気象予報士が教える "冷たい風"が予想できる天気図のミカタ

2018年12月24日(月)15時0分 ウェザーニュース


2018/12/24 15:04 ウェザーニュース

冷たい北風が身に染みる季節になりました。自転車での通園はつらいですし、子どもの羽織物の準備も悩ましいですよね。

北風はシベリアからやって来る

冷たい北風の正体。それは、日本よりも北の大陸が原産の空気なんです。つまり、シベリア付近に居座る、シベリア高気圧という冷たい空気の塊です。
陸地というのは、鉄板と似たようなもので、海と比べると熱しやすく冷めやすい性質があります。
冬は太陽から受け取れるエネルギーが減るのに、地球から太陽へ放出するエネルギーは変わらないため、内陸部はキンキンに冷えていきます。
そして、その内陸部の地面に接している空気もやはりとても冷たくなるのです。冷たい空気は重いので、地表付近に密度の濃い空気が集まります。
これがシベリア高気圧の正体です。

ポイントは日本列島にできる「縦じま模様」

2017年11月19日の天気図 西高東低の気圧配置となっている(気象庁HPより)

特に冷たい北風が吹いてくる日は、天気図がこのようなとき。
ちょうど、ユーラシア大陸から日本列島にかけて、等圧線が縦じま模様になっています。
このような気圧配置のことを、「西高東低の気圧配置」といいます。この言葉、テレビの天気予報でも耳にしたことはあるのではないでしょうか。
西のシベリアには高気圧が、東の日本近海には低気圧があるため、西高東低というわけです。

風は、高気圧から低気圧に向かって吹きます。縦じま模様が入っていると、シベリア高気圧からの冷たい風が日本に向かって吹きつけるというわけです。
また、等圧線の間隔が短く、等圧線の数が多いほど強い風が吹きます。
ですから、天気図を見れば、北からの冷たい空気が日本を吹き抜ける道ができているように見え、「今日は冷たい風が吹きそうだぞ」ということがなんとなくわかります。
普段、天気予報では「晴れ」や「雨」のマークしか見ないという人も、この時期はぜひ天気図を見てみてください。
縦じまの等圧線がたくさん見られたら、「冬将軍のお成り〜」といえそうですね。
子どもと一緒にお出かけする際の、寒さ対策の参考になるはずです!


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