都市では飛ばしにくい「ドローン」、練習は広い敷地の自動車教習所で

2月22日(月)15時25分 読売新聞

ドローンスクールで操縦訓練に取り組む男性(京都市伏見区で)

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 空撮や物流など様々な分野で利用拡大が期待される小型無人機「ドローン」。便利な反面、事故の危険性もあり、人口が集中している地区などでは国の許可や承認なく飛ばすことはできない。京都市中心部もほぼ全域で飛行禁止で、新たなユーザーにとって練習場所の確保が課題となっている。そんな中、民間施設が敷地の一部を開放し、訓練を行うドローンスクールを開設する動きが広がっている。「空の産業革命」を支える現場を取材した。(三味寛弥)

■ライセンス取得

 1月下旬、京都市伏見区の宇治川沿いにある民間ヘリポートで、ドローン操縦の基本的な技術を身に付ける訓練が行われた。インストラクターの指導の下、大阪府島本町の会社員男性(57)は、リモコンを兼ねるスマートフォンを手に、上空から捉えた映像を確認しながらドローンを巧みに操った。

 男性は定年退職後、滋賀県近江八幡市にある実家の農地で野菜栽培を始めるのが夢だ。農薬散布などにドローンを活用したいと考えている。男性は「広い空間でのびのびと練習できた。便利な機能が搭載されており、操作には慣れが必要だが使いこなしたい」と話す。

 訓練を担ったのは「JPD京都ヘリポート」。敷地内のスペースを活用し、2019年1月にスクールを始めた。マンツーマンで航空法などを学ぶ座学、屋内外での操縦訓練を5日間受け、試験に通れば、ライセンスを取得できる。趣味だけでなく、測量など用途に合わせた指導もある。

 このスクールで学んだ京都府宇治市の不動産鑑定士の男性(53)は同年6月からドローンを使った不動産鑑定を始めた。空撮データでより正確な鑑定が可能になった。立ち入り困難な場所の調査ができ、台風や地震による罹災りさい証明の作成などに役立つという。

 男性はドローン鑑定の特許を取得。これまでに全国の同業27社向けにセミナーを実施し、培った技術を伝授している。男性は「技術を応用することで鑑定の新たな可能性を切り開けた」と手応えを語る。

■全国で30校以上

 全国の自動車教習所では広い敷地をいかしてドローンのスクールが開かれている。一般社団法人「全国自動車学校ドローンコンソーシアム」(東京)によると、17年頃から各地で取り組みが広がり、現在は全国で30校以上が実施。教習所での受講料は20万〜27万円といい、少子化や若者の車離れで免許取得者数が減る中、新たな収益源として期待されている。

 京都市左京区の岩倉自動車教習所は17年に室内練習場をオープン、20年からは講習を受け付けている。ドローン担当責任者谷口誠さん(59)は「教習のノウハウをいかして新たなニーズに応えていきたい」と話す。

 国内のドローンビジネスの市場規模は年々増えている。インプレス総合研究所によると、19年度の市場規模は1409億円、25年度には約4・6倍の6427億円に達すると見込まれる。

 全国の230校以上のスクールで資格認定に取り組む一般社団法人「日本UAS産業振興協議会」(東京)は「機体の性能は向上し続けており、産業利用はますます進む。安全を確保して普及を図るには知識と技術を身に付ける場所づくりが重要だ」としている。

     ◇

 政府は2022年度から、ドローンの安全性を確保しつつ、利用拡大を図るための新たな制度を創設する方針だ。国土交通省によると、国による機体の安全性の認証制度と、国が実施する学科と実技の試験で操縦ライセンス制度を導入。現在は認められていない有人地帯での目視外飛行が可能になったり、これまで必要だった許可や承認の手続きが不要になったりする。

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