下村博文・元文科相に違法霊能者から献金! EM菌、親学、江戸しぐさ…下村の救い難いオカルト体質

11月24日(土)6時59分 LITERA

下村博文公式WEBより

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 加計学園からの「ヤミ献金200万円」疑惑でいまだ説明責任から逃げつづけている下村博文・元文科相に、新たな献金問題が浮上した。なんと、霊感商法の民事裁判で「反社会的」「違法」と指摘された「自称・霊能者」から2017年に10万円の献金を受け取っていたというのだ。


 下村元文科相に献金したのは、宗教法人「肥後修験総本山六水院」の管長で、「霊能者・福運アドバイザー」としてテレビ出演したり多数の著書を出版してきた下ヨシ子氏。下氏をめぐっては、2012年、名古屋市の女性に「水子や先祖の未成仏霊が取り憑いている」「浄霊で魂を清めれば、災いから守られる」などと言って約6年間にわたって「浄霊」の儀式代など約530万円を不当に支払わせたとして提訴され、判決で名古屋地裁は「反社会的で違法な行為」だと認定。下氏らや法人に対し約610万円の支払いを命じた。


 そのような公的に「反社会的」とされた「自称・霊能者」から献金を受ける行為は、国会議員としてあり得ないだろう。加計学園からの「ヤミ献金」問題と合わせて下村元文科相には説明が求められるが、それにしても、「自称・霊能者」からの献金とは、下村元文科相には「またか」と言わざるを得ない。


 下村元文科相といえば、ゴリゴリの極右であり、教育勅語をめぐって「わが国が危機にあった時、みんなで国を守っていくという姿勢は当たり前」と述べたこともあるように、一貫して愛国教育の重要性を主張。だが、それと同時に、「オカルト」への傾倒ぶりも問題になってきた。


 たとえば、2007年には、「予言者」として日本のメディアにもたびたび登場するブラジルのジュセリーノ・ダ・ルース氏と対面したといい、下村氏はネットテレビの番組で「ジュリアーノさんの予知は、ほとんど90%は当たっている」と、名前を間違えながらも予知のすごさを紹介。


 今回、下村元文科相に献金した下氏も「予知能力者」だと名乗っているが、下村氏はどうやら“予言”や“天からの啓示”が大好物らしい。しかし、これを「トホホ」と笑って済ませるわけにはいかない。というのも、東日本大震災が起きた2011年の終戦記念日には、下村氏は自身のブログにこのような驚愕の文章を綴っていたからだ。


〈私にとって3・11は「早く戦後レジュームから脱却しろ」という天からのお告げだったと受けとめている〉
〈しかしその小泉総理も「心ならずも戦地で亡くなった英霊」と表現していた。私はそれが心のどこかで引っかかっていたが、3.11でそうではないと得心した。
福島第一原発の事故の時、決死の覚悟で放水活動に向かった消防士のもとへ「日本の救世主になってください」とメールを送った奥さん。南三陸町で津波が来る瞬間まで「避難してください」と防災無線を担当していた25才の女性。
彼らは「心ならずの」の(原文ママ)行動だったのか。そうではないだろう。本当に公に尽くす無私の行動だろう。
 英霊たちもやはり、天皇陛下のため、国のために散っていた。それは「心ならず」ではなく無私の心、つまり愛国の情だろう。
 靖国に参拝した小泉総理でさえ、やはり戦後レジュームの中で洗脳されていたのではないか。私は3.11を経てそれを考えた。
 やはり東日本大震災は「このままでは日本は滅びる。日本人よ目を覚ませ!」という天からの警告であったではないか〉(現在は削除)


 3.11の大震災は日本人が戦後レジュームに洗脳されているせいで起きたことであり、愛国心を失くしたことへの天罰だ──。下村氏はそう主張したのだ。


 あの悲惨きわまりない災害、そして被災者の絶望を目の当たりにしながら、まるで被災者の側に責任があるかのような言葉を平気で吐く神経。自分の政治的主張を展開するために、未曾有の災害までをも政治利用しようとする卑劣さ。3・11については石原慎太郎も同様の天罰発言をし批判を浴びたが、下村の悪質さは石原以上だろう。


●ニセ科学の代表「EM菌」「ナノ銀」にも飛びついた下村博文のオカルト体質


 しかも、下村元文科相の“オカルト”問題はこれだけではない。同じように2011年にはブログで〈記念講演での比嘉照夫氏の地震災害後のEMの活用についての話が興味深かった。EM技術による放射能被曝対策もできるそうだ〉〈私も勉強してみたい〉などと記述。「EM菌」(有用微生物群)は「EM菌を海や川に投入すれば浄化される」「健康増進に効果がある」などと広まっているが、2003年に広島県保健環境センターが「室内実験で水質の浄化作用が全く認められなかった」としたように、科学的根拠の乏しい“ニセ科学”の代表例。それを下村氏はアピールしていたのだ。


