中国ショックで恒例の新年会も欠席 日本電産・永守会長の危機感

2月19日(火)7時0分 文春オンライン


「尋常ではない変化が起きた」 ©共同通信社


 常に強気で鳴らしてきたカリスマ経営者、日本電産の永守重信会長(74)に異変が起きている。同じ関西の名門企業であるダイキン工業・井上礼之会長が主催する新年恒例の懇親会。今回、永守氏は急遽出席を辞退したという。


「井上氏が親しい取引先を招いての懇親会で、9歳年上の井上氏を尊敬する永守氏も毎年参加していました。ところが『今回は減収会見直後ということもあるので、遠慮したい』と連絡があったといいます。経営の深刻さを窺わせました」(財界関係者)


 永守氏が緊急会見を開いたのは1月17日夜のこと。京都弁でこうまくし立てた。


「46年間経営やってきて、月単位でこんなに落ち込んだんは初めてや」


 実質無借金経営を続けてきた日本電産。18年4〜9月期も過去最高の純利益を叩き出していたが一転、19年3月期は減収減益になる見通しと発表したのだ。市場の驚きも尋常ではなく、「日本電産ショックで、輸出関連銘柄全般が一時軟調となった」(大手証券幹部)ほど。減収の主因は米中貿易戦争に伴う中国需要の急激な落ち込みだ。



“脱・モーレツ”も重くのしかかる


「日本電産は車載や家電向けモーターで圧倒的な世界シェアを誇りますが、11月の中国での生産は前年同月比で3割も減少しました。これまで決して弱気な発言をしなかった永守氏も『リーマンショックに近いことになる』と漏らしていた。240億円の構造改革費を追加で計上する意向も示しましたが、これも多すぎる中国工場の一部閉鎖とベトナム、ミャンマーへの工場移転が想定されているようです」(同前)


 さらに、日本電産に重くのしかかるのが、“脱・モーレツ”だ。永守氏は「元日の午前中を除き、365日働く」をモットーに掲げ、その強烈なリーダーシップと社員のハードワークで右肩上がりの成長を続けてきた。ところが、その永守氏も時代には逆らえず、2年前に「モーレツの看板はもうあらへん」と宣言。“働き方改革”に年200億円を投じると表明した。


「永守氏自身も昨年6月に社長を退任。51歳の吉本浩之社長に一部業務を託し始めたばかりでした」(同前)


 社員にモーレツを強いることもできない今、創業以来の危機に永守氏の表情は険しい。



(森岡 英樹/週刊文春 2019年2月21日号)

文春オンライン

「会長」をもっと詳しく

「会長」のニュース

トピックス

BIGLOBE
トップへ