「1000歩のウォーキング」だけでは足りない…今もピチピチな108歳現役理容師が35年間続けている「体操」の中身

2025年2月26日(水)17時15分 プレジデント社

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Arder_Ho

2021年の東京オリンピックで聖火ランナーを務めた、108歳の現役理容師・箱石シツイさん。健康維持の秘訣は「1日1000歩の散歩と毎朝欠かさない自己流の体操にある」という。70歳を超えてから35年以上続けている体操とは──。

※本稿は、箱石シツイ『108歳の現役理容師おばあちゃん ごきげん暮らしの知恵袋』(宝島社)の一部を再編集したものです。


写真=iStock.com/Arder_Ho
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■どこか人ごとだった東京オリンピック


2021年の東京オリンピック。招致決定は新聞で読んで知ってはいましたけれど、なんというか、どこか人ごとのような感じでしたね。わたしの住んでいる町にはなんの影響もありませんけど、東京とか、会場となるようなところには「世界じゅうから人が来てにぎやかになるんだろうなあ」くらいの、そんな感じでしたね。


それからしばらくした頃、オリンピックには「聖火リレー」というものがあって、そのリレーが全国を回る途中で、栃木県の那須烏山市を通るらしいと知りました。それも新聞で見たか、誰かに聞いたのか、どっちだったでしょうか。那須烏山市はわたしが住む町の隣町です。有名なお祭りもあって、子どもの頃からなじみがあるところです。


それでオリンピックも少し身近なこととして受け止めるようにはなりました。けれども特別関心があったわけでもないですから、いつの間にか忘れていました。


■突然「聖火ランナー」を勧められた


あれは、当初オリンピックが予定されていた前の年、2019年の8月だったでしょうか。町の職員さんが2人で、突然、うちを訪ねてみえたんです。そして「箱石さん、聖火ランナーに応募してみませんか? 今日はそのお願いに来ました」とおっしゃるんですよ。


しばらくは、いったい何のことなのか吞み込めませんでした。そうしたら詳しく説明してくださって。それでわたしの中でやっとつながりました。忘れていましたけど、以前に聞いていた那須烏山市を通る聖火リレーで走る人を公募するらしい。そこに応募した人の中から走る人が選ばれる、と。選ばれるかどうかわからないけれど応募してみませんか、そういうことだったんですね。


「えー、このわたしがですか」って。もう、ただただびっくりしました。驚きで頭がいっぱいになってしまって、うまく言葉が出ないほどでした。考えたこともない、夢にも思わないことです。オリンピック、世界的なスポーツのお祭りとでもいうんでしょうか。そこに関係するなんて、一世一代の大変なことですよね。


■「じゃあ、また出直してきます」


わたし、走れるでしょうか……。いやあ、無理ですよね。荷が重すぎます。たまたま一緒にいた息子は、「これは名誉なことだよ、俺も協力するから応募させていただいたら?」なんて言ってましたけど。


この「聖火ランナー」というのは、あまりにも唐突でしょう? この100歳を超えたおばあちゃんが……。それでね、もちろんお断りしましたよ。「わたしなんかに声をかけてくださって、大変ありがたいですけど、無理です」って。そうしたら職員さん、「そう言わずに」なんて、いろいろおっしゃるんですけど、わたしは首を縦には振れませんでした。


そうしたら「じゃあ、また出直してきます」って。納得してあきらめたわけではなかったんですね(笑)。でも、とにかくお帰りになったからホッとしました。人生おもしろいですね、こんな申し出をいただくなんて。その夜、寝る前に昼間のことを思い出して、ひとり笑ってしまいました。


■3日後、町長が突然家にやってきた


そんなことがあった3日後、また我が家に来客がありました。ドアを開けて入ってきた人の顔を見て、わたしはまたびっくりしました。なんと立っておられたのは、わたしが住む那珂川町の町長さんの福島泰夫さんでした。


「箱石さん、ぜひ聖火ランナーに応募してください! 箱石さんは町の誉れですから!」なんておっしゃって。わたしが聖火ランナーに応募することが「この町のためになる」って熱心に説明していただいて、それで、あとに引けなくなった、というのが本当のところです。まずは応募の手続きをしてくださるということになりましたけど、そのときはまだピンと来てなかったですね。