 その後も下村氏は、2012年にもブログで「ナノ銀」による放射能の除染法について触れ、〈放射線量そのものを低減し無害化する方法であるが、文科省や原子力研究開発機構などの理解が得られず、あまり進んでないという〉〈放射線量の低減や無害化に向け勉強し、国会で質問することにした〉と報告。だが、「ナノ銀」による除染もEM菌と同様、科学的に効果は実証されておらず、ナノ銀除染について国会で質問を受けた際、下村氏は文科大臣として「日本原子力研究開発機構が関係の大学とともに2度にわたる試験を実施したが、残念ながら効果は確認されなかったものと聞いている」と述べている。


 あやしい“ニセ科学”に飛びつき、結果、自分自身がその効果がないことを国会で答弁せざるを得なくなるという皮肉……。しかし、問題はそんな人物が、よりにもよって文科相となったことだ。


 実際、下村氏が文科相になったことによって、教育現場はオカルトに侵されてしまった。2014年に道徳を「特別の教科」へと格上げしたが、文科省が作成・配布した道徳教材「私たちの道徳」では、真っ赤な嘘であることがわかっている、あの「江戸しぐさ」を堂々と掲載したのだ。しかも、この道徳の教材を、学校に置きっぱなしにせずうちに持ち帰っているか調査させる通達まで下村氏自ら出すほどの徹底ぶりだった。


「江戸しぐさ」は“江戸時代に広がった生活マナー”だとして一時期もてはやされたが、偽史・偽書の専門家である原田実氏はこれが1980年代につくられたものであることを突きとめている。ようするに史料の裏付けも科学的根拠もない“ニセの伝統”を文科省は取り上げたのである。


●文科相時代にはトンデモ理論「親学」や偽史「江戸しぐさ」を教育政策に導入


 オカルト大臣によって教育まで歪められるという恐ろしさ──。しかも、この下村文科相の「江戸しぐさ」推しには理由があった。それは、「親学」と「江戸しぐさ」が密接な関係にあることだ。


「親学」とは、極右団体「日本会議」の中心メンバーである高橋史朗氏が提唱するもので、“子どもを産んだら母親が傍にいて育てないと発達障害になる。だから仕事をせずに家にいろ”という科学的には何の根拠もないことをふりかざす差別的な教育理論。下村氏はこの親学推進議員連盟の事務局長まで務め、2012年5月のブログ(現在は削除済み)では、〈そもそも発達障害にならないためには、赤ちゃんの時からテレビを見せ続けないことや、これまでの伝統的育児をすることだが、今の若い親はそういう方法を知らないし教えられていない〉と記述し、「障害者差別だ」という批判コメントが殺到して大炎上した。


 じつは、この「親学」が歴史的根拠としているのが、「江戸しぐさ」なのだ。原田氏の著書『オカルト化する日本の教育──江戸しぐさと親学にひそむナショナリズム』(ちくま新書)によると、「親学」提唱者の高橋氏は“日本の子どもが礼儀正しかったのは江戸講や寺子屋などで親と地域が一体となって「江戸しぐさ」を教えてきたから”だと主張しているが、原田氏は〈親学の歴史的根拠が現代人の創作である「江戸しぐさ」に求められている〉ことを指摘し、「江戸しぐさ」が下村文科相の下で道徳教材に採用された理由について〈親学の思想的影響の一つと考えることができる〉と述べている。


 しかし、下村氏が文科相を退いているからといって「終わった話」にはできない。というのも、「親学」はトンデモ理論であると同時に、「伝統的な子育て」と称し、女性を強制して家庭に縛り付ける戦前の「家制度」のような思想を復権させようとするものだ。実際、安倍首相が会長で下村氏が事務局長となってきた親学推進議員連盟は教育の責任を家庭の自己責任に押し付け、旧来的な家族像を押し付ける「家庭教育支援法」の立法化をめざしてきたが、これは極右が主張する憲法24条改正の布石ともされている。


 そして、安倍首相は憲法改正に向け、下村氏を自民党憲法改正推進本部長に据えた。「(野党は)職場放棄」発言によって下村氏は早々に自爆し憲法審査会の幹事と委員から外れることとなったが、“オカルト極右”というもっとも危ない下村氏が憲法改正の中心人物であることに変わりはない。その危険性には今後もさらに注意を向けたほうがいいだろう。
(編集部)


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