埼玉の市立中学の教員、生徒になりすまし女子への中傷ツイート

12月8日(金)6時5分 産経新聞

 埼玉県北本市の市立中学校の男性教員ツイッターで同校の男子生徒になりすまし、女子生徒の容姿などを中傷する書き込みをしていたことが7日、同校関係者への取材で分かった。同校などによると、11月下旬に事実が発覚、男性教員は同月29日から体調不良を理由に欠席しているという。

 男性教員が男子生徒になりすましたとみられるツイッター画像には、「顔で損してるよな」「あの体型、あの嫌われようでよく学校来れると思う」などと特定の女子生徒を中傷するような内容や、わいせつな内容のツイートがあった。「(同校生徒の)フォロワー増やしたい」というものもあった。

 同校関係者によると、遅くとも9月中旬ごろからツイートが開始。10月には、公表される前の生徒会選挙の結果に関する内容が書かれており、教員か選挙管理委員の生徒によるツイートではないかと学校内で話題になった。11月には、男性教員と数人の生徒しかいない場所で話された話題について書かれていた。

 このため、中傷された女子生徒を含む一部の生徒らが男性教員を問い詰めたところ否定したが、翌日から学校に来なくなった。一部生徒らの指摘を受け、同校は11月末から事実関係の調査を始めた。

 同校や同市教育委員会によると、校長が今月5日、全校生徒に対し説明会を開いた。同校関係者によると、校長は男性教員が生徒になりすまして不適切なツイートをしていたと話したという。

 同校は8日、保護者向けに説明会を開く予定。

「匿名性の幻想」ネットトラブル後絶たず

 学校現場では会員制交流サイト(SNS)を使ったトラブルが後を絶たず、いじめの相談体制の強化などの取り組みが進んできた。そのような中で明らかになった埼玉県北本市立中学校の男性教員の生徒への中傷行為に対し、専門家からは「先生」の意識向上の必要性を指摘する声も上がる。

 教室の黒板の前で、生徒が後ろから右脚で講師の腰の辺りを蹴り、胸ぐらをつかむ…。9月下旬、福岡市東区の私立高校で、男子生徒が授業中に常勤の男性講師を蹴るなど暴行の様子が映った動画がツイッターに投稿。投稿は削除されたが、インターネット上に動画が拡散、衝撃を広げた。

 昨年8月に青森市立浪岡中2年の葛西りまさん=当時(13)=がいじめの被害を訴えて自殺した問題では、無料通信アプリLINE(ライン)などで「死ね」「きもい」と言われていたことが確認された。

 文部科学省が公表した作年度の児童生徒の問題行動・不登校調査では、SNSなど「パソコンや携帯電話での中傷、嫌がらせ」の認知件数が、前年度から1596件増の1万783件に上った。

 同省担当者は「SNSは今の子供にとって身近なコミュニケーションツール。実際はもっとあるだろう」と分析する。

 ITジャーナリストの井上トシユキ氏はネット上の中傷などの背景には「匿名性の幻想」があると指摘。「実際には警察の捜査だけでなく、書き込み内容や投稿のタイミングなどから投稿者の身元は絞り込まれる」とし、安易な投稿を戒める。事実、今回の男性教員のツイッターへの投稿も、その内容が身元特定につながった。

 井上氏は「子供よりも、大人の方がネットに未熟。学校現場で先生たちが使い方、リスクなどを話し合えるような環境づくりが必要だ」と指摘する。

産経新聞

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