船橋に「SL大樹」出現!! 駅員手作りのモニュメントが驚きのクオリティ

12月5日(水)10時39分 おたくま経済新聞


 東武鉄道が2017年から鬼怒川線(下今市〜鬼怒川温泉)で運行しているSL(蒸気機関車)列車「SL大樹」。

 JR北海道から借用したC11形蒸気機関車207号機に加え、2018年11月8日には大手私鉄としては初めて、SL(かつて江若鉄道が発注したC11形の同形機「ひえい」)を動態復元し、2020年冬をめどに2両体制で運行を始めるという発表もありました。そんなSL大樹のモニュメントが、東武野田線(アーバンパークライン)の船橋駅に展示されています。実はこれ、駅員さんの手作りなんだそうですよ。

 埼玉県の大宮駅から千葉県の柏駅を経由し、千葉県の船橋駅を結ぶ東武野田線。2014年4月からは「アーバンパークライン」という路線愛称がつけられており、現在乗り換え案内ではこの名前で呼ばれています。現在、大宮〜船橋の全線を通して運転される列車はほとんどなく、基本的には東武鉄道と合併する以前の名残を残す、大宮〜柏(旧・総武鉄道野田線)、柏〜船橋(旧・総武鉄道船橋線)という形で列車が走っています。

 その終点であり、JR総武線との乗換駅でもある船橋駅の改札内コンコースに、SL大樹のモニュメントがあります。台座を含めると高さは160cmほど。ちょうどホームとコンコースを結ぶエレベータの裏側にあり、改札を入場してきた利用客を出迎えるような形になっています。



 一体誰が作ったのか、職員の方に尋ねると、船橋駅ではない「とある駅の職員(どの駅かは内緒にして欲しいそうです)」が、全く個人的な趣味で作り上げてしまったものなんだとか。しかも休暇を利用して実車を取材し、細かいディティールまでこだわって作ったんだそうです。

 材料は、鉄道模型のレイアウト製作や建物の断熱材に使われる発泡樹脂素材(スタイロフォーム)を中心に、市販のホースなどを使って再現しています。職員さんの「見る人が見れば分かるように作られてるそうですよ」との言葉に、ディティールを細かく見てみることに。たとえば、自動連結器から開放テコまでのディティール。端梁取り付け部のバネの再現や、ブレーキ管はホースでそれっぽくできています。細かいですが、開放テコの棒を支える鉄板の曲げ(ひねり)方向も実車と同じです。



 沿線で濃霧がたびたび発生するので、視界確保のために前照灯を2つ装着した「2つ目(カニ目)」と呼ばれた苫小牧機関区静内支区の特別仕様(この207号機のほか、同時期に新製配置された206、209、210)も忠実に再現。上部左右にある取手や、LP42型前照灯の特徴であるクリアレンズも雰囲気が出ています。奥に見える運転室(キャブ)には、雪の付着を防ぐ旋回窓。そして「架線注意」の札もそれっぽいですね。



 また、入換の際に操車係が立つスペースを作るため、除煙板(デフレクタ)が短く切り詰められているところでは、C11形ではランボードの斜めになっているところからほんの少しだけ、水平部までかかっている特徴も再現しています。握り棒の高さもほぼ同じ。



 尾灯のディティールも本格的です。前面の赤レンズを止めるネジの位置も実車通り。



 また、煙突の上部に取り付けられた回転式火の粉止め(俗称:クルクルパー)の取り付け金具のディティールも実車通り。本当に細かいところまでよく取材してモデリングされていることが分かります。



 2018年12月現在は、クリスマス仕様として飾り付けがなされています。案内してくれた職員さんが「実物のSL大樹がこのような飾り付けをしてるわけではないですよ」と話した通り、現在「SL大樹」のC11形207号機は全般検査のため、2019年2月3日までお休み中。この期間中はディーゼル機関車が牽引する「DL大樹」として、週末や休日を中心に運転が行われています。



 実車が本線復帰する2019年2月9日までは、船橋駅のコンコースでSL大樹に会うのも悪くないかもしれません。

(咲村珠樹)

おたくま経済新聞

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