初詣は卯年にオススメの「うさぎ神社」で開運祈願!

2022年12月31日(土)5時0分 ウェザーニュース

2022/12/31 05:01 ウェザーニュース

師走に入り、年の瀬が近づくと気になるのが初詣。毎年、決まった場所に出かける人もいれば、初詣を正月の旅行先プランに組み込む人もいます。地元の氏神神社をファーストとする人も多く、初詣の行き先はさまざまですが、干支神社詣・干支寺院詣をする人もいるようです。
これは新年の干支にゆかりの寺社に詣で、実りある1年を祈願するというもの。十二支の動物はそれ自体が強い運気を有し、御利益もあります。多くは眷属(けんぞく)として寺社境内に置かれていますが、御神体・御本尊の一つとなって祀られるところも少なくありません。これは来年の干支であるうさぎ(卯)も同じです。

「うさぎ神社」が人気の理由

うさぎは争いを好まない穏やかな性格で跳躍力があるため、干支では「平安」「安全」「飛躍」の象徴と位置づけられているようです。ペットとしても愛玩されて人気の動物です。
『古事記』に描かれた白兎神話(因幡の白うさぎ)が広く伝播してきたため、祀られるのは神社が多いようです。日本では古来、白蛇・白狐・白鹿・白鳥など、白い動物が神の使いとされてきました。冬毛となった白いうさぎも神使(しんし)として敬われてきたのです
生活文化研究家の町田忍さんに、この「うさぎ神社」についてお伺いしました。
「来年は卯年ですが、それに関わらず女性を中心に『うさぎ神社』が静かなブームとなっています。『うさぎ神社』に定義はありませんが、白兎神などを祭り、神社縁起にうさぎ伝承が残っているところが多いようです。
うさぎは誰にでも愛される庶民的な動物。全国の『うさぎ神社』ではかわいいうさぎの開運グッズが手に入れられ、縁結びや安産が祈願できるため女性に人気があるのです。〈うさぎの子だくさん〉にあやかって、子宝・安産・子孫繁栄を願うのですね。
また、うさぎは神話の世界で、大国主命と一緒に語られてきました。大国主命(おおくにぬしのみこと)は心優しい国津神(くにつかみ/国造りの神)で、各地に恋愛伝説を残しています。このため『うさぎ神社』は、縁結びのパワースポットとなることが多いのです」(町田さん)

うさぎづくしの神社

東京にも戸越八幡神社(東京都品川区)、赤羽八幡神社(東京都台東区)といったうさぎにゆかりの深い神社がありますが、どちらかといえば、『うさぎ神社』は西高東低で西日本を中心に多くあるようです。
「白兎神社(鳥取県鳥取市)など、関西や中国地方に著名な神社が多く点在しています。多くの『うさぎ神社』でうさぎ像が置かれ、うさぎの御朱印が用意されている場所もあります。御朱印帳にもかわいいうさぎがあしらわれ、女性人気を裏づけています。
こうした神社では狛犬の代わりに立派な狛兎(こまうさぎ)が参拝者を出迎え、境内にはうさぎの石像などが置かれています。子授け・安産、縁結び、厄除けなどのご利益で知られている東天王岡﨑神社(京都府京都市左京区)には、狛兎はもちろん、招き兎や子授け兎まで、まさにうさぎづくしの神社で、来年の初詣にはぴったりです」(町田さん)

東天王岡﨑神社(京都府京都市左京区)の境内ではたくさんのうさぎが見られる

狛兎は狛犬同様の力強い存在

「うさぎ神社」の一番の見どころは、前出の白兎神社や東天王岡﨑神社などに鎮座する堂々とした狛兎です。
「狛犬は犬というよりも獅子や狼に近い存在で、睨みを効かせた形相で御神体を守っています。うさぎはインド・中国・日本の伝承では、月の使者・山神・農神として崇められてきた神聖な生き物で、大きな力を内に秘めているのです。
卯年の来年はぜひ、そんなうさぎのパワーにあやかりたいものですね。ここでは『うさぎ神社』として知られ、“干支兎の当たり年”には、平常年の数倍もの参拝客を集める5つの人気神社を紹介します」(町田さん)

(1)白兎神社(鳥取県鳥取市)


祀られるのは、出雲の大国主命と因幡の八上姫(やかみひめ)との縁を結んだ因幡の白うさぎ。ラブストーリーの発祥地として「恋人の聖地」となり、縁結びスポットとして脚光を浴びています。
境内には白うさぎの像が置かれ、隣にオープンしている「道の駅神話の里 白うさぎ」も訪れたいスポットです。近くには神話ゆかりの白兎海岸が広がっています。御利益は縁結び・安産・海上安全など。

(2)東天王岡﨑神社(京都府京都市左京区)


狛兎をはじめ境内のいたるところでうさぎ像に出会えます。全国的にも珍しい「招き兎」も必見。手水舎には、水を掛けてお腹を擦ると子宝に恵まれるとされる「子授け兎」が建立され、女性参拝者が絶えません。
人気はうさぎの御朱印とおみくじが入った白とピンク色の「うさぎみくじお守り」。御利益は子授け・安産、縁結び、厄除けなど。

(3)宇治神社(京都府宇治市)


祭神の菟道稚郎子命(うじのわきいらつこ)を導いた「みかえり兎」の伝説で知られています。「うさぎ絵馬」に願い事を書き、本殿を時計まわりに3周する間に3体のうさぎの置物に出会うと、絵馬の願いが叶うといわれます。
絵馬には「みかえりうさぎ絵馬」「みちびきうさぎ絵馬」「卯顔絵馬」があり、おみくじが入った「みかえり兎」も人気。御利益は縁結び・学業成就・病気平癒など。

(4)うさぎ神社(山梨県富士河口湖町)


昔話「カチカチ山」ゆかりの神社で、河口湖富士山パノラマロープウェイの終着・富士見台駅の広場に鎮座。日本百名山の一つである三ツ峠山の登山者の安全を祈願して、うさぎの御神体が祀られています。
小さな社に2体の狛兎、頭をなでると知恵を授けられる「夢見兎」、脚をなでると足が丈夫になるといわれる「富士見兎」が置かれ、富士山の絶景が圧巻。御利益は大願成就・足の健康など。

(5)戸越八幡神社(東京都品川区)


国内有数の庶民派商店街として知られる戸越銀座の近くに社が鎮座しています。大永6(1526)年の創建で、近世・近代は戸越村の鎮守として崇敬されてきました。
ここで親しまれているのは愛らしい「夢叶うさぎ」。拝殿の右に置かれています(左には「福分け猿」も)。像の建立は古くはありませんが、うさぎを撫でると願いごとが叶うと人気となっています。御利益は厄除け・開運・家内安全など。
このほか、全国には「幸せのなでうさぎ」で知られる三輪神社(愛知県名古屋市)、「神兎・神龍」が置かれた恩智神社(大阪府八尾市)、うさぎを御神紋とした三尾神社(滋賀県大津市)、神使のうさぎを各所に祀る鵜戸神社(宮崎県日南市)など、たくさんの「うさぎ神社」があります。
新年はぜひ、お近くの「うさぎ神社」を探して、旬のパワースポットで祈願してみてはいかがでしょうか。

参考資料など

『町田忍の縁起物のひみつ』(町田忍/天夢人)

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