ぼくは将来、ちゃんとした大人になれないのだろうか――。文研出版より『この手はいつか』を発売!
株式会社新興出版社啓林館(本社:大阪市、代表取締役社長:佐藤諭史)は、児童書の「文研出版」ブランドで『この手はいつか』(ステップノベル)を、本日より全国の書店で発売いたします。
あらすじ
心の中で一気に燃え上がった炎を抑えることができず、クラスメイトを殴ってしまった真潮。担任の先生は真潮の母に、その原因が母親の愛情不足にあると諭した。
1学期の終業式の日、夜まで仕事で帰らない母を待つ真潮は熱中症になってしまう。目覚めた病院には、母ではなく、長年会っていなかった祖父の姿があった。
「母は仕事の研修で大阪にいる。そのうち帰ってくる」。祖父の言葉を嘘だろうと思いつつも、従うしかない真潮は、萩焼の窯元である山口県萩市の祖父の家で夏休みを過ごすことになって—。
編集者より
朝日小学生新聞で、2024年7月〜9月に連載された作品を単行本化。
「人の肌によく似ている」「強い炎で焼かれるほど味わい深いものになる」そんな萩焼の特性を生かし、綿密な構成でつくり上げた1冊です。
思わずカッとなってしまう、怒りをなかなか収めることができない…真潮の気持ちに思いあたる人も多いのではないでしょうか。だからこそ、「何かを創り出すとき、怒りは形に変えられる」「心の中で強い炎が上がるほど、味わい深い人間になっていく」そんな陶芸家の祖父の言葉は、きっと多くの読者の胸に響くことでしょう。
著者
中山聖子・作家
山口県に生まれる。「夏への帰り道」(のち『三人だけの山村留学』として学習研究社にて刊行)で小川未明文学賞大賞、「チョコミント」(のち学習研究社にて刊行)でさきがけ文学賞、「コスモス」(のち『奇跡の犬 コスモスにありがとう』として角川学芸出版にて刊行)で角川学芸児童文学賞、『雷のあとに』(文研出版)で日本児童文芸家協会賞を受賞する。ほかの作品に、『ツチノコ温泉にようこそ』(福音館書店)、『再会の日に』(岩崎書店)、「べんり屋、寺岡」シリーズ(文研出版)など。日本児童文芸家協会・日本児童文学者協会会員。
保光敏将・画家
広島県に生まれる。千代田工科芸術専門学校漫画科卒業。コンピューターソフト制作会社勤務を経て、フリーのイラストレーターとなる。2006年頃より木版画、ドローイングで、書籍の装画や挿絵などを中心に活動中。児童書に『ツチノコ温泉にようこそ』(中山聖子/福音館書店)、書籍装画に『龍ノ眼』(麻宮好/祥伝社)、『植物学者の散歩道』(舘野正樹/閑人堂)、『本を読む 3000冊の書評を背景に』(中沢孝夫著/草思社)、『頁をめくる音で息をする』(藤井基二/本の雑誌社)、『文豪たちが書いた関東大震災』(石井正巳/NHK出版)などがある。
商品情報
『この手はいつか』
シリーズ:文研ステップノベル
対象:小学校高学年以上
判型:四六
本体価格:1650円(本体1500円+税10%)
ISBN:978-4-580-82669-4
HP:https://www.shinko-keirin.co.jp/bunken/