《神奈川・小田原》新人ホームレスが、30歳年下の“先輩”に殺された「哀れな背景」

12月5日(木)4時0分 週刊女性PRIME

容疑者のテントの中は、カップ麺の食べ残しなどが

写真を拡大



「実は平松容疑者というホームレスを知ったのは、被害者の小山さんを知ったことがきっかけで、つい最近のことでした。それがこんなことになるとは……」

 そううなだれるのは、地域のホームレスを支援するボランティア関係者。彼らでさえ把握していなかった2人の事件が発覚したのは、11月24日のことだった。

■競輪にハマって



 現場は、城下町として栄えた神奈川県小田原市を流れる酒匂川が相模湾に注ぐ河口付近。その近くの橋の下で生活していた小山栄一さん(76)が遺体で発見されたのだ。

 背中には包丁のようなもので刺した傷があり、警察は小山さんのテントの隣に住んでいた平松政男容疑者(43)を25日、死体遺棄の容疑で逮捕した─。

 近年、格差社会が拡大し貧困層の増加により、ホームレスも増えていると言われている。

 しかし、人口約19万人の小田原市が把握しているホームレスは今年1月の時点で16人。今回の2人は把握していなかったという。

「このマンションは築45年ほどだけど、小山さんは35年前から20年くらい母親と2人だけで住んでいました。気性が荒いところもあったけど、明るくていい人でね」

 と話すのは、小山さんがテント暮らしをしていたところから100メートルほど離れたマンションの住人。

 近所の知人などの話をまとめると、小山さんは東京出身で、小田原近隣の町にあるゴム工場に勤務。結婚して、2人の娘に恵まれたという。

「でも、競輪にハマってね。ここは小田原、平塚と競輪場があるから。それで消費者金融から借金までして、奥さんと娘さんたちは出ていったみたい。その後、このマンションに移って、母親と2人暮らし。それでも競輪をやめなくて、ウン千万円も借金。定年まで働いて退職金もあったけど、マンションを売って出ていくことに。本人は“でもさ、楽しみがなけりゃ、オレだって生きられないよ”って言ってたね。もう病気、依存症だよ」(近所の知人)



 一方で、政治運動にも興味があったようだ。日本共産党の党員として、地元選出の市議会議員の応援活動もしていたことがあった。

「そこまで熱心というわけではなく、選挙のときに応援するくらいでしたけど。でも10年ほど前、競輪場でケンカになって、相手を殴って警察ざたになったんです。それで党員からは除名されました」(地元の共産党関係者)

 マンションを出たあとの小山さんは、付近のアパートを転々としていたという。



 当初は22万円だったという年金は先細りとなったが競輪をやめることはなかった。 

「母親はマンションを出て数年で亡くなったけど、お金がなくて遺骨を父親の墓に入れてあげられず、ずっとアパートに置いていたくらい。それで生活費が足りなくて、空き缶集めをやってね。アパートの前に山積みにするもんだから、近所から苦情が来たらしい」(前出の知人)

 ここ1年ほどは、離婚した長女が小山さんのアパートに転がり込んできて、

「小山さんの年金が入る預金通帳と印鑑を持ち出したそう。それで家賃が払えなくなって、追い出されたのよ」(同)

 ついに家を失った小山さんは、近隣の新幹線の高架下で暮らすように。

■17万円渡したばかり



 しかし、ここでも近所から苦情が来たため、10月4日にホームレス支援のボランティアからの要請を受け移動。

 住み慣れた町を離れたくなかったのか、同20日に現場近くの橋の下にテントを張ることになった。

「小山さんが移り住んだのを確認すると、そこには平松容疑者が先に住んでいたようで、“(小山さんの)テントの設営を手伝ってあげたんですよ”と言っていました」(ボランティア関係者)





 愛知出身の平松容疑者は数年前から橋の下で暮らしていたが、中肉中背の優しく穏やかそうな人物だったという。

「容疑者に週に1回、支援用の食べ物の差し入れをしましょうかと提案すると、“僕はときどき仕事をしているので、大丈夫です”って断られました。小山さんには届けていましたけどね」(同・関係者)

 前出の知人は、11月中旬ごろに小山さんから、ホームレスになったことを聞かされたという。

「こんなことになったのは、山ちゃんは酒を飲まないので、相手が飲んでトラブルになったのかも。強情というかクドい性格もあったから、上から目線でものを言って、相手ともめたのかも」

 と事件となった引き金を想像するが、金銭トラブルが原因の可能性も浮上している。

 別のボランティアが小山さんの長女から通帳と印鑑を取り戻して、管理するようになったというのだ。

「ときどき現金を手渡す形にしたようで、事件前には小山さんに17万円を渡したばかりだったそうです」(同)

 小山さんに快く寝場所を提供した平松容疑者は、どこで“豹変”したのか。

 ホームレスになったばかりの小山さんの言動や現金欲しさに短気を起こしてしまったのかもしれない……。 

 橋の下にある2人のテントには、生活用品が雑然と置かれたままになっている。

週刊女性PRIME

「ホームレス」をもっと詳しく

「ホームレス」のニュース

トピックス

BIGLOBE
トップへ