメンテーターも務めた落合氏 ©時事通信社


 金融庁は11月にも、信金大手、西武信用金庫(東京都中野区)に立ち入り検査する方針を固めた。不動産投資向け融資で業者の書類改ざんを見抜けず、多額の貸出を行っていた可能性が高いという。


「早くも“第二のスルガ銀行か”と取り沙汰され始めました。杜撰な融資の背後にあると指摘されているのが、落合寛司理事長(68)の存在です」(金融庁関係者)


 10年に理事長に就任した落合氏は、独自の経営スタイルで“信金界の麒麟児”と持て囃されてきた。定年制を撤廃し、人事異動も自己申告に変えるなど“働き方改革”も断行。落合氏が語ったところによれば、「年収400万円の若手が支店長になり、一気に年収1300万円になったケースもある」という。自身の年収も8000万円前後とメガバンクのトップ並みとされる。


「言葉遣いも独特です。融資量の伸びを『お客さま元気度曲線』と呼び、『商品は“解決力”』をスローガンに掲げてきました」(同前)


 理事長に就任してからの8年間で、貸出残高は約1兆7000億円(17年度)へとほぼ倍増させている。さらに、信金界の平均預貸率(預金に占める貸出の割合)は50%程度にとどまる中、西武信金のそれは驚異の85%超だ。



“落合マジック”の実態とは


「他の信金が低金利下で貸出先に苦慮する中、その手腕は“落合マジック”と称されました。落合氏が掲げる解決型の提案営業が功を奏した結果と見られていましたが、実態はお客様を元気にするどころか、不動産投資向け融資に依存した無理な経営だったようです」(地銀幹部)


 その落合氏の後ろ盾だったのが、スルガ銀のことも「地銀の優等生」と持ち上げてきた森信親前金融庁長官だ。


「そもそも信金は銀行とは異なり、会員の相互扶助が目的の非営利法人ですが、森氏は拡大路線を取ってきた西武信金を『信金の雄』と呼んできた。16年11月に開催された第5回産業金融フォーラムでも、森氏がまず基調講演で西武信金を褒め称え、続けて落合氏が対談企画に登壇していました」(同前)


 森氏は今秋から米コロンビア大国際公共政策大学院で非常勤教授として、日本の金融政策などを教えている。スルガ銀と西武信金の実例こそ、最大の教材だろう。



(森岡 英樹/週刊文春 2018年11月15日号)

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