槇原敬之逮捕 またぞろ湧き起こる「音楽に罪はない」の是非

2月15日(土)7時0分 NEWSポストセブン

過去の実績も台無しに(時事通信フォト)

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 覚せい剤などを所持していたとして逮捕されたシンガー・ソングライターの槇原敬之容疑者(50)。


 これまで数多くのヒット曲を世に送り出してきたうえに、昨年10月から「デビュー30周年イヤー」に突入しており、今年はカバーアルバムやベストアルバムの発売、ライブツアーなど予定が目白押しだっただけに、その代償は計り知れない。損害は10億円を超える見込み──との報道もある。


 すでにテレビ局では、槇原の楽曲をオープニングに使っていた『じゅん散歩』(テレビ朝日系)、『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)で曲を差し替えて放送するなど素早い対応策を取っている。


 さらに、昨年10月に発売された30周年記念第1弾のカバーアルバム「The Best of Listen To The Music」や、12月に発売されたライブDVD&Blu-ray(Makihara Noriyuki Concert Tour 2019)の自主回収の検討も今後行われそうだ。


 昨年3月にコカインを使用したとして逮捕されたミュージシャンで俳優のピエール瀧の時もそうだったが、アーティストが逮捕されると、またぞろ湧き起こるのが、“音楽や映像作品に罪はないのでは?”という議論だ。


 槇原も過去にはSMAPに提供した「世界に一つだけの花」が平成で最も売れた楽曲として300万枚超えを記録し、高校や中学の教科書にまで載る名曲だけに、過去の作品に遡ってまで回収や撤去、削除を行うのはいかがなものか──とする意見は多い。


 音楽評論家で尚美学園大学副学長の富澤一誠氏もこういう。


「今やっていることや、これから出すCD発売やライブ中止など直近の活動を自粛するのは仕方ないことだと思いますが、彼が過去に発表した楽曲自体は、人々の思い出や記憶に刻まれていて色褪せません。そうした昔の作品まで引き上げてしまうのは、やり過ぎだと思います。『過去に累は及ばない』ということで良いのではないでしょうか」


 ただ、長年の槇原ファンの中には、「1回目の逮捕以降に出した名曲も、覚せい剤の力を借りて作っていたのだとしたら、もう感情移入して彼の曲を聴くことができません」(40代主婦)と話す人も多いが、前出の富澤氏はこんな見解を示す。


「もちろん2度も逮捕されれば、彼自身のイメージ回復は難しくなるでしょうし、20年以上たっても薬物を断ち切れず、これまでの実績さえ台無しにしてしまったことは、自己責任のなさ以外なにものでもないでしょう。


 しかし、今後、槇原敬之の曲は絶対に聴かないし、カラオケでも歌わない──と決めるのは、あくまでも受け手の判断に委ねるべきであって、その選択肢を作り手側がなくしてしまう横並びの自主規制には疑問を感じます」


 かつて、自身がパーソナリティを務めるFMの音楽番組で幾度も槇原と対面してきたという富澤氏。


「外見こそ地味ですが、非常に繊細ですし文学的センスもある。きっと『売れ続けなきゃいけない』という過度なプレッシャーにも負けてクスリに手を出してしまったのかもしれませんが、そうした弱さを克服するのは彼自身しかいませんからね。


 今回の件は非常に残念ですが、薬物依存から必ず更生して、またたくさんの曲を生み出してほしいです」


 槇原がスキャンダルではなく、人々の記憶に残る名曲の数々を再びリリースする日はやってくるのだろうか。

NEWSポストセブン

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