12月の“野菜予報” 冬野菜は価格安定傾向 天候の影響で一部不作のものも

2023年12月5日(火)5時10分 ウェザーニュース

2023/12/05 05:04 ウェザーニュース

12月に入ってよりいっそう冷え込むようになり、お鍋などに使うハクサイやダイコンなどの冬野菜を購入する機会も増えてきたのではないでしょうか。
そこで、12月の野菜の出来や価格動向について、スーパーマーケット「アキダイ」(本社・東京都練馬区)の秋葉弘道社長に教えていただきます。

12月にお買い得になる野菜

12月の野菜の価格はおおむね良いといいます。
「トマトの価格は11月に1回下がって、またちょっと上がっている状態ですが、12月は全般的に安定するでしょう。今の価格より3割程度下がる予想です。年末には多少の値上がりはしますが、常識的な範囲でしょう。
キュウリも基本的に安定します。12月前半が関東産のものが終わるタイミングなので、一時的に少し値上がりするかもしれませんが、その後、西の産地のものが出回ってきたら安定してくるでしょう」(秋葉社長)
そのほか、寒い季節にたっぷり食べたい野菜も楽しみなようです。
「キャベツ、ダイコン、ハクサイといった大型野菜の価格も基本的によくなる傾向です。流通量も安定しているので、この状況が続けば、お値打ちの状態となりそうです。
ホウレンソウなどの葉物野菜もすべて安定しそうです。カリフラワーは大きい玉が出回っています。
ただ、ブロッコリー含め葉菜類というのは、天気の影響が早く出やすいのです。例えば週末に急に寒くなったら、週明けから流通量が減ったりするほどなので、油断はできません」(秋葉社長)

12月に心配な野菜は?

残念なのが、冬に煮物から汁物、炒め物などで大活躍する里芋です。
「この冬で一番心配なのは、里芋です。今年は例年になく大きいものが少ない傾向です。猛暑と渇水の影響で生育が悪く、大きくならなかったのです。
特に、西の方の産地、九州、四国などが少ないです。関東は比較的よかったけれど、全国レベルで見ると里芋は不作です。
今年は台風が少なく被害があまりなかったのですが、雨が少ないことが影響しています。改めて、天候と野菜の成長は非常に関係が強いと感じます」(秋葉社長)
果物でも、今年の天候の影響を受けたのがリンゴです。
「リンゴは、流通量が平年の80〜90%で、価格はだいたい2〜3割高めです。
理由は、まず遅霜です。春を過ぎて初夏になる前に、信州で霜が降りました。ちょうど花がついたときで、ダメになって実がつかないものがあった。プラスして雹害、夏の高温障害です。味は問題ないけれど、傷ものが多くなってしまい、全般的に高値なのです。
12月の半ば過ぎると、さらに値上がりするかもしれません」(秋葉社長)

気になるおせちで使う食材は?

おせちやお雑煮など、正月料理に使う食材はどうでしょうか。サトイモやダイコン以外に、ゴボウやレンコン、ニンジンなど気になります。
「ゴボウは非常に良い状態で、安定しています。サツマイモも良いです。そんなに高くならないです。
レンコンも今のところ量・質ともにとても良いです。暖かかったのがレンコンの生育には良かったのでしょう。主産地の茨城などで、日照不足や台風のような自然災害がなかったこともプラスです。
ニンジンは今、多少値上がりしていますが、年末にはそんなに問題なさそうです。この間まで激高だったのが、ちょっと高いくらいというイメージなので、先月などと比べれば安く感じるくらいになるでしょう。
ナガイモは、今年はずっと高めですが12月第2週ぐらいから下がるでしょう。去年ほどには安くはならないですが、平年並みぐらいになりそうです」(秋葉社長)
クリスマスから年末年始のイチゴはどうでしょうか。
「イチゴは出回るのがちょっと遅れていますが、それが出てくる頃に価格は安定でしょう。
ただ、12月は1回下がったとしても、20日くらいからクリスマス、年末年始と、値上がりします。これは毎年のパターンでやむをえないですね。流通量は安定しているので、平年を上回る値上がりにはならないでしょう」(秋葉社長)
年末年始に欠かせない果物といえば、ミカンもあります。
「ミカンは、値段はほぼ平年並みで小玉傾向です。今年は雨が少なかったから濃厚で、今までにないおいしい味が楽しめます。平年より小さめでも、酸味が抜けて甘いミカンが多いです」(秋葉社長)
今冬は、全体として野菜は安定しているようです。懸念材料があるとすれば、「暖冬の年は急に雪が降ることがあり、そうすると農作物への影響も大きい」とのこと。食の面からも、天気に注目してみましょう。

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