狐につままれているようなね、何がなんだかわからないまま流れに乗ってしまいました。応募して当選したら、この続きはまたそのときに考えることにいたしましょう、という感じでした。あまりにも大きなことで、どう心構えをしたらいいのかさえよくわからなかったというのが、正直なところだったんです。


■聖火ランナーに選ばれ、トレーニングを開始


コロナ禍で2020年の東京オリンピックは延期になってしまいましたけれど、2020年9月に記者発表があって、わたしは2021年の3月28日に、那須烏山市を走ることが確定しました。それを伝えに来てくださった福島町長さんに、「一生懸命がんばらせていただきます」と言いました。


じつは、聖火ランナーに決まってから、ひそかにトレーニングを始めていたんですよ。それまでは、自己流の体操と1000歩の散歩が健康維持のための習慣でしたが、それに加えて、毎日足首に1.5キロの重りを付けてベッドに座ったり寝たりして、膝から下を上げ下げする運動を始めました。それから、晴れた日には息子に付き添ってもらって、道路を約2キロ、少し速足で歩く。ふくらはぎなど両足の筋肉作りに努めていました。


写真=iStock.com/Marcus Chung
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Marcus Chung

■ここまで来たら、やりきるしかない


本番が近づくにつれ、「テレビや新聞で見た」と言って、「写真を撮らせてほしい」と申し出てくださる方がいたり、全国各地から励ましのお便りも届くようになりました。こんなにもたくさんのみなさんに応援していただいているんですから、「その期待に応えないと」と、毎日、武者震いするような気持ちでいましたね。「つまずいたり、シューズの紐がほどけて転んだりしないだろうか」、そんな考えが頭に浮かぶと疲れている証拠。打ち消すように早めにベッドに入って眠るようにしました。


聖火ランナー当日は、雨が降っていました。わたしが走り始める時間は19時35分。もちろん緊張しました。昼間より雨風も強まっているように感じましたけれど、ここまで来たら、もうやりきるしかありませんからね。スタートしたら暗い中を慎重に進みました。


あれこれ考えず、みなさんの邪魔にならないように、言われるがままに動いて。息子が付き添いとしてそばにいてくれたのが心強かったです。


■トーチは身長の約半分


ほんの200メートル、「走る」というより、どちらかというと「歩いた」と言ったほうが近いかもしれないですね(笑)。なかなか強い雨でね、頰やまぶたに当たって痛いくらいでした。進みながら、聖火が気がかりでした。雨がかかって消えてしまったらどうしようと思って心配でした。前もって「そうそう消えないようにできてますから安心してください」と言われていましたけれど、それでも、やっぱり心配でした。



箱石シツイ『108歳の現役理容師おばあちゃん ごきげん暮らしの知恵袋』(宝島社)

トーチが、想像していたよりもずっと重かったんですよ。長さが71センチだそうです。わたしの身長の半分以上のものを掲げて進む……ということになったわけです。これはとても大変でした。膝や足腰を重点的にトレーニングしてきましたけれど、腕力など手首も鍛えておくべきでした……。わたしは理容師ですから、ハサミより重たいものは持たないんですよね。


沿道やセレモニーには、町の方々や応援のみなさんがたくさん駆けつけてくださいました。「がんばったねー」「お疲れさまー」と、自分のことのように喜んでくださってね、そのお顔を見てたときに「ああ、やってよかったなあ」という気持ちが込み上げてきました。考えもしなかった大きな出来事でしたけれど、病気にもならずケガもせずにやりきることができて、とにかくホッとしました。


■「無理かもしれない」と思った時期もあった


身体の問題ではなく心の問題として、「聖火ランナーは無理かもしれない」と思った時期がありました。


ストレスでしょうか、プレッシャーというんでしょうか、考えれば考えるほど「荷の重さ」を実感するようになりまして……。「大丈夫かなあ」「本当にわたしで役は果たせるのかな」と、不安で眠れない夜もあったんですよ。


