【系列は崩壊するのか?(6/6)】下請け(系列)システムを捨てることは自殺行為だ

1月4日(土)9時22分 財経新聞

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■営業コストがほとんどない
 下請け(系列)を経営している企業主は、どんなメリットを考えているのであろうか?第一にメーカー(親会社)と違うのは、社員構成の「直間比率」だ。社員の内の「直接要員と間接要員との比率」である。

【前回は】【系列は崩壊するのか?(5/6)】系列を株式保有割合でなく「ビジネスモデル」で理解せよ

 工場作業員は直接要員であり、管理事務など製造に直接かかわらないのが間接要員である。具体的には、経理など事務員の大半と営業、設計、購買、生産技術者などの要員である。

 通常、メーカー(親会社)では6割程度と、間接要員が多いのが通例であった。それが下請けでは逆転して、間接要員が1〜3割程度に収まる企業が多い。これで製品価格当たりのコストが、まるで違ってくるのだ。これは下請け経営者にとってもメリットで、間接業務のノウハウを必要としないことが喜ばれる。

■AI導入で人員削減はメーカー、サプライヤー
 これからAIの導入が進めば、この差が急速に縮まり、メーカーやサプライヤーのコストが下請けに近付くこととなる。つまりAIの導入によって製造現場もコストダウンできるが、それよりも大幅なコストダウンを望めるのは「間接要員削減」なのだ。

 現在、銀行はAIに業務を移管する計画によって人員削減が始まっているが、大手メーカーでも当然に間接業務を行う社員の必要性が少なくなってきているのだ。

 「経理・税務・特許・法務」などこれまで最重要とされてきた業務であり、その要員は社内でもエリートと見られてきたが、その人材に必要なのは定型知識であり、AIに置き換えることが出来る仕事となった。

 しかし現状、日本企業でAIの導入が後れており、世界企業の生産性と比較して相対的にコストアップになってきていることは確実であろう。そしてそのことは、「下請け(系列)無用論」とは直接結び付かないものであることも明白だ。むしろ、AIはメーカーサプライヤーが導入しなければコストは下がらないのだ。

■結論として、「下請け(系列)システムを捨てることは自殺行為だ」
 サプライヤーと下請けとの微妙な区別は問題外として、経営は【資金効率】によって判断し、サプライチェーンシステムを構築していくことだ。これからソフト開発のコストがかさむことは事実であり、その上で「グローバル発注」が良いのか、「系列」が良いのか、その修正案が良いのか、そして真のビジネスモデルを外さずに「資金効率」を最大化する方向で判断しなければ生き残れない。

 長期的に見て、「下請け(系列)制度を捨て去る」ことは自殺行為であろう。それは日本経済の凋落を意味することと同じだ。

財経新聞

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