日本のカジノ王 息子と娘が罵り合う「泥沼裁判」の行方

1月14日(月)7時0分 NEWSポストセブン

日本でのカジノ建設には反対の声も多い(時事通信フォト)

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 日本人で“カジノ王”の異名を取る男がいる。大手遊技機メーカー・ユニバーサルエンターテインメント(UE)創業者で、前会長の岡田和生氏(76)だ。パチンコ・パチスロ機製造で成功を収め、海外でのカジノビジネス展開に乗り出した異色の経営者が、正念場を迎えている。息子・知裕氏と娘・裕実氏が、兄妹でドロ沼の法廷闘争を繰り広げているのだ。


 発端は2017年6月。知裕氏が、UEの筆頭株主である同族会社のオカダホールディングス(オカダHD)から、かねてワンマンぶりが指摘されていた岡田氏を放逐したことだった。


 カギとなったのが「娘の持つ株」だ。


 もともと知裕氏はオカダHDの株式を約44%所有。そこに裕実氏から約10%を「信託譲渡」してもらう契約を結び、過半数を握って父をUEの会長職から解任。「クーデター」は完遂したかに見えた。しかし──。


 父に窮状を訴えられ、裕実氏が翻意。信託契約の無効訴訟をオカダHDの所在地である香港で起こしたのである。岡田氏は今もオカダHDの株式の約46%を保有し、訴えが認められて“娘の10%”を取り戻せば、経営に復帰できる見込みだ。


 それに対し、東京地裁で譲渡は有効だと訴えを起こしたのが知裕氏だった。


 筆者は傍聴にも通ったが、裕実氏側は「兄は私が署名する書類の内容について一切説明しなかった」といった主張を展開。対する知裕氏サイドからは、父への辛辣な言葉が相次いだ。



「ワンマンの父は独断専行がひどく、父を経営から排除するしかなかった」

「父親の顔色をうかがって育った妹を取り込もうとするのはわかっていた。事実上拘束しながら、虚実を織り交ぜて泣き落とし工作を行なったようだ」


 さらに1月4日、岡田氏が会長を務めるフィリピン企業の資金約3億円を横領した疑いがあるとして現地の裁判所が逮捕状を発行。


 岡田氏を直撃すると、「私の復帰を恐れるUEの経営陣による横領容疑のデッチ上げ」と抗弁し、一方の知裕氏は、「取材対応はいたしません」とした。


 早くからカジノビジネスに心血を注いできた岡田氏には、運命の岐路だ。2016年、IR推進法が成立。「日本でもカジノを」という望みは果たされるのか。裁判は1月25日に、判決を迎える。


●取材・構成/伊藤博敏(ジャーナリスト)


※週刊ポスト2019年1月18・25日号

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