堀江氏、ゴーン氏らも 平成日本を元気にした経営者TOP10

1月7日(月)11時0分 NEWSポストセブン

高い評価を得た孫正義氏(AFP=時事)

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 平成という時代は、日経平均3万8915円という過去最高値から始まり、バブル崩壊以降、「失われた20年」と呼ばれる長い低迷時代に入った。


 戦後復興期に松下幸之助や本田宗一郎という「昭和の大経営者」が生まれたように、平成の激動の中でも、事業を興し、企業を育て、世界に雄飛させた経営者が現われた。日本社会にとって平成は戦後に次ぐ「第二の創業期」でもあった。


 では、激動の時代の日本経済を元気にした経営者は誰か──経済評論家からエコノミストまで「経済のプロ」57人が選んだトップ10の経営者とともに、平成30年間の経済史を振り返る。


【1位】孫正義(61・ソフトバンクグループ会長)


 日本マイクロソフト元社長・成毛眞氏が「日本版アメリカンドリームがあることを証明した」と評するように、“世界的経営者”との評価が共通した。


 元ソフトバンク社長室長として孫氏を間近で見てきた多摩大学客員教授の嶋聡氏が語る。


「平成元年に売り上げ300億円だった会社を売上9兆円、最終利益1兆円のグローバル企業に育て上げた。『Think Bigger』(もっと大きく考えよ)という、世界を舞台にする“大風呂敷経営”は日本を元気にした」


 孫氏の日本社会への影響は、M&A(企業の合併・買収)で同社を世界的な企業グループに成長させただけではない。


「日本債券信用銀行(現・あおぞら銀行)の再建にも主導的な役割を果たし、プロ野球・福岡ソフトバンクホークスの買収は国民のスポーツ熱を高めた。また、東日本大震災での迅速かつ巨額な寄付は被災者を勇気づけた」(経済ジャーナリスト・森岡英樹氏)


 新たな日本の経営者のスタイルを示し続けている。



【2位】柳井正(69・ファーストリテイリング会長)


 孫氏との親交が深い柳井氏もまた「世界と戦う経営者」との評が多かった。


「ユニクロ(UNIQLO)ブランドで中国はじめ各国の市場に進出し、山口県のローカル企業を世界的大企業に押し上げた。全世界同一賃金を提唱するなど、21世紀の日本企業が進む道を示した」(エコノミスト・田代秀敏氏)


 その独創性は、企画から製造販売までの機能を垂直統合したSPA(製造小売業)のビジネスモデルだ。


「柳井氏はSPAを他社に先駆けて日本に持ちこみ、高品質なカジュアルウエアを圧倒的な低価格で提供することに成功した。今やこのモデルを導入して成功を収めている日本企業は数多い。新たな市場を創造した」(経済ジャーナリスト・片山修氏)


 柳井氏の成長戦略は常に進化を続ける。従来の製造・小売に加え、ITを取り入れて顧客と店舗をつなげる「情報製造小売業」への脱皮を目指している。


「情報製造小売業の実現に向け、Googleとの協業を強化したのは、アマゾンに対抗できる日本で数少ない企業としてユニクロを成長させようという気概を感じる」(ジャーナリスト・星野陽平氏)


【3位】稲盛和夫(86・京セラ名誉会長)


 京セラ、第二電電(現・KDDI)を創業。


「起業家かくあるべしという生きた模範。経営実績、次世代への影響力、社会貢献、どれをとっても世界に誇れる『平成の経営の神様』でしょう」(作家・北康利氏)


 稲盛氏が編み出した経営システム「アメーバ経営」は、「今なお、素人にも収益管理の大切さを分かり易く理解させるツールとして秀逸」(経済ジャーナリスト・町田徹氏)と高く評価され、「経営危機に陥った日本航空再建を無報酬で引き受け、見事に再建すると経営から手を引いた」(埼玉学園大学教授・相澤幸悦氏)と企業再建の手腕に注目する指摘もあった。


 稲盛財団が創設した『京都賞』はノーベル賞受賞者を8人輩出するなど国際賞として権威を持つ。



【4位】永守重信(74・日本電産会長)


 45年前にわずか4人で立ち上げた日本電産を世界ナンバーワンの小型モーターメーカーに急成長させ、その後も80社を超えるM&Aを行なった。


 その手腕と企業を見る目こそが、「経営不振に陥った会社を積極的に買収し、次々にV字回復へと導く押しも押されもせぬ名経営者」(経済ジャーナリスト・田嶋智太郎氏)と評される永守氏の真骨頂だ。


【5位】鈴木敏文(86・セブン&アイHD元会長)


 いわずと知れたコンビニエンスストアの生みの親。「役員全員の反対を押し切ってセブン-イレブンを日本全国、津々浦々に根付かせた小売業のカリスマ」(経済ジャーナリスト・有森隆氏)である。


 平成の流通を牽引したばかりでなく、「日本にコンビニ文化を確立し、消費経済の基盤作りに貢献した」(金融ジャーナリスト・浪川攻氏)功績も評価された。


【6位】三木谷浩史(53・楽天会長)


「銀行を退職後に知人と2人だけで起業し、楽天グループを巨大組織にまで成長させた」(前出・田嶋氏)


 三木谷氏が世の経営者を驚かせたのは、2011年に経団連を脱退し、「入っている意味はない」と言い切ったことだ。


「経団連に対抗して新経連(新経済連盟)を立ち上げるなど、日本の財界にも新勢力が現われるかもしれないという期待を持たせた」(前出・嶋氏)



【7位】カルロス・ゴーン(64・日産自動車元会長)


 功罪相半ばするとはいえ、ゴーン氏の「功」に注目した選者は少なくない。


「日産自動車を破綻の淵から救う大改革は、外国人であるゴーン氏でなければできなかった。同様の大改革が日本の産業界に広がることが期待されたが、現実には、ソニーなど一部にとどまった。そのゴーン氏が日産に浸透させたフリンジベネフィット(給与以外の報酬)で躓いたのは何とも皮肉」(経済ジャーナリスト・磯山友幸氏)


【8位】奥田碩(おくだ・ひろし/86・トヨタ自動車元会長)


 トヨタを真のグローバル企業に成長させた。


「28年ぶりの豊田家出身以外の社長で、世界に先駆けてハイブリッド車『プリウス』をトップダウンで発売した。また、ダイハツ工業の連結子会社化など、現在の“世界のトヨタ”の土台を築いた」(前出・森岡氏)


【9位】堀江貴文(46・ライブドア元社長)


 2006年に世間を騒がせたライブドア事件後も、その活躍を評価する声は多い。


「事件から一転、SNS、インフルエンサー時代の寵児として大復活。書籍は軒並みベストセラーで、有料メルマガやオンラインサロンで次々と事業を展開する多動力に目を瞠る。今度は高校を新設するというので期待したい」(前出・星野氏)


【10位】小倉昌男(享年80・ヤマト運輸元会長)


 日本の流通サービスに革命を起こした。


「宅配サービスという、不可欠なインフラを作った。公権力にも立ち向かい、ヤマト福祉財団など恵まれない人たちにも希望を与えた。闘う経営者の代表格」(ジャーナリスト・河野圭祐氏)


※週刊ポスト2019年1月11日号

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