「在宅就労広まって」障害者から期待の声 暮らしに活力、規則的に生活

12月5日(木)10時17分 毎日新聞

エリアミーティングで集まった在宅就労する障害を持つ人たち=福岡市博多区で、杣谷健太撮影

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 通勤が困難な重度障害者らの在宅就労の環境を整備することで障害者雇用を促進しようと福岡県は今年度、職場以外で働くテレワークを活用しようとする企業を支援する事業を実施している。在宅就労で就業機会を得た障害者は「在宅就労がもっと広まってほしい」と話す。【杣谷健太】


 県新雇用開発課によると、県内企業から「どんな業務がテレワークにできるのか。やり方がわからない」といった声があった。そこで、県はテレワークに詳しい企業とともにテレワーク雇用のための業務設計などを支援。4社をモデル企業として広く県内企業にノウハウを伝えていく。


 総務省の「通信利用動向調査」(2018年)によると、企業のテレワークの導入率は19.1%。県新雇用開発課によると、特に九州ではテレワークが進んでいないという。


 人材総合サービスを展開するスタッフサービスグループの障害者雇用の特例子会社「スタッフサービス・ビジネスサポート」(相模原市)は16年から通勤が困難な重度障害者らの在宅就労に取り組んできた。今では全国で約260人、九州・山口・沖縄では約100人の障害者が働く。


 同社は業務別にチームを分け、ウェブ上で1日3回ミーティングをする。介助や治療の時間を確保できるようシフト制を導入し、午前9時〜午後7時の中で原則週5日30時間勤務すればいい仕組みだ。


 11月中旬、普段は直接会うことがない山口・九州・沖縄の在宅勤務者約90人が博多区のJR九州ホールに集まり、エリアミーティングが実施された。熊本県芦北町で中古車販売会社で働いていた樋口時宏さん(52)は3年前、右の脳が出血し、左の手足に障害が残った。退院後は家から出ることもなく、寝る時も起きている時も同じ格好のままだった。


 しかし、ビジネスサポートに今年6月に入社して生活が一変。毎朝決まった時間に起床し、服を着替えて身だしなみを整えるなど、活力のある生活を取り戻し、家族の笑顔も戻っていったという。樋口さんは「この会社で仕事をしていることは希望の光がともされていること。これからも家族とともに歩んでいきたい」と話した。


 2月に入社した、脳性まひで電動車椅子で生活する山口県防府市の石間伏豊さん(56)も「始業と終業の時間が決まっていて、きっちりとした時間で過ごせるメリットは大きい」と在宅就労の意義を実感。「働きたいが前に進めない人もいるかもしれないので、在宅ワークが広まってほしい」と期待した。

毎日新聞

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