家庭の省エネは「窓」から

2018年12月24日(月)8時0分 ウェザーニュース


2018/12/24 08:07 ウェザーニュース

一般社団法人日本建材・住宅産業協会の調べによると、住宅は構造上、開口部である窓からの熱の出入りが最も大きいとのことです。

暖房の熱が窓などの開口部から逃げる割合は58%とされています。せっかく温められた熱の半分以上が窓から失われているのです。
家庭の省エネは、この熱の損失を抑えることが肝心なのです。

まず窓の断熱性能を確かめよう

経済産業省は平成23年より、消費者が窓を購入する際に断熱性能の高い製品を選べるように、等級区分を設けており、「熱貫流率」が2.33以下のものが最高レベルの星4つとなっています。

アルミは熱伝道率が高く暖気や冷気を逃しやすい

樹脂工業会によれば、日本のサッシの材質別普及率は、アルミサッシが6割を超え最も普及していますが、熱伝導率が高く、屋内の暖気や冷気を逃しやすいのが弱点です。
そこで開発されたのが断熱サッシで、窓枠には熱を伝えにくい樹脂や木材を用いて複層ガラス(ペアガラス)を採用するなどして、断熱性を高めているのです。障子や戸襖、雨戸などと併用すれば気密性はさらに増し、断熱効果はさらに上がります。

結露しにくい木製サッシ

機密性が向上すると、気になるのは結露です。室内の湿度が高すぎると結露が生じ、カビやダニの発生、家の腐食の原因にもなりますが、その点木製サッシは、結露防止に優れています。
木製サッシメーカー・ユニウッド株式会社代表取締役の佐藤元平さんは「アルミサッシの場合、枠の部分に結露が生じますが、これは熱伝導率が高いことと関係しています。これに対して木はアルミの1750倍も熱を通しにくく、木製サッシは結露が生じることはまずありません」と話します。
ただし、木製サッシは購入価格が高く(アルミサッシの約2倍前後)、定期的なメンテナンスが必要になります。

複層ガラス・二重窓が効果的

二重窓(写真:時事通信フォト)

家庭のエネルギー消費において、約30%を占めているのが冷暖房。この冷暖房のエネルギーを低く抑えるために、経済産業省資源エネルギー庁では「サッシの窓枠を木や樹脂にしたうえで、ペアガラスを入れることが理想ですが、既存の窓の内側に新しく内窓を設置して二重窓にするのも手軽な方法として有効です」とアドバイスしています。
家庭の省エネを考えるなら、まず窓から見直してみましょう。

参考資料など

経済産業省資源エネルギー庁「住宅による省エネ」、経済産業省「窓等の断熱性能に係わる情報提供に関するガイドライン」


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