堀江貴文氏が考える「日本企業がGAFAと対抗できる分野」

1月31日(金)16時0分 NEWSポストセブン

「今後も人類は、様々な方法で身体の“拡張”を繰り返す」と分析する堀江貴文氏

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「入院して高齢化社会について考えてみた」。臍ヘルニアの手術のために緊急入院した堀江貴文氏は先頃、自身が寝たきりになった状況に照らし、高齢者の生き方や超高齢化を迎える日本社会の先行きについて、様々な意見を語った。さらに発売即増刷となった最新刊『雇用大崩壊〜マンガある若手技術者の会社を変える挑戦〜』では、それが日本企業にとって世界規模のビジネスチャンスであるとも指摘している。その理由とは?


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 GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazonの米国を代表する巨大IT企業)にどう対抗するべきかといった質問をよく受けるが、私が携わっている「宇宙関連産業」に最もその可能性があることは指摘してきたが、その他、比較的、誰もが参入しやすいジャンルで言えば、テクノロジーを使った高齢化社会の最適モデルの提示かもしれない。


 日本は世界でもトップクラスに、高齢者が多い国だ。そのため、高齢者の弱った身体を支える技術の研究開発が飛躍的に進んでいる。


 例えば筑波大学発のベンチャー企業サイバーダインは、高齢者向けのパワードスーツを作っている。加齢で弱ってしまった膝や腰をサポートして、若い頃と同じように動き回る手助けをしてくれる。


 こうした身体を拡張するような技術革新に、超高齢化社会を控える日本のメーカーは向いているのではないだろうか。


 テクノロジーの力を借りられる道筋が立てば、人生100年時代だろうと、それ以上の超高齢化社会だろうと、まったく悲観するような話は出てこなくなるだろう。


不慮の事故や病などが理由で、腕や足を欠損した人たちが、義手・義足のサポートにより、健常者とまったく同じか、それ以上の身体能力を発揮している例もある。 パラリンピックでは、競技によっては、健常者の記録をパラリンピックアスリートが上回っていることも少なくない。


 その是非はともかく、いずれは障害者でなくともカジュアルに、身体拡張を試したいという社会になるかもしれない。


 ちょっとした道具を使えば、ウサイン・ボルトと同じスピードで走ることができたり、ムバッペのような超速ドリブルでプレーできたり、コービー・ブライアントばりのダンクシュートが決められるようになる……。単純にワクワクするエンタメ的体験だ。


◆スマホ所有の延長線上にAIとの同期がある


 人間は様々なテクノロジーによって、その能力を“拡張”し続けて生きてきた。自動車も飛行機も、パソコンもスマホも、メガネもコンタクトレンズも、様々なツールが「身体拡張」の一環として利用されている。


 移動やコミュニケーションにかかっていた時間が短縮され、新たに生み出された時間を使って、別のことをしているわけだ。


 AIやロボット技術を進化させる目的も、人間の「身体拡張」思想がその根源にある。私たちは、いまの肉体の能力だけで、本当に満足なのだろうか? 外部の機械的なサポートで、できることの選択肢が増え、より豊かな人生が過ごせるのではないか?


 例えば、自動車が登場して、人力車や飛脚はいなくなった。移動の手段を、私たちは自動車に“拡張”することで、1日で数百キロを移動することができるようになった。そうして過去から想像もつかないような、質の高い生活を過ごしている。


 近年の自動運転やドローン産業も、いわば人間の「目」や「耳」などの感覚的な能力の拡張技術と言える。今後も人類は、様々な方法で身体の“拡張”を繰り返すだろう。


 脳の“拡張”の時代も近いかもしれない。AI研究の世界的権威でもあるレイ・カーツワイルは、自分の脳に電極を刺し、機械と融合することを厭わないと語っている。仮にそれが実現すれば、人間の知能は現代の数千億倍まで“拡張”されるという。AI研究の世界的な大権威は、すでに「人とAIが同期する姿」を、見据えているのだ。


 同期の仕方については、脳に電極を刺さないまでも、BMI(ブレイン・マシン・インターフェース=脳と機械をつなぐ技術)では、ヘッドギアを装着するだけの方法の研究も進んでいる。


 いずれにせよ、AIと同期する者としない者の知能の格差が、驚愕のレベルになることは間違いない。いまや事実上、人間の“第2の脳”となったスマホを持っている人が、持たない人に比べて、どれだけ知的に生きられているかを想像すればわかりやすい。


 人はいつの時代も「パンドラの箱」を開ける。そして開いた箱は、もう閉じられない。火力も、原子力も、AIやロボットにも同じことが言える。もはやSFの世界の話ではない。テクノロジーで適切に管理しつつ、さらなる文明の発展に生かすしかないのだ。


※堀江貴文・著『雇用大崩壊〜マンガある若手技術者の会社を変える挑戦〜』より抜粋して再構成

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