【iPad発表から10周年】「どれだけ進化した?」初代と最新モデルを比べてみた

1月22日(水)6時0分 文春オンライン

 今月は、2010年1月に初代「iPad」が発表されてから、ちょうど10年になります(国内発売は2010年5月)。ここまでの10年間、およそ1年刻みで新モデルが投入され、性能の向上、機能追加、および薄型軽量化が図られてきました。


 また小型版の「iPad mini」のほか、薄さを追求した「iPad Air」、さらに最上位モデルの「iPad Pro」といった派生モデルも登場し、現在に至っています。


 初代モデルの系譜に連なる無印の「iPad」は、現行モデルが第7世代に相当しますが、並べてみるとその外観こそ違えど、今日まで受け継がれてきているDNAを感じ取ることができます。今回はその2製品にiPad Proを加えた3製品を比較しつつ、iPadの進化の足跡をたどってみました。



iPad(第1世代)。当時販売されていた、iPhone 3GS譲りの丸みを帯びたボディが特徴。右は2019年に発売された第7世代モデル


このボディ、決してバッテリーが膨張しているわけではありません


 いま初代iPadを手にするとまず実感するのが、約13.4mmという、現在のスマホやタブレットからとても考えられない分厚さです。背面が大きく膨らんだデザインは今見るとお世辞にもスタイリッシュとはいえず、まるで内部のバッテリーが膨張しているように見えてしまいます。当時もすでに多少の違和感はありましたが、いま見るとかなり異様です。




 もうひとつ、大きな違いは重量です。本製品は約680gと、現在のこのサイズのタブレットの標準的な重量である400g台後半からすると、プラス200gほどの重量があります。200gと言えば大画面スマホ1台ほどの重量で、そのヘビーさはかなりのものです。


 機能面では、カメラを搭載していないのも大きな違いです。現在のiPadは、正面および背面にそれぞれカメラが内蔵されており、上位モデルのiPad AirやiPad Proになると、背面からカメラが飛び出すほどの存在感があります。カメラを搭載しない初代モデルは背面がのっぺりとしており、今となってはどこか不思議なデザインです。




 そして、電源をオンにするとすぐ気づくのが、画面の解像度の違いです。iPadは第3世代モデルでRetinaディスプレイを採用し、現行モデルとほぼ同じ高解像度になりますが、この初代のモデルの時点では、1,024×768ドット、解像度は132ppiという、現在では格安タブレットでもお目にかからないスペックでした。


 画面をアップで見ると、そのアイコンのギザギザ加減は一目瞭然で、300ppiオーバーも当たり前な現行のスマホを見慣れた目には、かなり辛いものがあります。ボディの厚みや重量は許容できても、実際に使うとなると、この部分で耐えられない人が多いでしょう。




画面サイズが負けても、現行モデルにはない便利な機能があった


 他にも細かいところで違いがあります。充電用ポートは、現在はLightningのほか、iPad ProではUSB-Cが採用されていますが、当時はまだ横長形状のDockコネクタが採用されていました。その後のLightningへの切り替わりでDockコネクタのケーブルや周辺機器が一斉に使えなくなり、困った経験をしたことのある人も多いのではないでしょうか。


 またホームボタンは、見た目こそ現行のiPadとそっくりですが、指紋認証(Touch ID)を搭載しておらず、指を乗せただけではロックが解除されません。この初代モデルをいま現役で使おうとした場合、操作性でネックになるのは、むしろこうした部分かもしれません。




 また上下左右のベゼル(ディスプレイを囲む縁)の幅も、iPad(第7世代)との比較ではそれほど目立ちませんが、iPad Proと比較すると、2倍、もしくは3倍はあろうかという幅広さで、時代の流れを感じさせます。見た目が古く感じてしまう、最大の要因と言っていいかもしれません。




 一方で、現行モデルにはない利点もあります。それは画面の回転を物理的なスイッチで制御できることです。iPadの薄型化に伴ってこの機能は省かれ、現在はOS上で切り替える方式に改められていますが、初代モデルを使うとその使いやすさをあらためて実感します。




いま使おうとすると……そもそもアプリがない!


 以上のような違いがあるわけですが、それでも今あらためてこの初代iPadを使ってみると、挙動自体は(多少もっさりとしていますが)スムーズで、もしかして現役でもそこそこイケるのでは? と一瞬期待してしまいます。しかし実際にアプリをインストールしようとすると、それが幻想であることに気付かされます。


 なぜなら、初代iPadはiOS 5.1.1までのサポートとなっており、現在App Storeに登録されているアプリの多くはインストールはおろか、ダウンロードすらできないからです。プリインストールアプリの中にもすでに動かないものがあり、見た目よりもできることははるかに少なめです。できることといえば、せいぜいiTunesで音楽を買って聴くくらいです。






 いま手元に初代iPadがあり、動作するアプリがそのまま残されていれば、それはある意味で貴重と言えます。セキュリティの観点からも、初代iPadをいま敢えて現役で使うことは考えにくいですが、それでもほんの10年前のデバイスがこうしてソフト側の問題で使えなくなるのは何か間違っているのかも……今回改めて初代iPadを使って、そんなことを考えさせられました。



(山口 真弘)

文春オンライン

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