米司法長官、グーグルやFBなど保護の法律を問題視

2月21日(金)12時0分 JBpress

ウィリアム・バー司法長官。写真は2019年1月の指名承認公聴会より(写真:AP/アフロ)

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 ウィリアム・バー米司法長官が、ほぼ四半世紀前に制定されたインターネット企業保護の法律に疑問を呈したと、ロイター通信などが報じている。


ネット企業の免責を認める通信品位法230条

 2月19日に司法省が開催した「通信品位法(CDA)230条」の将来を検討する会合で、米グーグルや米フェイスブック(FB)、米ツイッターなどのネット企業を保護しているこの法律が時代遅れではないかと問題提起したという。

 CDA230条では、問題あるコンテンツをユーザーが投稿しても、プラットフォームを運営する企業は法的責任を問われない。運営企業は、第三者のコンテンツの発行人や発言者として扱われないからだ。

 ただ、ロイターによると、コンテンツが刑法に違反するものであったり、知的財産権を侵害するものであったりする場合、企業は別の法律で責任を問われることになる。


「ネット犯罪やヘイトスピーチを助長」

 しかし、バー司法長官はこのCDA230条が、ネット犯罪やヘイトスピーチ、過激主義コンテンツの蔓延を許していると指摘している。

 CDA230条は1996年に、誕生して間もないテクノロジーを保護する目的で制定された。テクノロジー企業の免責を認めることで、過度の負担を負わせないようにし、事業の成長を促進させるという目的があった。


「米産業界の巨人は保護する必要なし」

 しかし、バー司法長官は次のように述べ、今は状況が異なると指摘した。

 「ほぼ25年がたった今、オンラインプラットフォームは米国人の日常に欠かせないものになった。我々が日々受け取ったり、共有したりする情報の重要な経路としての役割を担っている。テクノロジー企業はもはや、弱々しいスタートアップ企業ではなく、米産業界の巨人だ」

 「こうして様変わりした状況を考えたとき、CDA230条が与えている広範な免責が今も必要なのかという疑問が生じる。少なくとも今ある形でよいのか?」(米司法省の発表資料)

 ロイターの別の記事によると、1996年当時の世界のインターネットユーザー数は3600万人。これが今では約45億人に拡大。コンテンツはYouTubeだけでも、1分間で300時間分の動画が投稿されるなど、増加の一途をたどっているという。


反トラスト法調査の一環

 司法省は昨年7月、グーグル、米アップル、米アマゾン・ドット・コム、フェイスブックのいわゆる「GAFA」などの大手テクノロジー企業に対する反トラスト法(日本の独占禁止法に相当)調査を始めることを明らかにした。同9月にはキサス州など全米50の州・地域の司法長官が反トラスト法違反の疑いでグーグルを調査すると明らかにした。先ごろは州の調査連合と司法省がグーグルの調査で協力体制を敷くと伝えられた。

 バー司法長官によると、今回のCDA230条の見直しに関する検討は、司法省によるテクノロジー大手に対する反トラスト法調査の一環だという。「規模や勢力を増すラットフォーム企業は、消費者の選択肢を狭めている。対抗できる競合が存在しなくなったことも、今ここで、CDA230条の是非を問う理由の1つだ」と同氏は述べている。

 (参考・関連記事)「ユーチューブはどんな違反を犯したのか」

 (参考・関連記事)「グーグルに対する反トラスト法違反調査が大規模に」

筆者:小久保 重信

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