聖火ランナーが発表されると、最高齢ということでテレビに取り上げていただいたりしたことで、全国から励ましのお手紙が届くようになったりしました。それで「みなさんの期待に応えられるかな。いや、応えなければならない」と、自問自答が続きました。息子にだけは「無理かもしれない」と弱音を吐きましたが、「気楽に構えていようよ、なるようになるよ。大丈夫だよ」と励ましてくれました。それで、かろうじて毎日の自己流体操と散歩は続けていました。


■「誰かのため」と思えば力が湧いてくる


思えば、不安で気持ちが乱されるなんて、わたしらしくないんです。これまで何ごとも、根気と努力で乗り越えてきたというのに……。ことの大きさに自分を見失っていたんですね。それで、この聖火ランナーという特別なことを、「息子への最後の子ども孝行」と考えるようにしました。


そうすると不思議なものでね、「自分のため」だと、思い詰めて縮こまってしまうのですが、「誰かのため」と思えば出ない力も湧いてくるのです。


聖火ランナーの付き添いとして、本番では息子も一緒に走ることが決まっていましたから。このイベントは、これまでわたしや店を助けて支えてくれた英ちゃんへのお礼で、二人三脚の花道でもある、そう思いました。それでなんとかやり遂げることができました。


■シツイさんが35年以上続けている「毎日体操」


シツイさんは、70歳を過ぎてからは、もう35年以上毎日欠かさず、朝目覚めたらまず、この30項目の体操をしています。


【座ったままで】

身体の声を聞きながら、首、肩、腕など、起きてすぐで固まっていそうなところを動かす。


1.下を向いて首筋の後ろを伸ばす。上を向いて首筋の前を伸ばす。


【図版1】下を向いて首筋の後ろを伸ばす(左)。上を向いて首筋の前を伸ばす(右)。[出所=『108歳の現役理容師おばあちゃん』(宝島社)/撮影=栗栖誠紀]

2.頭を右に倒して左側の首筋を伸ばす。頭を左に倒して右側の首筋を伸ばす。


【図版2】頭を右に倒して左側の首筋を伸ばす(左)。頭を左に倒して右側の首筋を伸ばす(右)。[出所=『108歳の現役理容師おばあちゃん』(宝島社)/撮影=栗栖誠紀]

3.右を向いて左側の首筋を伸ばす。左を向いて右側の首筋を伸ばす。


【図版3】右を向いて左側の首筋を伸ばす(左)。左を向いて右側の首筋を伸ばす(右)。[出所=『108歳の現役理容師おばあちゃん』(宝島社)/撮影=栗栖誠紀]

4.首を大きくゆっくり回す。時計回り10回、その逆も10回。


【図版4】首を大きくゆっくり回す。時計回り10回、その逆も10回。[出所=『108歳の現役理容師おばあちゃん』(宝島社)/撮影=栗栖誠紀]

5.眉に沿った上の部分を中指で弧を描きながら押す。「眉頭」から「眉尻」に向かって。


【図版5】眉に沿った上の部分を中指で弧を描きながら押す。「眉頭」から「眉尻」に向かって。[出所=『108歳の現役理容師おばあちゃん』(宝島社)/撮影=栗栖誠紀]

6.耳たぶを揉んでからグーッと引っ張る。少し痛いと感じるくらいまで。


【図版6】耳たぶを揉んでからグーッと引っ張る。少し痛いと感じるくらいまで。[出所=『108歳の現役理容師おばあちゃん』(宝島社)/撮影=栗栖誠紀]

7.首の後ろ「盆の窪」を親指で押す。ほぐすイメージで。疲れていると硬くなっている。


【図版7】首の後ろ「盆の窪」を親指で押す。ほぐすイメージで。疲れていると硬くなっている。[出所=『108歳の現役理容師おばあちゃん』(宝島社)/撮影=栗栖誠紀]

8.腕の力を抜いて肩を上下に動かす。その流れから、肩甲骨を寄せるイメージで胸を張ったり戻したり。


【図版8】腕の力を抜いて肩を上下に動かす。その流れから、肩甲骨を寄せるイメージで胸を張ったり戻したり。[出所=『108歳の現役理容師おばあちゃん』(宝島社)/撮影=栗栖誠紀]

