「O脚」「X脚」を放置すると膝がヨボヨボになる…シャキシャキ歩ける中高年が寝る前に「30秒だけ」やっていること
2025年2月13日(木)16時15分 プレジデント社
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Sorapop
※本稿は、理学療法士キリツ『根本から体を整える 姿勢復元完全バイブル』(KADOKAWA)の一部を再編集、一部を書きおろししたものです。
写真=iStock.com/Sorapop
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■O脚やX脚を改善するには?
O脚やX脚の人は、膝の位置が外側に開いたり内側に閉じたりするため、膝の問題に目が向きがちです。しかし実際には、膝は「股関節や足首の影響」を大きく受けます。
なぜなら、膝は太ももの骨とすねの骨の間にある関節であり、「股関節は太ももの動きに」「足首はすねの動きに」それぞれ影響を与えるからです。膝自体に内側や外側に曲がる動きはありません。
つまり、O脚やX脚を改善するには、股関節や足首の状態を整え、膝にかかる負担を減らすことが重要になります。ここでは、股関節と膝の動きを正しく理解し、ご自身の体の状態をチェックしてみましょう。
股関節の位置は、手のひらを大転子に当て、親指を斜め45度に上げたところが股関節です。股関節は、骨盤と太ももの動きの両方に影響を受けます。
特に、反り腰などで骨盤が前に倒れやすい人は、股関節の動きが悪くなりがちです。股関節をスムーズに動かすには、骨盤を意識することが大切です。
出所=『根本から体を整える 姿勢復元完全バイブル』
まずは、立った状態で、骨盤を前に倒してみましょう(お尻を突き出すイメージ)。股関節が曲がっているのを感じますか。
次に、骨盤を後ろに倒してみましょう。(お腹をへこませるイメージ)。股関節が伸びるのを感じますか。
出所=『根本から体を整える 姿勢復元完全バイブル』
■まずは「大腿筋膜張筋」をほぐすことから始めよう
次は、O脚やX 脚の人は「大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)」という筋肉をリリースします。この筋肉は股関節から膝まで伸びていて股関節や膝の動きに関わります。
(1)準備
床に仰向けになり、両膝を立てます。この時、肋骨を軽く下ろし、お腹に軽く力を入れて腹圧をかけます。お腹周りの筋肉を安定させることで、腰への負担を軽減し、効果的にストレッチできます。
出所=『根本から体を整える 姿勢復元完全バイブル』
(2)ストレッチ
膝を曲げたまま、股関節が横に動かないようにしながら、いけるところまで内側にねじります。足の裏は外側に向けましょう。右足のかかとを左膝の上に乗せます。
右足の重みで、左側の股関節の外側が伸びているのを感じながら、30秒ほどキープします。ゆっくりと呼吸を続けながら、筋肉の緊張が徐々に解けていくのを感じましょう。
出所=『根本から体を整える 姿勢復元完全バイブル』
(3)ホールド
左足を天井に向かってゆっくりと持ち上げます。この時、左側の股関節の外側に力を入れます。同時に、右足は左膝につけたまま、左足が上がらないように抵抗をかけます。関節を固定したまま、筋肉に力を入れ10秒間キープします。
出所=『根本から体を整える 姿勢復元完全バイブル』
(4)リリース
外ももの力を抜いて、今度は左足をゆっくりと床に戻します。この時、左側の股関節の外側の脱力感をしっかりと感じましょう。10秒間キープします。この「力を入れては抜く」を3回繰り返します。
出所=『根本から体を整える 姿勢復元完全バイブル』
■O脚X脚をリセットするエクササイズ
最後に、メインエクササイズを行っていきます。
膝下を安定させた状態を保ちながら、股関節を軸として動く感覚を養い、床反力と重力を利用した効率的な体の使い方を習得することを目指します。特に、股関節を意識的に動かすことで、下半身全体の重心を整えていきます。
(1)スタートポジション
右足を前に出し、左足のつま先を軽く床につけます。左足には体重をあまりかけないように注意してください。右足で床をしっかりと捉え、安定感を高めます。
膝は少しだけ曲げて、すねの骨は床から垂直になるように軸を感じましょう。股関節の位置を両手で確認したあと、両手は腰に当てます。ベルトを締めるようにお腹の圧を意識すると、体幹が安定しやすくなります。
出所=『根本から体を整える 姿勢復元完全バイブル』
(2)右足に骨盤を近づける
膝とつま先は正面に向けたまま、骨盤をできるだけ右足の方向に回します(骨盤右回転)。この時、腰ではなく股関節から動かすことを意識しましょう。
(3)股関節を曲げる
きれいなヒップヒンジを意識し、上半身を前傾させます。脚の付け根のラインから、背中を丸めることなく、股関節を支点に上半身を倒すイメージです。肩を開いた状態を保ち右足で床をしっかりと捉えます。
出所=『根本から体を整える 姿勢復元完全バイブル』
■股関節や膝周りの柔軟性アップが、まっすぐな脚への一歩
(4)右足から骨盤を離す
膝とつま先は正面に向けたまま、親指の付け根に力を込めて、体を左へゆっくりと回転させます。この時、股関節は曲げた状態を保ちます。骨盤を右足からできるだけ離すように回転させます(骨盤左回転)。
出所=『根本から体を整える 姿勢復元完全バイブル』
(5)股関節を伸ばす
足の裏全体で地面を押しながら、体を押し戻し、元の姿勢に戻ります。この時、腰ではなく股関節から伸ばすことを意識しましょう。
出所=『根本から体を整える 姿勢復元完全バイブル』
1〜5の動作を1セットとし、このセットを左右それぞれ5回繰り返します。ただし、途中で姿勢が崩れてしまったり、集中力が途切れてしまったら、回数を減らしてください。
理学療法士キリツ『根本から体を整える 姿勢復元完全バイブル』(KADOKAWA)
お疲れ様でした。エクササイズをしてみて、脚を大きく開いたり、内側や外側に回転させたりする動きが、以前よりスムーズに、そしてラクにできるようになりませんでしたか。
左右の足に体重を交互にかけた時に、膝が安定し、以前のような不安定感や違和感は減りましたか。
床に立った時、足裏全体でしっかりと地面を捉え、体重が均等にかかっている感覚が得られるようになりましたか。
これらに、少しでも変化を感じられた方は、股関節や膝周りの柔軟性が向上し、体の軸が整ってきたサインです。
以上、簡易的ではありますが、ご紹介させていただきました。みなさんの参考になると幸いです。
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理学療法士キリツ(りがくりょうほうし・きりつ)
理学療法士
10 年以上の臨床経験を持つ理学療法士。 解剖学や脳神経学の専門知識を活かし、姿勢に特化したアプローチを確立。セミナーやレッスンを通じて、たくさんの人々の姿勢改善をサポートしている。また、SNSでの情報発信力にも力を入れており、わかりやすい解説と効果的なエクササイズの提案をし、総フォロワー数10万人(2024年12月現在)を超える支持を得ている。
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(理学療法士 理学療法士キリツ)