高止まりするスマートフォンOSへの忠誠度

3月15日(木)6時0分 JBpress

米カリフォルニア州にあるグーグルの本社に掲げられたロゴ(2016年11月4日撮影)。(c)AFP/JOSH EDELSON〔AFPBB News〕

 米国の市場調査会社CIRP(コンシューマー・インテリジェンス・リサーチ・パートナーズ)がこのほどまとめた、スマートフォンOS(基本ソフト)への忠誠度に関する調査(PDF書類)によると、同国では、米アップルの「iOS」よりも、米グーグルの「Android」を利用するユーザーの方が、同じOSを使い続ける人が多いのだという。


忠誠度はAndroidがiOSを上回るが・・・

 昨年(2017年)12月に行ったアンケートでは、過去1年間にスマートフォンを買い替えた人のうち、自身の前のモデルと同じOSを選んだという人は、Android利用者で91%、iOS利用者で86%いた。

 CIRPはこの調査を継続して行っている。これまでの調査結果を見ると、2016年1月から2017年12月までの期間における忠誠度比率は、Androidが89〜91%の範囲、iOSが85〜88%の範囲で推移している。

 米オールシングスDの過去の記事を見ると、この比率は2012〜2013年時点ではiOSの方が高かった。しかし、2014年にAndroidが急上昇し、その後一貫してAndroidがiOSを上回っている。

 その理由の1つとしてCIRPは、Androidには利点があると指摘する。OSやアプリといった使用環境を変えることなく、さまざまなメーカーのさまざまな機種に乗り換えることが可能だからだという。


なぜ、同じOSを使い続けるのか?

 ただ、いずれにしても、両OSに対する忠誠度は、かつてないほどの高いレベルに達し、近年は安定していると同社は指摘している。

 この市場には、かつて、米マイクロソフトやカナダ・ブラックベリーなどのOSがあった。しかし、今はAndroidとiOSが市場を支配している。

 こうした中、両OSで利用できるアプリ、音楽、動画といったサービス、使い勝手などには、かつてのような違いが見られなくなってきた。

 つまり、利用者には、別のOSに切り替える動機づけがない。これまでアプリなどに投じてきたお金を無駄にするのも、もったいない。こうした理由から、利用者は同じOSを使い続けるのだという。


技術革新の鈍化は市場成長の鈍化

 ただし、この状況はアップルやグーグルにとって決して良いことはない。スマートフォンについては、そのハードウエアの技術革新ペースが近年、鈍化してきたと指摘されている。

 今回のCIRPのレポートを見ると、OSなどのソフトウエアについても、同じことが起きていると言えそうだ。

 これに伴い、スマートフォンの買い替え周期は、今後さらに長期化していくことが予想される。米IDCによると、昨年(2017年)1年間の世界スマートフォン出荷台数は、前年から0.5%減少した。こうして出荷台数が前年実績を下回るのは、同社が統計を取り始めて以来初めてのこと。

(参考・関連記事)「ついにこの時が来た。スマホの年間出荷台数、初の減少」

 アップルとグーグルは、この状況をどう打開できるのか。アップルは、最近、サービス事業の拡大を図っているが、その理由の1つには、こうしたスマートフォンを取り巻く市場環境の変化があるのかもしれない。

(参考・関連記事)「アップル、今度は雑誌の読み放題アプリを買収」

筆者:小久保 重信

JBpress

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