「しつけと体罰は違います」 厚労省が明記した『体罰の事例』に、ハッとする

12月4日(水)12時33分 grape

※写真はイメージ

後を絶たない子供への虐待。

厚生労働省の調べによると、2018年度の児童相談所による児童虐待相談対応件数(速報値)は15万9850件で、過去最多を更新。

同年、65人の子どもが虐待により命を落としたことが報告されています。

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こうしたことを踏まえ、親などによる体罰を法律で禁止した『改正児童虐待防止法』が法定化。2020年4月から施行されます。

『体罰』と『しつけ』は違う

産経ニュースによると、2019年12月3日、厚生労働省は有識者検討会がまとめた『体罰の範囲』などに関する指針案『体罰等によらない子育ての推進に関する検討会(第3回)』を公表。

そこでは、しつけとの違いを明確化し体罰を「身体に苦痛を与える罰」と定義しました。

厚生労働省は指針案の中で、「たとえしつけのためだと親が思っても、身体に何らかの苦痛又は不快感を引き起こす行為(罰)である場合は、どんなに軽いものであっても体罰に該当」と述べ、しつけと体罰の違いについて次のようにまとめています。

しつけとは、子どもの人格や才能等を伸ばし、社会において自律した生活を送れるようにすること等の目的から、子どもをサポートして社会性を育む行為です。

子どもにしつけをするときには、子どもの発達しつつある能力に合う方法で行う必要があり、体罰で押さえつけるしつけは、この目的に合うものではなく、許されません。

どうすれば良いのかを言葉や見本を示す等の本人が理解できる方法で伝える必要があります。

ただし、罰を与えることを目的としない、子どもを保護するための行為(道に飛び出しそうな子どもの手を掴む等)や、第三者に被害を及ぼすような行為を制止する行為(他の子どもに暴力を振るうのを制止する等)は、体罰には該当しません。

体罰等によらない子育てのために(素案) ーより引用

また、指針では体罰以外の暴言、ネグレクトなども『子供の心を傷つける虐待行為』としています。

体罰は身体的な虐待につながり、さらにエスカレートする可能性がありますが、その他の著しく監護を怠ること(ネグレクト)や、子どもの前で配偶者に暴力を振るったり、著しい暴言や著しく拒絶的な対応をすること(心理的虐待)などについても虐待として禁止されています。

加えて、怒鳴りつけたり、子どもの心を傷つける暴言等も、子どもの健やかな成長・発達に悪影響を与える可能性があります。子どもをけなしたり、辱めたり、笑いものにするような言動は、子どもの心を傷つける行為で子どもの権利を侵害します。

体罰等によらない子育てのために(素案) ーより引用

体罰・心理的虐待の具体例

指針案では、体罰や心理的虐待に当たる行為として、以下の事例を明記しました。

【体罰に当たる行為】

・ 口で3回注意したけどいうことを聞かないので、頬を叩いた。

・ 大切なものにいたずらをしたので、長時間正座をさせた。

・ 友達を殴ってケガをさせたので、同じように子供を殴った。

・ 他人のものを盗んだので、罰としてお尻を叩いた。

・ 宿題をしなかったので、夕ご飯を与えなかった。

【子供の心を傷つける行為】

・ 冗談のつもりで、「お前なんか生まれてこなければよかった」など、子どもの存在を否定するようなことをいった。

・ やる気を出させるために、きょうだいを引き合いにしてダメ出しや無視をした。

日本では「体罰は愛のムチ」という意識がいまだに根強くあり、しつけの名のもとに行われる体罰がエスカレートして、虐待を引き起こす事例も多く見受けられるといいます。

この指針案に対し、ネット上ではさまざまな意見が上がりました。

・体罰の定義がこれなら、学生時代のクラブは虐待どころか拷問だったな。

・『しつけ』といいつつ、虐待をする人たちがいるからこういう指針を出さざるを得ないんだろう。

・理不尽な体罰は恐怖心しか生まない。子供を守るためにも、親へのサポートは絶対に必要。

指針に賛成する意見が多い一方で「何度いっても聞かない時は仕方ない」「自分もそうやって育った」「痛みを知らない大人になる」など、体罰を容認する声も一部見られました。

しかし体罰や暴言が子供の発達に深刻な悪影響を及ぼすことは、多くの研究から明らかになっています。

今回施行される『改正児童虐待防止法』には、罰則規定がありません。

しかし『体罰に頼らない子育て』について、社会全体で考える大きなきっかけになるのではないでしょうか。


[文・構成/grape編集部]

出典 厚生労働省:体罰等によらない子育ての推進に関する検討会(第3回) 資料/産経ニュース

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