色気あふれるイタリア産SUVはドイツ勢を超えられるか

1月14日(日)12時0分 Forbes JAPAN

昨年颯爽と登場するやいなや、アルファ ロメオ ジュリアはドイツの強豪に肩を並べ、スポーツセダンの新しい標準となった。シャープなデザイン、力強い性能、そしてイタリア車のDNAが、ジュリアを際立たせ、有力誌モーター・トレンドのカー・オブ・ザ・イヤーをはじめとする多くの賞を欲しいままにした。
 
その勢いにのるアルファ ロメオが、今度は高級クロスオーバーというセグメントに初めてSUVを送り込んできた。ステルヴィオだ。同車は、ジュリアのプラットフォームを共用しながら、ジュリアにない資質を与えられている。セクシーさ満載の見事なプロポーション、パンチの利いたエンジン、走りが素晴らしい。

2020年までにSUVが世界の自動車シェアの3分の1を獲得すると言われているが、このセグメントには各メーカーがどんどんモデルを投入している。人気を得ているのはBMW X3、メルセデス・ベンツGLC、ポルシェ・マカン、ジャガー Fペース、アウディ Q5、レクサス NXなどだ。そこにゴージャスな外観と抜群の存在感を持つステルヴィオが斬り込んできたというわけだ。
 
ステルヴィオは、妖艶なジュリアよりは若いプロポーションだが、アルファ ロメオの看板となっているグリルをまとう。ヘッドライトはキリッとバランスがよく、ボディ後部のカーブはミラノ・コレクションのキャットウォークをこれ見よがしに闊歩するトップモデルのようだ。
 
でも、ステルヴィオの魅力はもちろん美しい顔立ちだけではない。4気筒エンが力強くキビキビと走り、ステアリングはキリっと切れがよく、乗っていて楽しい。僕は昨年末にロサンゼルスで乗ってきたので、レポートを送ろう。
 
280psを発揮する2.0L ターボエンジンは、0-100km/hの加速性はわずか5.7秒で、ほとんどのドイツのライバル車に引けを取らない。加速は素早く力があり、8速オートマティック、アルファの4WDシステムはとてもトラクションがいい。



普段は後輪駆動で走るが、コーナーや滑りやすい路面では、50%のトルクが前輪に送られて安定性を保つ。高速コーナーに差しかかり、ブレーキをかけて減速し、ステアリングを切ってコーナリングがぴたっと決まった時、ステルヴィオは、プッチーニのオペラ「トゥーランドット」の名アリア「誰も寝てはならぬ」を聞いた時のように鳥肌もののクライマックスを期待どおりに迎えさせてくれる。

コーナーでは、限界まで加速すると、クルマはかなり傾きアンダーステアが目立つようになるが、80%程度に抑えればほとんどボディ・ロールせず、意図したラインを正確に保ってくれる。

スポーティに走らせつつ、コーナリングで姿勢をできるだけ平らに保つため、ステルヴィオのサスペンションはかなり堅くセットされている。だから、乗り心地は概ねよいものの、たとえばBMW X3ほどの従順さはない。


 
4ピストンのブレンボー・ブレーキのおかげで、制動時には充分に路面をとらえ、ペダルの剛性がいい。普通の速度では、風切りノイズとロードノイズは抑えられていてほとんど聞こえないが、面白いことにこのクルマは、耳に心地よいさりげないエギゾースト音を人工的に作って、スピーカーから室内に入れている。

レザーがふんだんに使われた室内は高級感のある作りで、黒とシルバー2色使いのステアリングとダッシュボードがスタイリッシュだ。アルミ調パドル・シフターは、触れるだけでギア・チェンジが快感になる。ヘッドルーム、レッグルームはデザイン指向のSUVとしては充分と言える。ただ、インフォテーメントは使いやすいが、ちょっと古く感じた。


 
ステルヴィオは、アルファ ロメオが初めて手がけたSUVとして成功だ。走る姿は目を惹き、加速性はよく、ステアリングは正確。インテリアも贅沢でユーロNCAPで星5つを獲得した安全機能を標準で装備している。

つまり、ジュリアがドイツの優秀なスポーツセダンに王手を掛けたように、ステルヴィオもドイツや日本などの高級SUVと競争できる素質は持っている。そのデザインと性能を確かめようとショールームを訪れる人は、これから数年増えるはずだろう。日本での価格はまだ発表されていないが、おそらくドイツ車に近い数字になると予想される。

国際モータージャーナリスト、ピーター・ライオンが語るクルマの話
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