吉川レポート:地政学リスク・景気・マネーフロー

1月17日(金)13時9分 Digital PR Platform


三井住友DSアセットマネジメント株式会社(代表取締役社長 兼 CEO:松下隆史)は、経済イベントや市場動向に関するマーケットレポートを日々発行しております。このたび、マーケットレポート「吉川レポート:地政学リスク・景気・マネーフロー」を2020年1月15日に発行いたしましたので、お知らせいたします。


1.急速に高まった中東の地政学リスク
2.バラツキの大きいグローバル景気
3.米中通商対立から地政学リスクへ


1.急速に高まった中東の地政学リスク

■2019年末から2020年初にかけて、米中通商問題に関する第一段階合意の日程の具体化や、中国の預金準備率引き下げなどを受けて一時株価が上昇したものの、米国とイランの対立が激化したことから、中東の地政学リスクが高まり安全資産へ資金が回帰するなど、振れの大きい展開となっています。

■2019年後半に入ってから、イラクにおける米軍、親イラン派武装勢力双方の拠点に対する攻撃が増加傾向にありましたが、在イラク米大使館に対するデモ隊の襲撃(12月31日)、イラン革命防衛隊のソレイマニ司令官殺害(1月3日)、それに対するイランの報復(イラク駐留米軍基地への攻撃、1月8日)という形で緊張がエスカレートしました。

■当面は、(1)イラク及び周辺国の原油生産・輸出能力への影響、(2)ホルムズ海峡経由の海上輸送への影響、(3)人的損害の有無や程度、などを焦点として双方の対応を注視する必要があります。

■但し、米トランプ政権は今年11月の大統領選挙を意識しながら対応するとみられます。対イラン強硬姿勢は、支持基盤固めとしては意味があるとみられますが、大規模な軍事衝突は政治的にも経済的にもリスクが大きくなるためです。イランも一連の経済制裁による経済の停滞、米国との軍事力格差、更なる国際的孤立回避の必要性などを考えると、国内世論を意識して一定の対抗措置を講じた後、事態をコントロールする方向に向かう公算が大きいと見込まれます。

■今回の事態の背景では米国・イラン共に、双方の動きについて予想しきれなかった部分があったとみられるほか、親イラン派武装勢力の行動など予想が難しい要素もあり、今後も追加的な衝突が発生する可能性は残ります。ただし、上で述べた双方の事情を考えると、原油供給への影響があるとしても、生産余力・備蓄で吸収可能な範囲にとどまると想定されます。グローバルな景気減速下で原油・天然ガス需要が鈍化していることもあり、原油価格上昇は極端なものにならないとみています。


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2.バラツキの大きいグローバル景気

■世界景気に目を転じると、米中部分合意の影響については、関税の引き下げが9月1日実施分の15%から7.5%への引き下げのみと小幅だったため、貿易促進効果は小さいとみられます。企業マインドの改善を通じた設備投資の持ち直しが今後の注目点となりますが、当面は景気押し上げ要因というよりも、米中対立の更なる激化による下振れリスクが低下した点が重要といえます。

■但し、グローバルPMI(主要21カ国・地域の購買担当者景況指数を加重平均したもの)をみると、製造業指数が、景気拡大・縮小の分岐点である50を小幅ながら上回り始めているほか、インフレ期待や銅価格などもグローバルなデフレリスクが和らぎ始めたことを示しています。これはIT関連の需要・生産の持ち直しや中国経済の安定化が背景にあるとみられます。

■特徴的なのは、先進国・新興国共に国によって景況感にかなり差があることです。業種別では、IT関連が明確に回復する一方で、自動車、金属などは動きが鈍く、バラツキを包含した緩慢な回復となっています。

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注目されるマネーフローの変化

■こうした状況下で、マネーフローがどう変化するかは重要なテーマです。投信を通じた資金フローを集計しているEPFRグローバルの週次データを積み上げたデータによると、2019年は債券ファンドへの資金流入が一貫して続き、年間で4,776億米ドルの流入となる一方、株式ファンドについては1,772億米ドルの流出となりました。債券・株式ファンドに関する資金フローの大規模な乖離は初めてではありませんが、頻繁に起きるものではなく、最終投資家の資金が相当規模で安全資産に滞留していることを示しています。低インフレ・金融緩和が続く中で、中東の地政学リスクと原油価格が世界景気に変調をきたさない範囲内に止まり、緩やかながら世界景気の持ち直し傾向が定着してきた場合、株式や新興国証券に資金が分散される余地が蓄積されていると考えられます。

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3.米中通商対立から地政学リスクへ

■トランプ大統領は12月31日のツイートで、米中通商問題に関する部分合意について1月15日に調印すると表明しました。今後は履行状況の検証などを巡って対立再燃のリスクが残るほか、トランプ大統領が第二段階の合意に向けて訪中する意向を示しており、産業政策など対立が鮮明な分野の交渉は難航するとみられますが、本格化は大統領選後となる可能性もあります。当面は現状からエスカレートするリスクは低下したとみられます。

■そうした中、冒頭でも述べたように、地政学リスクが浮上しています。米エネルギー省の集計(2019年1-11月)によると、イラクの原油生産は日量465万バレルとなっています。同990万バレルを生産しているサウジアラビアに200万バレル程度の余剰能力はありますが、イラク国内での衝突とそれによる生産設備へのダメージが拡大した場合は原油価格上昇につながる可能性があります。原油価格の上昇が10〜20%程度であれば、先進国経済の成長への影響は0.1〜0.2%と推定されますが、それ以上の上昇となった場合は金融市場のシナリオ変更につながるとみています。また、衝突が続いて米軍の人的損害が大きくなった場合は、消費者心理の低下や米景気減速、米連邦準備制度理事会(FRB)の追加緩和などの期待が高まり、ドル安傾向となる可能性があります。膠着・対立傾向にある米朝問題も無視できない問題です。

■欧州の政治リスクはイタリアの政局、自由貿易協定を巡る英国と欧州連合(EU)の交渉などが重要ですが、これらに加えて米国との通商問題が自動車などに拡大する可能性について一応留意しておく必要があります。

■米大統領の弾劾については上院で否決される方向となる中、米政局では、民主党候補の予備選に向け、左派候補の支持率が注目材料と見られます。

■経済面では回復が緩慢なため、特殊要因などでデータが一時的に下振れ、市場変動要因となる可能性がありますが、トレンドは景気回復方向にあるとみています。

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