スバル不正問題で素朴な疑問 そもそも「検査ルール」自体は正しいのか

1月13日(土)11時0分 J-CASTニュース

技術重視とルール軽視の姿勢

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SUBARU(スバル)の無資格検査問題の調査で、悪質な事例が新たに判明した。2017年12月19日に公表した調査報告書によると、監査時に無資格者を検査から外したり、検査員登用試験の際に試験官が受験者に答えを教えたりしていたという。

さらに、調査の過程で一部の完成検査員が「燃費試験データの改ざんがあった」と発言したことも明らかになり、事実関係の調査に乗り出した。もちろん、一連のルール軽視は許されるものではないが、ルール自体が正しいのかという議論も、今後は出てきそうだ。



過度な技量重視の風土



調査は外部の弁護士チームが実施。役員・社員延べ434人に聞き取りをした。11月中の公表を目指していたが、調査対象が多岐にわたったため、20日程度ずれ込んだ。



報告書によると、正式登用前の検査員が行う「補助業務」の範囲がいつしか広げられ、単独での検査業務も補助業務に含まれるという運用がなされた。登用前検査員は完成検査員である班長や班長代行などから印鑑を借りて押印していた。国土交通省など社外の関係者や、社内の上位者による監査の際には、係長又は班長の指示により、完成検査員以外の従業員が完成検査のラインから一時的に外される対応が少なからずあった。不正運用は1980年代から行われてきた可能性があり、遅くとも90年代には定着した。



完成検査員の登用手続きも、社内規程通りではなかった。完成検査員登用試験では、試験官が直接又は間接的に受験者に回答内容を教えるなど、ずさんな実態があった。



なぜ、こうした不正が長年続いたのかについて、報告書は「経営陣から現場に至るまで、完成検査業務の公益性及び重要性が十分に理解されず、浸透していなかった」と指摘。現場では「検査に必要な技術を備えてさえいればよい」という過度な技量重視の風土と、その裏返しとしてのルール軽視の姿勢があった。



さらに、登用に関する社内規程が現場の実態に即していないとの認識が検査課の一部にあり、ルールを遵守しないことを正当化しうる口実となった。製造業という特性上、検査工程も含め車両を製造する工場の「現場」の立場や権限が強く、事務職とのコミュニケーションが不足していたことも要因に挙げた。



「一からの議論」が必要



10月下旬に無資格検査を公表した際、吉永泰之社長は「まずいという認識はなく、悪意は全くなかった」と釈明したが、12月19日には「前任者と同じことをやれば良いという風土があった。会社の体質の全面的な刷新に取り組む」と神妙だった。



さらに報告書公表の翌日には、調査の過程で、燃費測定の際に計測値を改ざんしたとの発言があったと明らかにした。こうした事実があったのかどうか、調査に乗り出している。スバル問題はまだ終わっていない。



だが、スバルを責めるだけでは建設的な議論は生まれないとの指摘も根強い。外部の弁護士は、国や社内の制度・規則に従っているのかを判断しているだけで、制度や規則そのものの是非をみているわけではない。ある全国紙経済部デスクは「ユーザーが安心して車に乗るためにはどのような検査が最適なのか。国の関与はどこまで必要なのか。一からの議論が必要だ」と指摘する。

J-CASTニュース

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