シジミ漁船の船外機が相次ぎ盗難、仙台や気仙沼などで17台…「漁に出られず言葉にならない」

2024年12月14日(土)14時40分 読売新聞

被害に遭った組合長の漁船(手前)。別の船外機を付けている(12日、仙台市太白区で)

 宮城県名取市や仙台市の川に係留していた漁船から船外機計11台が盗まれていたことが12日、県警や漁協などへの取材でわかった。気仙沼市の前浜漁港でも6台が盗難被害に遭っており、判明しただけでも計17台に上る。県警は海外に売却した可能性も視野に捜査を続けている。

 盗まれていたのは、名取市閖上地区の増田川で6台、仙台市太白区袋原の旧ざる川で3台、同市若林区日辺の名取川で2台。シジミ漁で使われている小型漁船で、今年10〜11月に盗まれた可能性が高いという。

 旧笊川で被害に遭った広瀬名取川漁協代表理事の組合長(84)は11月23日、組合員から増田川の船から船外機が盗まれたとの連絡を受け、確認に行くと自身の船外機も盗まれていたという。組合長は「エンジンがないとシジミ漁に出られない。言葉にならない」と肩を落とした。

 盗まれた船外機の大半は、ヤマハ発動機(静岡県磐田市)が製造した。同社によると、東南アジアや中南米、アフリカなどでも使われており、世界のシェア(占有率)は3割超という。小型漁船に付ける船外機の多くは、軽量で壊れにくく燃料の質が悪くても使用できるため、整備環境が不十分な途上国での人気が根強いという。

 県警は事件を受けてパトロールを強化しており、気仙沼の県漁協大谷本吉支所では注意を呼び掛けるチラシを漁業者に配布した。県警捜査3課は「長期間使っていない船外機があれば一度確認してほしい。使わない場合は持ち帰るなどの対策もしてほしい」と呼びかけている。

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