9.肩をぐるぐるとゆっくり回す。前に10回、後ろに10回。


【図版9】肩をぐるぐるとゆっくり回す。前に10回、後ろに10回。[出所=『108歳の現役理容師おばあちゃん』(宝島社)/撮影=栗栖誠紀]

10.息を吸いながら両腕を広げて胸を開く。息を吐きながら腕をクロス。


【図版10】息を吸いながら両腕を広げて胸を開く(左)。息を吐きながら腕をクロス(右)。[出所=『108歳の現役理容師おばあちゃん』(宝島社)/撮影=栗栖誠紀]

■シツイさんの「毎日体操」11〜21番


11.背中を伸ばして天を仰ぐ。


【図版11】背中を伸ばして天を仰ぐ。[出所=『108歳の現役理容師おばあちゃん』(宝島社)/撮影=栗栖誠紀]

12.11の流れで両腕を上げる。


【図版12】11の流れで両腕を上げる。[出所=『108歳の現役理容師おばあちゃん』(宝島社)/撮影=栗栖誠紀]

13.腰を勢いよく横にシュッシュッと捻る。右向き左向き、それぞれに。


【図版13】腰を勢いよく横にシュッシュッと捻る。右向き左向き、それぞれに。[出所=『108歳の現役理容師おばあちゃん』(宝島社)/撮影=栗栖誠紀]

14.両手を組んでひっくり返しそのまま上へ。上半身で背伸びをするイメージ。


【図版14】両手を組んでひっくり返しそのまま上へ。上半身で背伸びをするイメージ。[出所=『108歳の現役理容師おばあちゃん』(宝島社)/撮影=栗栖誠紀]

15.指のマッサージ。付け根から爪に向かいゆっくり押しながらほぐす。指の関節もていねいにぐりぐり。爪もぐっぐっと押してから、キュッと引っ張って離す。指1本ずつ、10本すべて。


【図版15】指のマッサージ。付け根から爪に向かいゆっくり押しながらほぐす。指の関節もていねいにぐりぐり。爪もぐっぐっと押してから、キュッと引っ張って離す。指1本ずつ、10本すべて。[出所=『108歳の現役理容師おばあちゃん』(宝島社)/撮影=栗栖誠紀]

16.指を組み、指や手のひらに力が入るかチェック。


【図版16】指を組み、指や手のひらに力が入るかチェック。[出所=『108歳の現役理容師おばあちゃん』(宝島社)/撮影=栗栖誠紀]

17.両手を組んでひっくり返し前に押すように伸ばす。そのまま、上に引っ張られるように伸ばす。


【図版17】両手を組んでひっくり返し前に押すように伸ばす(左)。そのまま、上に引っ張られるように伸ばす(右)。[出所=『108歳の現役理容師おばあちゃん』(宝島社)/撮影=栗栖誠紀]

18.口内で舌をぐるりぐるりと動かす。唇の裏をなぞるように動かす。頰の裏を伸ばすように舌を上下させる。


【図版18】口内で舌をぐるりぐるりと動かす。唇の裏をなぞるように動かす。頰の裏を伸ばすように舌を上下させる。[出所=『108歳の現役理容師おばあちゃん』(宝島社)/撮影=栗栖誠紀]

19.耳の後ろのくぼみ「翳風(えいふう)」のツボを力を入れてゆっくり押す。


【図版19】耳の後ろのくぼみ「翳風」のツボを力を入れてゆっくり押す。[出所=『108歳の現役理容師おばあちゃん』(宝島社)/撮影=栗栖誠紀]

20.指や手のひら全体を使って頭をマッサージ。指先に力を込めておでこを押す。眉から上へ、髪の生え際に向かって。


【図版20】指や手のひら全体を使って頭をマッサージ。指先に力を込めておでこを押す。眉から上へ、髪の生え際に向かって。[出所=『108歳の現役理容師おばあちゃん』(宝島社)/撮影=栗栖誠紀]

21.両腕を上に伸ばして深呼吸。


【図版21】両腕を上に伸ばして深呼吸。[出所=『108歳の現役理容師おばあちゃん』(宝島社)/撮影=栗栖誠紀]

