日本最大級イベント、なぜ終焉に 「クラシックカー」取り巻く事情の苦しさ

2月10日(日)7時0分 J-CASTニュース

会場の様子。来場者が往年の名車に熱視線を送った

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日本クラシックカー協会が東京・台場の青海臨時駐車場特設会場で毎年1月に開いていたクラシックカーの祭典「ニューイヤーミーティング」が、42年の歴史に幕を閉じた。同協会のニューイヤーミーティングは日本のクラシックカーイベントとしては最大級で、多くのファンに親しまれてきたが、突然の中止の真相は明らかにされていない。

2019年1月27日、同協会の岡政由代表はイベントの閉会あいさつで「ここで一旦、幕を閉じることになるが、またどこかでみなさんと旧車のイベントでお会いしたい」と述べるにとどまった。



別イベントは「暴走・騒音」で終了に追い込まれる



関係者によると、会場となるお台場の特設会場が東京五輪の影響で閉鎖になるというのが表向きの理由だが、会場周辺でイベントとは関係のない違法改造車の暴走など迷惑行為があり、近隣住民の不評を買ったことも影響しているようだ。


同じお台場の特設会場では、自動車関連の老舗出版社・八重洲出版が毎年秋に「お台場旧車天国」というクラシックカーイベントを開いていたが、こちらも2018年11月の前回イベントで突然、中止となった。八重洲出版と「お台場旧車天国実行委員会」は「かねてより会場周辺での暴走・騒音行為などの迷惑行為が散見されており、住民より苦情が寄せられていました。所管警察と連携し、警備・取締りに当たったのですが、迷惑行為の撲滅までに至りませんでした。主催者として、住民への配慮が必要という理由により、所管警察と協議した結果、開催中止を判断しました」と明らかにしている。


日本クラシックカー協会の「ニューイヤーミーティング」と八重洲出版の「お台場旧車天国」は、「スバル360」など日本のモータリゼーションを支えた国産大衆車から、ポルシェ、ロータスなど欧州の高級スポーツカーまで、1950年代から1970年代を中心に幅広いクラシックカーが一堂に会す貴重なイベントだった。展示車両はアマチュアのオーナーが所有する動態保存車が基本で、自走してくる車両も珍しくない。


昔懐かしいクルマと再会し、エキゾーストノート(エンジン音と排気音)を聞いたり、排ガスの匂いをかいだりするのは、見る者に当時の記憶を呼び戻す。まるで、そのクルマが走っていた1960年代や1970年代にタイムスリップしたような気持ちになるから不思議だ。



文化としての「クラシックカー」守る重要性



自動車先進国の英国やドイツなど欧州諸国では、同様のクラシックカーイベントが盛んだ。それは自動車を文化として認め、ビンテージワインのように年輪を重ねたクラシックカーを楽しむ伝統があるからだ。日本でも日本クラシックカー協会はじめ、全国で有志が主催するイベントが育ってきたが、総本山ともいえる同協会のイベントが中止となる影響は計り知れない。


同協会は1977年に東京プリンスホテルで第1回のニューイヤーミーティングを開催して以来、明治神宮絵画館前、明治公園などと会場を変更し、2003年からは基本的にお台場の特設会場で開いてきた。


最終回となった今回は1950年製の英国クーパーMGから1984年製のいすゞジェミニZZ/Rまで166台が参加。ロータスヨーロッパ、「箱スカ」と呼ばれる日産スカイライン2000GT、ホンダS600/800などが多数参加したほか、珍しいところでは日野コンテッサ1300S、トヨタパブリカ800、日産チェリーなども参加。日本の自動車メーカーの技術的進歩や産業史を垣間見ることができた。会場のあちこちでは、懐かしいクルマをカメラに納めるファンの姿が目立った。


東京都心のクラシックカーイベントとしては、トヨタ博物館が主催し、毎年秋に明治神宮外苑で行なう「トヨタ博物館クラシックカー・フェスティバル」がある。こちらは展示だけでなく、往年の名車が銀座など東京都心を走るパレードが有名で、トヨタだけでなく国内外のメーカーのクルマが多数走る。トヨタ自動車が日本でもクラシックカーを文化として根付かせようという熱意が伝わってくる。42年の歴史に幕を閉じた日本クラシックカー協会のニューイヤーミーティングも課題を乗り越え、いつの日か復活することを期待したい。

J-CASTニュース

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