仮想通貨「ネム」意外な領域で活用 電力、医療...その理由は?

1月25日(土)21時0分 J-CASTニュース

ネム公式サイト。意外な領域に応用が

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仮想通貨「ネム」(通貨名称:XEM)に関連したビジネスが国内で広がっている。

仮想通貨ビジネスと言えば、ブロックチェーン上で契約を自動履行する技術・スマートコントラクトを持つイーサリアムなどが表舞台に上がりやすいが、取引処理の速さから、ネムのブロックチェーンを実装したビジネスが多分野で進む。


ブロックチェーンで再エネの発電元を明確化


ネムは、英語で新しい経済運動(New Economy Movement=NEM)を意味し、2015年に開発がスタート。ブロックチェーンの合意形成の方法として、コインの「保有量」や「保有期間」などから得られるスコアで図るプルーフ・オブ・インポータンス(PoI)を採用しており、ブロックの生成時間がビットコインの10分の1にあたる1分。速いデータ処理速度が強みだ。


新電力のみんな電力(東京・世田谷)は、その特長に目を付け、再生可能エネルギーを消費者に提供する電力取引プラットフォーム「エネクション2.0」にネムのブロックチェーンを採用している。ブロックチェーンを活かし、再エネ発電事業者や、FIT(固定価格買い取り制度)切れ住宅太陽光の生産消費者といった発電元を、詳しく把握・証明できるように設計。電力は、再エネの利用を強力に進める国際イニシアチブ「RE100」の加盟企業を中心に供給しており、契約する事業者・個人は100余りに及ぶ。

 

さらに同社は2020年、再エネの電気を使う企業が発電事業者に投資ができる仕組みを導入する。ブロックチェーンを生かした電源トークン(仮称)を、投資した企業に付与。投資元の企業は、電源トークンの保有量に応じた電力を一定額で受け取る権利の取得が可能になる。電気の消費者自らが再エネ電源に投資でき、発生電力でリターンを得るという「発電価値の取引」の実現を図る狙いだ。


カタパルトで処理性能、新技術実装も...


医療とITを融合した事業に活用する企業もある。

 

薬局コンサルトなどを手掛けるヘルスケアゲート(神奈川・横浜)は2019年11月、テックビューロホールディングス(東京・千代田)と連携し、ネムブロックチェーンのプライベートチェーン版(編注:特定の管理者が存在する中央集権型ブロックチェーン)である「mijin」を活用したオンライン医療ソリューション「楽医」開発プロジェクトの開始を発表した。


両社は、楽医の第1弾として、患者が病院での受診から薬の受け取りまでの流れをタブレット端末などでサポートするサービスを構築中。ブロックチェーンの特性を生かし、処方箋の発行日時や内容、医師の証明のほか、薬歴管理や残薬確認などがオンライン上で一括してできる電子処方箋の具現化を目指している。ヘルスケアゲートの担当者は、ブロックチェーン活用の利点として「医療行為に信用をもたらすと同時に、責任の所在を明らかにすることができる」と強調する。


2020年2〜3月の間に予定するアップデート「カタパルト」によって、次世代ブロックチェーン「シンボル」が誕生するネム。シンボルでは、処理性能の向上のほか、複数の取引を一回で完結するアグリゲートトランザクション、取引所など第三者の介入がなく、異なるブロックチェーン間でのトークンの交換ができるクロスチェーンスワップといった新技術を実装される予定で、ネムブロックチェーンのビジネス、決済領域への転用が進展するとの声がある。


ただ、ブロックチェーンはただでさえ、悪意あるデータの追加を防ぐインセンティブ設計が難しく、莫大なメンテナンスコストを要する。アップデートが逆に、そうしたブロックチェーンの脆弱性を高めるリスクがある。開発企業は、自社のみならず、ユーザーの投資対効果を担保するためにも、システム不備への対応やセキュリティ対策に十分な注意を払う必要がありそうだ。


(ライター 小村海)

J-CASTニュース

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