■次はベッドで体操


【ベッドで】

足首や膝の調子を、さわったり動かしたりして確認。


22.ベッドに座り、足首に重りを付けて、膝を曲げて足を上げる・下ろす。


【図版22】ベッドに座り、足首に重りを付けて、膝を曲げて足を上げる・下ろす。[出所=『108歳の現役理容師おばあちゃん』(宝島社)/撮影=栗栖誠紀]

23.ベッドにうつ伏せになり、足首に重りを付けて、膝を曲げて足を上げる・下ろす。


【図版23】ベッドにうつ伏せになり、足首に重りを付けて、膝を曲げて足を上げる・下ろす。[出所=『108歳の現役理容師おばあちゃん』(宝島社)/撮影=栗栖誠紀]

24.膝の周りを親指で押しながらマッサージ。「足三里(あしさんり)」のあたりも。(*膝のお皿の下にある外側のくぼみから5センチほど下のツボ)


【図版24】膝の周りを親指で押しながらマッサージ(左)。「足三里」のあたりも(右)。[出所=『108歳の現役理容師おばあちゃん』(宝島社)/撮影=栗栖誠紀]

25.足首を回しながらその周辺をマッサージ。


【図版25】足首を回しながらその周辺をマッサージ。[出所=『108歳の現役理容師おばあちゃん』(宝島社)/撮影=栗栖誠紀]

26.足の甲や裏など全体をゆっくりマッサージ。指も1本ずつ、付け根から爪に向かってゆっくりほぐすように。関節もていねいに。爪はぐっぐっと押してから、キュッと引っ張って離す。指1本ずつ、10本すべて。


【図版26】足の甲や裏など全体をゆっくりマッサージ。指も1本ずつ、付け根から爪に向かってゆっくりほぐすように。関節もていねいに。爪はぐっぐっと押してから、キュッと引っ張って離す。[出所=『108歳の現役理容師おばあちゃん』/撮影=栗栖誠紀]

■仕上げは立って体操


【立って】

どこかにつかまって直立し、目線は正面に。


27.前に足上げ。膝を曲げてから足を伸ばす。片足ずつ左右とも。


【図版27】前に足上げ。膝を曲げてから足を伸ばす。片足ずつ左右とも。[出所=『108歳の現役理容師おばあちゃん』(宝島社)/撮影=栗栖誠紀]

28.後ろに足上げ。膝を曲げてから足を伸ばす。片足ずつ左右とも。


【図版28】後ろに足上げ。膝を曲げてから足を伸ばす。片足ずつ左右とも。[出所=『108歳の現役理容師おばあちゃん』(宝島社)/撮影=栗栖誠紀]

29.かかと上げ。バランスを崩さないように。


【図版29】かかと上げ。バランスを崩さないように。[出所=『108歳の現役理容師おばあちゃん』(宝島社)/撮影=栗栖誠紀]

30.つま先上げ。ふくらはぎを伸ばすように。


【図版30】つま先上げ。ふくらはぎを伸ばすように。[出所=『108歳の現役理容師おばあちゃん』(宝島社)/撮影=栗栖誠紀]

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箱石 シツイ(はこいし・しつい)
理容師
1916年(大正5年)生まれの108歳。理容師生活94年目の2023年、米国のリサーチ会社から世界最高齢の現役理容師に認定される。栃木県那須郡大内村で農家の5人きょうだいの4番目として生まれる。12歳で奉公に出て、14歳で上京。理髪店で働きながら理容師資格を取得。1939年、22歳のときに結婚し、東京・下落合に理髪店を開業。2児をもうけるも、長女は脳性麻痺に。1944年、夫の二郎さんが軍隊に召集され、旧満州で戦死。その報せが届いたのは終戦から8年後だった。実家に疎開の相談に行った夜に空襲で理髪店は焼失。その後、2人の子どもを抱え故郷の栃木県那須郡那珂川町に戻り、1953年に「理容ハコイシ」を開業、70年以上営業を続けている。102歳までひとり暮らしで身の回りのことはすべて自分でこなした。常連のお客さんが来れば今でも店に出る。2021年の東京五輪では息子と二人三脚で聖火ランナーを務めた。2024年11月10日に108歳を迎え、「世界最高齢の現役理容師」のギネス世界記録を申請中。
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(理容師 箱石 シツイ)

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