七十二候「麋角解」 角の生え変わる時期がオスとメスで違う理由

2020年12月26日(土)5時0分 ウェザーニュース

2020/12/26 05:00 ウェザーニュース

12月26日からは七十二候「麋角解(さわしかのつのおつる)」です。
見たことも書いたこともない漢字が登場してきましたが、「麋」は「なれしか」とも読みます。
なれしかは実は最近まで大忙しだったトナカイの和名なんです。ということで、今回の主役はトナカイです。

寒い国で育ったからこそ

立派な角と愛らしい瞳が印象的なトナカイは、鹿の仲間。
確かに、どことなく似ているような…。
ただ、トナカイは非常に寒い地域に住んでいるため、体の構造が少し特殊です。
トナカイの蹄(ひづめ)は、他のシカ類に比べて大きく、さらに平たくなっています。
そのため、地面を踏む面積が広くなり、雪がたくさん積もっている道や、雪で湿ってぬかるんだ道も平気で歩くことができるのです。

オスとメスで生え変わる時期が異なる

今回の七十二候「麋角解」は、トナカイの角が生え変わるために落ちる時期、ということを表しています。
シカ類の多くは、オスだけ角が生えるのですが、トナカイの場合はメスも角が生えます。
ただ、オスもメスも一緒の時期に生え変わるわけではありません。
オスは秋〜冬に、メスは春〜夏に角が落ちます。

角が必要不可欠な時期の違い

では、なぜオスとメスで生え変わる時期が異なるのでしょう?
オスの場合、秋の繁殖期までは他のオスと戦ったり、エサを確保するため角は必要不可欠となります。
逆に、メスは冬こそ角が必要となります。というのも、メスは冬季中に子育てを行います。角を使って雪の下からエサを見つけたり、体格差のあるオスから攻撃されても応戦したりする時に活用するようです。

トナカイを観察してみよう!

いかがでしたか?今回は意外と知らないトナカイの特徴についてご紹介しました。
「ちょっと見てみたいかも!」と思った方は、トナカイを飼育している動物園もありますので、ぜひ角や蹄などをじっくりと観察してみてください。

参考資料など

月刊SORA 2015年12月号「得するお天気トリビア Vol.9 トナカイの角の役割は?」
千葉市動物公園「トナカイ」,<https://www.city.chiba.jp/zoo/zone/data-reindeer.html>
東京ズーネット「ニュース イメージとちがう、トナカイのすがた!?(2008/05/23)」,<http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=9219&inst=tama>
東京ズーネット「ニュース トナカイと季節の変化(2014/10/31)」,<https://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?>kind=news&inst=tama&link_num=22571
東京ズーネット「どうぶつ図鑑 トナカイ」,<https://www.tokyo-zoo.net/encyclopedia/species_detail?species_code=62>

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