サンリオ株が連日のストップ高、その要因は?
2025年2月19日(水)17時16分 財経新聞
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キャラクターグッズ企画・販売大手サンリオの株価が、連日ストップ高を記録するなど、買い気配が続いている。
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14日に発表した2025年3月期の連結純利益予想は、前期の2.3倍となる405億円に修正しており、従来予想も1.5倍上回っている。
発表から株価は約20%上昇(18日終値)し、連日年初来高値を更新している。
国内客のみならず、インバウンドによる国内店舗とテーマパークの客数が大幅に増加しており、主力キャラクター「ハローキティ」周年イベントを背景に、北米や中国のライセンス事業が大きく牽引、売上高増となった。
日本のソフトパワーの象徴とも言えるサンリオの株価上昇は、何を意味するのだろうか?
●グローバル企業になりつつあるサンリオ
サンリオは、山梨県の職員だった辻信太郎氏が1960年に県の外郭団体だった山梨シルクセンターを株式会社化し独立した。当時は東京・日本橋で絹製品の卸売をしていた。
経営危機を乗り越え小売業に進出し、1970年代には米国企業からスヌーピーのライセンスを取得、キャラクター展開を本格化させた。
独自のキャラクター創出を目論んでいたサンリオは、同社に勤務していた20代の女性社員が考案した「ハローキティ」を売り出した。
ハローキティはライセンス供与すると大ヒットし、1976年には売上高500億円を超えた。1990年にはサンリオピューロランドを開園している。
株式投資に失敗し、一時は債務超過寸前に陥ったが、1998年から日本では女子高生の間で、2010年代には欧米でハローキティブームが起き、復活した。
ハローキティだけでなく、シナモロール、マイメロディなどがあり、毎年サンリオキャラクター大賞が注目を集めている。
130の国と地域でキャラクタービジネスが展開されており、レディ・ガガやマライアキャリーなどの海外セレブもサンリオグッズを所持するなど、ファンを公言している。
●上昇の要因にトランプ?内需株に強み
2024年にも上場来高値を記録するなど、好調が続いている。
その要因は、コロナ禍からのテーマパークの需要回復、海外での好調さ、セーラームーンやちいかわなど同業他社とのコラボ、アジアでの鉄道会社やアイドル・ゲームとのコラボなど、複数の要素が挙げられる。
一方で、株価上昇の要因は需要面、決算面だけではないとの指摘もある。
トランプ米大統領の関税発言に一喜一憂する株式市場の中、自動車などの輸出株には手を出しづらい。
トランプ関税とは無縁で、海外事業にも強く、日銀の利上げにも影響を受けにくいサンリオが買われているという見方もある。
賃金の上昇にも恩恵を受けると見られ、現在の相場には打ってつけの銘柄なのかもしれない。