宇宙輸送(ロケット等)分野における包括連携協定を締結
2025年3月11日(火)11時16分 PR TIMES
旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:工藤 幸四郎、以下「旭化成」)と将来宇宙輸送システム株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:畑田 康二郎、以下「ISC」)は、昨年12月に、次世代宇宙輸送システムの実現に向けた活動を推進すべく、包括連携協定を締結しましたことをお知らせします。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/79452/176/79452-176-022b8398526eb8d478d1b0bf4117454b-3900x2600.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]左から、旭化成株式会社/山岸 秀之、将来宇宙輸送システム株式会社/畑田 康二郎
1.背景
近年、宇宙を活用した通信やデータ活用サービス等の需要拡大に伴い、人工衛星などを輸送するロケットの需要は世界的に高まっています。しかし、高まる需要に対して、国内のロケット供給・打ち上げ能力は不足しており、特に民間の国産ロケット開発は急務の課題です。
旭化成は、固体燃料を用いた推進システムの設計、製造や評価技術に関するノウハウならびに施設・設備を保有しています。こうした保有技術と施設等を宇宙輸送分野に新たに展開し、上記課題を解決すべく、2025年より宇宙輸送にかかる事業・サービスの検討・検証を開始しました。
ISCは、「毎日、人や貨物が届けられる世界。そんな当たり前を、宇宙でも。」というビジョンを掲げ、宇宙往還を可能とする次世代輸送システムの実現を目指すスタートアップ企業です。2028年3月までに人工衛星打ち上げ用ロケットを開発することを目標とし、文部科学省のSBIRフェーズ3事業※2にも採択されています。
このたび推進システムに関する知見、施設・設備を有する旭化成と、革新的な宇宙輸送の実用化を目指すISCが連携することで、次世代宇宙輸送システムの早期実現を加速できると判断し、包括連携協定を締結するに至りました。
2.包括連携協定の概要
旭化成とISCは以下の事項について連携および協力を進めてまいります。
(1) 旭化成の施設・設備を利用したロケットエンジン開発
ISCが実現を目指す宇宙輸送システムに必要となるロケットエンジンの開発に関して、旭化成が保有する推進システム製造技術・評価施設(滋賀県・高島市)を活用した試験および検討を実施します。すでに2025年1月にISCのロケットエンジン開発にかかる初回試験を実施しました。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/79452/176/79452-176-8b6b896ed5e218e6a30b42b203a2cb82-594x446.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]旭化成あいばの試験所(滋賀県・高島市)での試験[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/79452/176/79452-176-e82acfdf333728255a22582798eef707-590x443.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
(2) その他の技術協力の可能性検討
次世代宇宙輸送システムの実現に向け、ロケットエンジン開発以外の分野においても、両社の技術を融合させる協力の可能性を検討します。
3.各社コメント
旭化成 専務執行役員 兼 ライフイノベーション事業本部長 山岸 秀之
「旭化成は、長年培ってきた推進システムの技術や評価ノウハウを、これからの宇宙輸送領域に広く応用し、新しい価値を創造していきたいと考えています。このたびのISC社との協業により、信頼性・コストなど厳しい要件に対応する宇宙輸送ソリューション開発を一層加速できることをたいへん嬉しく思います。今後も多様な宇宙関連事業のパートナーとの連携を強化し、革新的な技術とサービスの提供を通じて宇宙輸送産業の発展に貢献してまいります。」
将来宇宙輸送システム株式会社 代表取締役社長 畑田 康二郎
「当社は2022年5月創業のベンチャー企業ながら、現在、日本国内で40を超える企業・団体・研究機関と連携を行っています。早期に再使用型ロケットによる高頻度宇宙輸送を実現するためには、実績のある企業との連携が鍵となります。当社は最先端の知見を有するパートナー企業と連携して謙虚に学び、開発速度を飛躍的に向上させ、世界で戦える宇宙輸送技術を確立して日本の宇宙産業を成長させます!」
※1 推進システム:ロケットや宇宙船のような物体を前進させるための動力装置。燃料を燃焼させ、発生した高温・高圧のガスを後方に噴射することで推進力を生み出す。主に液体燃料、固体燃料、またはその両方を組み合わせたハイブリッド方式があり、それぞれ特性や用途が異なる。
※2 SBIRフェーズ3基金:SBIR(Small Business Innovation Research)制度は、スタートアップ等が行う研究開発を支援し、その成果を社会実装へとつなげることで我が国のイノベーション創出を促進する制度。令和4年度第2次補正予算で新設されたフェーズ3(特別枠)は、スタートアップの優れた技術を早期に社会実装へと導くため、国主導の下で内閣府とフェーズ3基金事業を実施する各省(文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省)が共同してその成果の円滑な社会実装を支援する基金事業。詳細についてはこちら(https://sbir.csti-startup-policy.go.jp/phase3fund)
■将来宇宙輸送システム株式会社HPはこちら(https://innovative-space-carrier.co.jp/)