【系列は崩壊するのか?(4/6)】隠されたメリットは下請けの立場の給与水準

1月2日(木)10時9分 財経新聞

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■隠されたメリットは、下請けの給与水準(独占禁止法・労働基準法違反)
 それでは、下請け企業の立場をみてみよう。「なぜ、メーカーは下請けを使っているのか?」ということから考えると、「安いから」が大半の理由と見るべきであろう。「安い」とは、部品の価格そのものが安くできることに加えて、設備投資資金、技術開発資金、管理要員資金などを下請けから無利子で調達できることを含めて考えるべきだ。

【前回は】【系列は崩壊するのか?(3/6)】下請け(系列)制度は日本独自のもの

 発注量の大半を親会社としてのメーカーが下請けに提供し、同時にメーカーは「支配的立場をとれる」ことで、ライン稼働に都合の良い体制となる。かつては、下請け企業のことを『協力者』、実質『共同出資経営者』と見ていたのだが、現在では、親会社の「支配欲」とでも言いたい心情だ。「親分・子分」の関係性だ。

 そこでメーカーは、「下請け」企業に対して「下請け企業の社員給料は親会社の社員の8割とする」など、現代の「奴隷制度」のような規律を平然と行っていた。独占禁止法、労働基準法に違反するのだが、証拠はない。下請け企業の「忖度」があるからだ。よって、海外生産に競合できる低い給与水準を確保できていた。

 これは致し方がないとも言える社会常識であり、部署内でも人事権を握った上司が支配的姿勢で部下に望むことと同じだ。下請けは、仕事を貰いたいがために「忖度」するのだ。「株式の所有比率」でもよく見かける争いで、現在も話題になっている村上ファンドが使う手口だ。現代では「当然」とする社会常識ともなってしまっている。

 建設業界などでは7次下請けなども当然にあり、これは「同じ仕事内容」で比較しても値段の安さがあり、下請けの「個人事業者」の立場をよく表している。そして、この支配的格差がある時に、下請けは「給与水準を親会社と同程度」にすることを工夫していく。

 そのためか、下請けのほうが親会社より生産技術に優れている場合もある。実質的にメーカーのコストダウンの担い手となっている実態があるのだ。

■「系列は、本当にコストが高い」のだろうか?
 こうしてみていくと、部品単価はサプライヤーを名乗るメーカーのほうが安くできているように見えるが、総合的なコストでは、下請けが有利であり続けてきた。そのため、これまでのところ日産自動車はトヨタに勝てていないのだと言える。

 タイヤまで「ライン直前で1台分ずつ製造する」ラインでは、在庫は極限され、資金が寝ることを抑えることが出来る。ジャストインタイムの実践では、サプライヤーもメーカーのラインに協力しなければならない情勢なのだ。それは「資金効率」の基準に照らせば当然となる。サプライヤーが必ずしも「安い」とは言えないのだ。

財経新聞

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