被爆の旧陸軍被服支廠2棟解体へ 広島県方針、市民団体は反発

12月4日(水)16時45分 毎日新聞

旧陸軍被服支廠。L字形に並ぶ4棟のうち広島県が所有するのは左側の3棟で、写真手前の2棟を解体する方針=広島市南区で2016年7月19日、本社ヘリから加古信志撮影

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 広島市南区に4棟が残る最大級の被爆建物「旧陸軍被服支廠(ししょう)」について、広島県は4日の県議会総務委員会で、所有する3棟のうち2棟を解体する方針を示した。老朽化が進み、地震で倒壊する可能性があるためで、1棟は改修して保存する。全棟保存を求める市民団体からは反対の声が上がっている。


 1913年に完成し、軍服や軍靴を製造。現存する4棟は鉄筋コンクリート造り・レンガ張りで、1棟の長辺は94メートル、高さ17メートル。爆心地の南東2・7キロにあり、原爆投下直後は臨時救護所として利用された。4棟のうち1棟は国が所有する。


 県によると、2017年の調査で、震度6以上の地震で倒壊の恐れがあると判明。3棟の耐震化に84億円を要するため、爆心地に最も近い1号棟の壁面を21年度までに補強し、2、3号棟は22年度までに解体する方針だ。総事業費を8億円と見込み、一部を来年度当初予算案に盛り込む。


 被服支廠は、爆心地から5キロ圏内に現存する原爆ドームなどと並んで広島市が「被爆建物」と認定した86件の一つ。4号棟を所有する財務省中国財務局も「解体を含めて検討中」としている。


 15歳の時に被服支廠で被爆した市民団体「旧被服支廠の保全を願う懇談会」代表の中西巌さん(89)は「悲劇を後世に伝える歴史的な価値を考えれば、解体は到底受け入れられない。絶対に反対だ」と反発を強めている。【池田一生】

毎日新聞

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