人間らしさとは、イマジネーションにある。 想像力は最も大事で不思議な力

1月8日(火)6時0分 ダイヤモンドオンライン

石黒 浩(いしぐろ・ひろし)1963年生まれ。大阪大学基礎工学研究科博士課程修了。工学博士。京都大学情報学研究科助教授、大阪大学工学研究科教授を経て、2009年より大阪大学基礎工学研究科教授。ATR石黒浩特別研究所客員所長(ATRフェロー)。アンドロイドやジェミノイドなどのロボットを多数開発するなど、知的システムの基礎的な研究を行う。2011年に大阪文化賞を受賞。また、2015年には、文部科学大臣表彰受賞を受賞。主な著書に「ロボットとは何か」(講談社現代新書)、「どうすれば「人」を創れるか」(新潮社)、「アンドロイドは人間になれるか」(文春新書)などがある。

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アンドロイド研究を通じて「人間は何か」を考え続けてきた大阪大学の石黒浩教授。石黒氏が思う、人間が持つ一番不思議な機能が「イマジネーション」だという。頭の中で、もう1つの世界を作り出すこともできる人間。今後、その想像力は体の制約を超えて、もっと自由になるはずだと石黒氏は言う。そして、次の人類に進化できる人とそうでない人の違いはどこにあるのか。独自の考察が光る。


>>【石黒浩氏×武田隆氏対談1】を読む


人と同じことをすると、研究者としては即死



武田隆(以下、武田) 私が経営しているクオン株式会社が提供している消費者コミュニティで、おもしろい現象が観察されることがあります。通常、ミクロ経済学では経済主体は効用を最大化しようとする、つまり最も低いコストで最も高いリターンが得られるものを選択する、とされています。でも、実際の購買行動を見ているとそうではないケースも多々あるんです。


石黒浩(以下、石黒) どんなケースでしょうか?


武田 例えば、他のショッピングサイトから買えば500円安いのに、A社のオンラインコミュニティに参加しているユーザーは、わざわざA社の公式ショップで買うという行動が見られます。そういうユーザーは一定数いるんです。


石黒 無駄なことをしたくなるんでしょうね。未知なものに対する期待があるんじゃないでしょうか。「ここで買えば安い」という、わかっている情報だけで確実なものを選ぶと発見がないんですよ。


武田 発見を求めている。それは考えたことがありませんでした。私達の分析では、そういう行動を取る人はA社のコミュニティに対してロイヤリティを持っていて、A社のサイトで買うことに気持ちよさを感じているんじゃないか、と。


石黒 そういう人は多いでしょうね。グループに属することの安心感を得たいのかもしれません。研究者は人と同じことをしたら、即死ですけどね。


武田 即死! たしかに、すでに同じことを発想して、研究している人がいたら、その研究テーマは成り立たないですね。


石黒 はい。研究者は特にですが、人と同じであることの安心感では進化できないと考えています。


武田 進化、ですか。人と同じことをすることと、進化は関係があるんですか?


石黒 哺乳類のなかでも、ごく一部が人類になったわけですよね。そう考えると、いまの人類のうちの何%が、次の人類になるのでしょう。ここで、みんなと同じになりたい、あの人を真似したい、という考えを持つ人は、進化する方の人間だと思いますか? しない方の人間だと思いますか?


武田 うーん、しない方の人間だと思います。


石黒 ですよね。でも、進化に取り残されるとわかっていながら、「みんなと同じ」に惹かれる。ここが人間のおもしろいところだと思うんです。例えば、アイドルのファンとアイドルになる人がいますよね。





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