【朝鮮学校無償化訴訟】北ミサイル危機の時期に…国家官僚として一線越えていないか 文科省幹部「無責任さに慄然」

12月8日(金)6時5分 産経新聞

 文部科学省前事務次官の前川喜平氏が、朝鮮学校の授業料無償化適用を求める原告側に沿うとみられる陳述書を福岡地裁小倉支部に提出したことが判明した。文科省幹部が「組織人としての無責任さに慄然(りつぜん)とする」と吐き捨てたのも無理はない。北朝鮮のミサイルをめぐって緊張が高まっている時期だけに、元国家官僚として一線を越えた行動だと言わざるを得ない。

 国家公務員を辞めた後にその組織や政治の決定に反旗を翻す−。前川氏は8月の東京新聞のインタビューで、適用除外を違法だとした7月の大阪地裁判決を「妥当だ」と評している。今回の行動は、国家戦略特区を活用した学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)の獣医学部新設計画をめぐり「行政がゆがめられた」と繰り返したこれまでの姿勢とも通じる。この日も兵庫県姫路市で開かれたイベントで同じ持論を述べた。

 ミサイル危機が高まる中で、朝鮮学校を影響下に置くとされる北朝鮮を利する可能性もある。実際、国側は無償化適用除外の理由として「北朝鮮や在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の影響下にあり、就学支援金が授業料に充てられないことが懸念される」と主張。訴訟に影響を与えかねない前川氏の行動は国側にとって想定外に違いない。

 個人の思いと組織の方針が一致するとは限らないが、最後は政治の判断に従うのがあるべき官僚の姿ではないのか。「それが嫌なら辞表を懐に入れて現役時代に戦うべきだった」。別の文科省幹部は前川氏への懐疑心を隠さない。

 7月の閉会中審査で、獣医学部の選定手続きを「ゆがめられた行政が正された」と主張した元文部官僚で前愛媛県知事の加戸守行氏は、6月の本紙インタビューで、中韓への対応を余儀なくされた昭和57年の教科書誤報事件に触れながらこう振り返った。

 「政治の思惑なんて見え見えだったが、行政の筋が曲げられたと思っても言いませんでした。それが役人の矜持(きょうじ)ですよ」。前川氏は先輩官僚の言葉をどう聞くのか。(花房壮)

産経新聞

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