アップル、EVで日産など日本の自動車大手と協議か

2月11日(木)12時0分 JBpress

 米アップルが進める電気自動車(EV)生産計画に関し、同社と韓国・現代自動車の系列自動車メーカー韓国・起亜の交渉が決裂したと取り沙汰されている。これについて、米ウォール・ストリート・ジャーナルは2月9日、「アップルのプロジェクトが失敗に終わることはないだろう」と報じた。

 アップルにとって委託先の候補はいくつもあり、パートナー企業を見つけられないことが理由で、計画が頓挫することはないという。


日産CEO「豊富な知識と優れた経験を持つ企業と協業」

 米CNBCは2021年2月3日、アップルが起亜に生産委託する交渉がまとまりつつあると報じた。ウォール・ストリート・ジャーナルは同2月5日、起亜がアップルブランドのEV生産に関して提携企業を探していると報じた。起亜が米ジョージア州に持つ完成車工場でアップルのEVを24年にも生産し、初年で最大10万台を計画していると関係者は話した。

 ところが、現代自は同2月8日、これらの報道を否定するコメントを出した。CNBCによると、現代自と起亜は、規制当局に提出した文書で、「自動運転EVの共同開発について複数の企業から協力要請を受けているものの、まだ初期段階であり、何も決まっていない」と説明。そのうえで、「アップルと自動運転車開発の協議をしていない」と否定した。

 ウォール・ストリート・ジャーナルはこれについて、「現代自との交渉は決裂したもようだが、アップルは1社に依存することはないと」と報じている。

 同紙は、日本経済新聞の記事を引用し、「アップルは日本の自動車メーカー数社とも協議している」と伝えた。また、日産自動車の内田誠CEO(最高経営責任者)が決算発表の記者会見でアップルとの提携に関する質問に対し、「新たな活動は必須。豊富な知識と優れた経験を持つ企業と、パートナーシップやコラボレーションを通して仕事をする」と述べたとも報じた。

 同紙は「自動車大手がこうして、アップルに売り込みをかけている状況は、観察に値する」とも伝えている。かつて自動車メーカーは米シリコンバレーのテクノロジー企業との協業に後ろ向きで、まして、委託製造業者になろうなどとは考えもしなかったという。


アマゾンなど出資の米自動運転企業、トヨタやデンソーと提携

 同紙が指摘するように最近は状況が大きく変わってきたようだ。例えば、米アマゾン・ドット・コムなどが出資する自動運転スタートアップ企業、米オーロラ・イノベーションは21年2月9日、トヨタ自動車やデンソーと提携したと明らかにした。

 トヨタのミニバン「シエナ」を改造し、オーロラの自動運転システムを搭載した試作車を作り、21年末までに米国内で公道走行試験を開始するという。将来は配車サービス用の自動運転車を量産する計画だ。

 オーロラの創業は17年。カリフォルニア州パロアルトに本社を置く。自動運転技術を開発する米グーグルのグループ企業「ウェイモ」の前身プロジェクトの立ち上げに携わった人物がCEOを務めている。

 オーロラは20年12月、米ウーバーテクノロジーズの自動運転事業「ATG(アドバンスト・テクノロジーズ・グループ)」を買収すると明らかにした。ロイターによると、トヨタとデンソーはソフトバンクグループとともにATGに出資しており、ATGと自動運転開発で協業していた。ATGのオーロラへの移管に伴い、トヨタなどとの協業をオーロラが引き継ぐという。

 一方、トヨタは、中国ネット検索大手の百度(バイドゥ)が17年に立ち上げた自動運転技術の開発連合「Apollo(アポロ)計画」に、中国⺠営自動車大手の浙江吉利控股集団や独フォルクスワーゲン(VW)、米フォード・モーターなどとともに参画している。


フォードがグーグルと6年間の契約

 フォードは21年2月1日、クラウドサービスや車載インフォテインメントの分野でグーグルと6年間の契約を結んだと発表した。グーグルのクラウドサービスを活用し、製品開発や製造・サプライチェーン管理の近代化を図るもので、グーグルのAI(人工知能)を製造現場の社員教育や工場設備の性能向上に生かすとしている。

 23年より「フォード」と「リンカーン」ブランドの全車種にグーグルのオペレーティングシステム(OS)「Android」やAIアシスタント「Google Assistant」、地図サービス「Google Maps」、アプリ配信サービス「Google Play」を搭載する計画だ。

 (参考・関連記事)「激化するEV開発競争、中国・百度が吉利と戦略提携」

筆者:小久保 重信

JBpress

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