レーダー照射問題:韓国軍艦のとった不自然な行動

1月21日(月)6時10分 JBpress

韓国側が発表した映像から

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北朝鮮の開城で開かれた、南北をつなぐ鉄道・道路の着工式で、ソウルと平壌の方向を示した標識を披露する南北当局者ら(2018年12月26日撮影)。(c)AFP〔AFPBB News〕

 日本の排他的経済水域内で、北朝鮮の漁船らしき木造船を救助するのに、北朝鮮の海軍警備艇や民間船舶ではなく、韓国の軍艦・警備艦が向かった。

 北朝鮮は、排水量1000トン以上の貨物船などの民間船舶を170隻以上、フリゲート艦、コルベット艦、哨戒艦、高速艇および警備艇の海軍戦闘艦艇約200隻を保有している。

 これらの艦船が本来救出に来るべきなのだが、そうではなかった。


救助に派遣されたのは韓国の最新鋭艦

 1993年5月に、ノドンミサイルとみられる発射実験が行われた際に、その観測支援のためにフリゲート艦とコルベット艦の2隻が日本海に展開したことがある。

 本来、この木造船を救助する必要があるならば、今回もその当時と同様に、軍艦あるいは民間船舶を派遣するのが普通だろう。

 しかし、なぜか韓国が、韓国海洋警察の警備艇に加え、海軍駆逐艦までも派遣した。

 北朝鮮の木造船を捜索するため、派遣された警備艇の参峰号は、韓国最大で最新の警備艇(排水量約6300トン、韓国は2隻保有)だ。

 駆逐艦の広開土大王(クァンゲトデワン)は、韓国で最初に建造された駆逐艦で約4000トンだ。

 木造の小船を大型艦艇が挟み込んで救助しているというのは、常識ではあり得ない不思議な光景である。

 韓国の大型の軍艦と警備艇が、日本海の真ん中よりも日本に近い位置にいた木造船をしかもレーダーには映らない木造船をどのようにして発見したのか。それが疑問である。


北朝鮮のアナログステルス戦闘機

 詳しく説明すると、レーダー波を金属製の航空機に当てると電波が反射して戻ってくるが、木材の場合はレーダー波を反射しない。

 軍事専門家は、北朝鮮特殊部隊を空輸する木材と布で作られた輸送機「An-2」を、皮肉を込めて「アナログステルス戦闘機」と呼ぶ。

 この木造船がSOSの救助信号を発信した可能性もあるが、海上保安庁も海上自衛隊も確認していないという。

 韓国が発表した北朝鮮の木造船の映像をよく見ると、イカ釣り用の電球が並ぶ上に、前方のマストから後方のマストにかけて、AM通信(モールス通信)用のケーブルらしきものがかけられている。

 北朝鮮の木造船は、モールス通信を使用して本国に救助を依頼したのではないだろうか。

 また映像を見ると、その木造船は、沈みかけていない。漂流する原因は、燃料切れだと推測される。

 私は、韓国の大型艦は北朝鮮の木造船に燃料を渡していると判断している。


救助に向かう燃料がない北朝鮮

 韓国が、沈没しそうな木造船と漁民を救助しているというのならば、漁民を救助している写真やその木造船をロープで曳行している写真を発表すべきだろう。

 大きな疑惑がいくつも生じるのは当然のことである。

 私の推測では、北朝鮮の小型木造船は、燃料切れを起こし、本国に燃料補給の救助を求めた。

 だが、北朝鮮は漁船を救助するために、海軍警備艇や民間船舶を派遣するための燃料がない。

 また、海軍軍艦はポンコツで500キロも離れた日本海の中央まで移動して帰投することができない。

 このような理由から、北朝鮮金正恩委員長は、韓国に支援を依頼した。

 北朝鮮としては、金正恩委員長の要求を何でも聞き入れる文在寅大統領に頼めば、すぐに引き受けてくれるだろうという予想通りになった。


いまや金正恩の言いなり、文在寅大統領

 金正恩が頼めば、文大統領は「北朝鮮は非核化をします。国連制裁を解除すべきだ」と欧州諸国を駆けずり回る。

 「自国の漁船を救助してほしい」と頼めば、大型軍艦や警備艇を派遣する。韓国文在寅大統領は、いまや北朝鮮の言いなりのようだ。

 そのことと、南北の陸と海上の境界の障害が徐々に取り除かれていること、南北の融和行事などを合わせると、南北の統一は近いと見てほぼ間違いないのではないか。

 だが、その統一は韓国主導による連邦制ではなく、北朝鮮が韓国を呑みこむ占領という形で行われるのではないか考えられる。

(これについては、軍事情報戦略研究所朝鮮半島分析チーム「可能性が高くなりつつある北朝鮮による半島統一」『JBPress(2018年12月3日)http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54805』で詳細に分析している)

筆者:西村 金一

JBpress

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