懐かしの日本語ソフト「一太郎」健在 官公庁の「排除」の動きに「頑張れ」コール

1月18日(木)18時35分 J-CASTニュース

2月9日に発売される「一太郎2018年プレミアム」(ジャストシステム提供)

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1980〜90年代に日本中を席巻した日本語ワープロソフト「一太郎」(いちたろう)。とっくになくなったと思った人も少なくないのではないか——。


ところがどっこい、官公庁という意外な場所でしっかり活躍していた。その役所のひとつが「一太郎」をやめて「ワード」に統一しようという動きを見せたことから、ネットユーザーの間で「頑張れ!一太郎コール」が起こっている。




「一太郎!! お前、農林水産省で生きていたのか」





きっかけは、時事通信が2018年1月13日付で報じた「文書作成、ワードに統一 農水省、効率化で働き方改革」との記事。それによると、農林水産省は現行、文章作成ソフトをジャストシステムの「一太郎」とマイクロソフトの「ワード」を併用してきたが、ワードに統一する方針を決めたという。



これまでは一太郎の使用頻度が高かったが、一太郎の操作経験がない若手が増加。「ワードに統一して」という強い要望があった。ワードだとスマートフォンで閲覧しやすく、外出先でも仕事ができるため、業務の効率化と残業代の削減につながるとしている。



この記事には、ネットユーザーから、



「いつの時代の話だ。20年前に終わった話だろ」

「Officeの導入なんて働き方改革と言わない」



というツッコミとともに、



「一太郎!! お前、農林水産省で生きていたのか!!」

「大学生の時、MSを買うカネがなくて一太郎を使っていた」

「今の高校生は知らないだろうが、細かい操作は一太郎のほうが上なので、使い慣れると楽なんだが」




などと、懐かしむ声が相次いだ。




一太郎は、ジャストシステムが1985年から販売している日本語ワープロソフト。1980〜90年代にはトップシェアを誇ったが、ウィンドウズの普及とともにワードを使う人が増え、シェアは減った。



しかし、公文書によく見られる多くの罫線で仕切ったフォームを作成する時に適しているため、官公庁ではまだ使うところがあるようだ。あるネットユーザーは、



「文部科学省は長らく一太郎の牙城だったが、外部の先生方に文書を頼むとワードなので、いちいち変換しなくてはならない。最近、本省もワードでの提出を認めるようになった」


と明かしている。



官公庁が、一太郎からワードに切り替える動きに対しても、



「日本企業の日本語による文書作成ソフトを捨てて外国企業のソフトだけになったら、働き方改革ではなく売国改革だ。誤字脱字が増えて公文書がさらに乱れる」

「国産品奨励で全省庁がワードをやめて、一太郎にしようよ」

「かつて国産OSトロンが見捨てられたように、一太郎も見捨てられる運命のようですね」



といった批判的な声も寄せられている。




一太郎は、本づくりが好きな人向けに進化し続けていた





ところが、こうした心配の声にもかかわらず、一太郎は健在だった。ジャストシステムでは、2018年2月9日に最新バージョンの「一太郎2018年プレミアム」を販売するため、現在予約受け付け中なのだ。



J‐CASTニュース編集部は1月18日、ジャストシステムの担当者を取材。今回の農林水産省の「ワードに統一」の報道については、個別のユーザーの件には答えられないとのことだったが、担当者は「一太郎は、日本語を扱う非常に多くの人に使われ続けています」と語り、「2018年プレミアム」に搭載される新機能について、こう強調した。



「文章を書いたり、本を出したりすることが好きな人向けに、入稿した文章を編集して出力する機能の向上に力を入れました。家庭のプリンターで『折り本』や『つづら折り』を作ることができます。たとえば、女子会で旅行に行く時などに、画像を貼りつけたガイド本を簡単に編集することができます」


最近は、自分が書いた文章を電子書籍にして、インターネットで販売する人が増えている。書いた作品をA4版2ページの形にキレイに編集。アイコンタクトの画像に変換してネット上に公開できる。また、文章を書く時に重宝する辞書「広辞苑第七版」も付けた。



さらに、担当者はこう続ける。



「文字のフォントも2017年と違って新しく『イワタ書体』を採用しました。文芸作品や広告コピーによく使われる書体で、新海誠さんが『小説 君の名は。』で使っていた文字と同じです」


一太郎は進化を続けているようだ。

J-CASTニュース

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