CGD、100億ドル以上のEVインバータ市場の100KW超アプリケーションに対応する画期的なGAN技術を発表
2025年3月11日(火)12時17分 PR TIMES
エネルギー効率の高いGaNベースのパワー・デバイスを開発し、環境に優しいエレクトロニクスを実現するファブレスのクリーンテック半導体企業であるCambridge GaN Devices(CGD)は市場規模が100億ドル以上とされる100kW超のEVパワートレイン・アプリケーションに対応するICeGaN(R)窒化ガリウム(GaN)ソリューションの詳細を発表しました。Combo ICeGaN(R)はスマートICeGaN HEMT ICとIGBT(絶縁ゲート型バイポーラ・トランジスタ)を同一のモジュールまたはIPMに組み合わせて効率を最大限に高め、高コストなシリコン・カーバイド(SiC)ソリューションの代替となるコスト効率の高いソリューションです。
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Giorgia Longobardi博士 | 創業者 兼 CEO、CGD
「今日、EVパワートレイン用のインバータには、低コストだが低負荷時の効率が低いIGBTか、効率が非常に高くコストも高いSiCデバイスのいずれかが使われています。CGDの新しいICeGaNコンボはGaNとシリコン技術の両方の長所を巧みに組み合わせ、低コスト化と最高レベルの効率を達成し、充電の高速化と航続距離の延長を実現する、EV業界にとって画期的なソリューションです。すでにTier 1の自動車EVメーカーやそのサプライ・チェーン・パートナーと協力し、この新しい技術を市場に投入しています」
CGD独自のCombo ICeGaN技術は、ICeGaNデバイスとIGBTデバイスが同様の駆動電圧範囲(例えば0〜20V)と堅牢性が優れたゲートを持つ並列アーキテクチャで動作可能であるという点を利用しています。動作時、比較的低い電流(低負荷)では導通が低く、スイッチング損失も少ないICeGaNスイッチが非常に効率的ですが、比較的高い電流(最大負荷時またはサージ状態)ではIGBTが支配的になります。また、Combo ICeGaNはIGBTの高い飽和電流とアバランシェ・クランピング能力、ICeGaNの非常に効率的なスイッチング能力を併せ持っています。温度が上昇すると、IGBTのバイポーラ部品が低いオン電圧で導通し始め、ICeGaNの電流損失を補います。反対に、温度が低くなると、ICeGaNは流せる電流が増えます。Combo ICeGaNには感知機能と保護機能が搭載されており、デバイスを最適に駆動するようインテリジェントにコントロールし、ICeGaN部品とIGBT部品の両方の安全動作領域(SOA)を強化します。
ICeGaN技術を導入することにより、EVエンジニアはDC/DCコンバータ、オンボード充電器、そして場合によってはトラクション・インバータでGaNの利点を活かすことができます。Combo ICeGaNを採用すれば、規模の大きい100kW超のトラクション・インバータ市場でもCGDのGaN技術の利点を享受できることになります。ICeGaN ICは非常に堅牢であることが実証済みであり、IGBTはトラクションとEVのアプリケーションにおいて長年の実績があります。同様の、ICeGaNデバイスとSiC MOSFETを並列に組み合わせるCGD独自のソリューションも定評を得ていますが、Combo ICeGaN(詳細はIEDMで発表された論文(https://ieeexplore.ieee.org/abstract/document/10873403)に記載)は、それよりもはるかに経済的なソリューションです。CGDでは今年末にはCombo ICeGaNが実働するデモを実施する見込みです。
Florin Udrea教授 | 創業者 兼 CTO、CGD
「30年の長きにわたってパワー・デバイスの分野に従事してきましたが、これほど見事に補完し合う技術の融合は見たことがありません。ICeGaNは極めて高速に動作し、低負荷時に突出した性能を発揮する一方、IGBTは最大負荷時、サージ状態、高温条件下で大きな利点があります。ICeGaNにはオンチップで高度な処理能力が、IGBTにはアバランシェ耐性があります。どちらもシリコン基板を使用しており、コスト、インフラ、製造面で優れています」
CGDはAPEC(Applied Power Electronics Conference and Exposition)に出展します。Combo ICeGaNの詳細についてはGeorgia World Congress Center(所在地:米国ジョージア州アトランタ、会期:2025年3月16日〜20日)のブース2039にお越しください。
Cambridge GaN Devicesについて
Cambridge GaN Devices(CGD)はエネルギー効率と小型化において飛躍的な進化をもたらすGaNトランジスタとICを設計、開発、販売している企業です。CGDはエネルギー効率の高いGaNソリューションを提供することで、日常生活にイノベーションをもたらすというミッションを掲げています。CGDはICeGaN(TM)テクノロジーが大量生産に適していることを実績によって示しており、製造パートナーシップと顧客パートナーシップを急速に拡大しています。ファブレス企業のCGDはケンブリッジ大学からスピンアウトした企業です。創業者兼CEOのGiorgia Longobardi博士とCTOのFlorin Udrea教授は同大学の世界的に有名なHigh Voltage Microelectronics and Sensors(HVMS)グループと強い結びつきを持っています。CGDのICeGaN HEMTテクノロジーはイノベーションへのコミットメントで獲得した継続的に拡大する強力なIPポートフォリオによって保護されています。CGDチームが持つ技術的、商業的な専門知識とパワーエレクトロニクス市場での豊富な実績は同社の独自技術が市場で受け入れられる基盤になっています。