NEC、今世紀4回目の人員削減 「トンネルからの出口」見えるか

2月15日(木)7時0分 J-CASTニュース

NEC、今世紀4回目の人員削減(画像はイメージ)

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NECが、また大規模リストラを打ち出した。2018年1月30日発表した18年度から3年間の中期経営計画の中に盛り込まれたもの。18年度中にも3000人の希望退職を募り、年間300億円の人件費を圧縮する。国内8万人のグループ社員の約4%に当たる人数で、生産を効率化するため国内9工場の統廃合を進め、一部閉鎖も検討する。通信インフラなど主力事業の不振から、21世紀なって4回目の人員削減になる。成長分野の育成が急務だが、トンネルからの出口が見えない状況が続く。


記者会見した新野隆・社長兼最高経営責任者(CEO)は「想像以上に既存事業の落ち込みが顕在化した」と述べた。実際、既存事業の中で、通信インフラなどの事業の落ち込みが特に大きい。携帯電話の国内基地局向けの需要が一服したほか、海外進出にも出遅れ、売上高の海外比率は4分の1程度にとどまるなど、苦戦を強いられている。



事業の切り離し、縮小も相次ぐ




このため、希望退職の主な対象は、総務などの管理部門と、低迷する通信機器などの部門になる。人員のほか、事務所スペースのリストラによる賃料の節約なども含め、売上高に占める販売費・一般管理費(研究開発費は除く)の割合を、直近の22%から「グローバルで生き残る」のに必要な20%以下に下げるのが目標だ。工場の統廃合については東北や関東などの主要9工場が候補だが、新野社長は「具体的にはまだ決めていない」と述べるにとどまった。



近年のNECはリストラに次ぐリストラと言える状況だった。2001年に4000人、02年に2000人の人員削減を実施したのに続いて12年には派遣社員5000人を含む「1万人リストラ」で、派遣以外では、本体2400人弱、子会社250人、タイ工場閉鎖で2700人の計約5300人を減らした。派遣を除く削減員数は3回で計1万1300人に達する。その後は、これ以上のリストラはしない方針だったが、業績の低迷に歯止めがかからず、今世紀4回目の削減に追い込まれた。



この間、事業の切り離し、縮小も相次いだ。国内首位だったパソコンは2011年にレノボ(中国)に持ち分の大半を売却した。携帯電話端末も、その昔、電電一家の代表格だった流れでNTTドコモに強く、04年まで国内首位だったが、結局、カシオや日立との合弁に移行したうえ、16年には解散し、撤退。インターネットのプロバイダー事業「ビッグローブ」は14年に売却し、今やKDDI傘下に収まってNECとは縁が切れている。



かつては世界一を誇った半導体も2010年、ルネサステクノロジ(現ルネサスエレクトロニクス)に統合し、17年に保有株の大半を売った。



さらに、今年度(2018年3月期)にも売却は続き、日産と合弁のリチウムイオン電池子会社を18年3月、中国系ファンドに譲渡する。



セキュリティに強い英ITサービス企業を買収




これらの結果、2001年3月期に5.35兆円あった売上高は16年度に2.66兆円とほぼ半減。ピーク時5兆円を超えていた株式時価総額は直近8000億円台へ激減している。ライバルのNTTデータや富士通の半分以下だ。



数次の経営計画も、未達続きで次々に『挫折』。直近でも2016年4月に発表した中期計画は1年後に撤回を余儀なくされ、新たにまとめられたのが今回の計画だ。



具体的にNECが成長事業と期待するのがセキュリティ事業。顔認証などIT(情報技術)を駆使するが、大勢の中から人物を特定するといった技術に自信を持つ。国内はもとより、海外売上高をいかに伸ばすかがNEC再生のカギとも言われるが、1月にはセキュリティに強い英ITサービス企業を買収し、同社を軸に国際展開を進め、2020年度の同分野の海外売上高を2000億円と現在の4倍にする計画だ。



ただ、他の既存の分野は競争が激しく、売り上げを伸ばし、収益を上げるのは容易でない。これはNEC自身が分かっているところで、新経営計画で2020年度の目標として掲げた売上高3兆円、営業利益1500億円(17年度見込みの2.5倍)は、お蔵入りした前回計画と同じで、収益改善の中身も、600億円を人件費削減などの構造改革でねん出し、事業成長は300億円を見込むだけと、何とも心もとない。



株式市場では、計画発表から最初の取引になった1月31日、一時、前日比175円(5.5%)高の3345円を付け、2月1日には3380円まで上昇するなど、連日のように昨17年来高値を更新。「人員削減に踏み込んだことで構造改革が本気と受け止められた」(市場関係者)との声も聞かれた。ただ、その後は市場全体が急落したこともあって、直近は3100円を挟む水準になっており、市場の評価は定まっていないようだ。

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