アマゾンが米国で始めた「曜日指定配達」とは?

3月15日(金)12時0分 JBpress

米インターネット通販大手アマゾン・ドットコムのジェフ・ベゾス最高経営責任者(2018年9月19日撮影、資料写真)。(c)Jim WATSON / AFP 〔AFPBB News〕

 米アマゾン・ドットコムは先ごろ、有料プログラム「Prime」の会員が、eコマース商品の定期的な配達曜日を指定できる「Amazon Day」というサービスを米国で始めたと発表した。


何度注文しても、配達はまとめて週1回

 これまでは、米国の一部のPrime会員を対象に試験サービスを行っていたが、今後は、同国の全会員に提供する。これにより、顧客は、複数回にわたって注文したさまざまな商品を、特定の曜日にまとめて受け取れるようになる。つまり、荷物がいつ届くかを把握できる。また、商品は、できるだけ少ない梱包にまとめられる。段ボール箱のリサイクルにかかる手間が省けると、アマゾンは説明している。

 アマゾンは、同社の物流事業で「ゼロカーボン」(二酸化炭素の排出量を実質ゼロにする)を目指す「シップメント・ゼロ(Shipment Zero)」というプロジェクトを立ち上げており、2030年までに、その50%を達成するという目標を掲げている。新たなPime会員向け配達サービスは、このプロジェクトの一環でもあるという。

 「Amazon Day」の仕組みは、次のようになる。

 例えば、顧客が自分の「Amazon Day」を、金曜日に指定する。すると、その2日前(この場合、水曜日)までに注文した商品は、すべて金曜日に配達される。

 その際、アマゾンはできるだけ、金曜日の配達を1回にまとめるよう努力するという。そして、その後の注文も、設定を変えない限り、毎週金曜日に届く。また、Primeの特典である追加料金なしの急ぎ便サービスも、これまで同様に利用できる。これらの操作は、注文確定画面で指定するだけでよく、簡単だという。

 ここで、日本と米国とでは、宅配事情が異なる点を確認しておく。

 米国では不在時の再配達は行わず、荷物を玄関の外に置いていくのが一般で、日本とは異なる文化だと言われている。しかし、最近は荷物の盗難が増えており、eコマースが普及してきた今、社会問題になりつつある。

 そうした中、利用者本人、あるいは家族が、必ず家にいる曜日を指定できるのであれば、こうした問題は回避できる。また、必要な買い物を思いついた際、その都度注文しても、1度にまとめて受け取れるのであれば、応対の手間が省け、段ボールも減らせる。


さまざまな不在時配達

 アマゾンは、このほかにもさまざな配達方法を考案しており、顧客の利便性向上を図っている。こうした同社の「配達戦略」が興味深い。

 先ごろは、顧客が不在時に、荷物を顧客宅のガレージ内に配達するというサービスを、米国で今年4月以降に始めると発表した。

 また、配達ドライバーが、顧客宅内の玄関ドアを解錠し、ドア内側付近に荷物を置いた後、施錠して帰るというサービスを2017年10月から始めている。

 後者は、玄関ドアに取り付ける専用のスマート電子錠や、宅内のドア付近に設置する専用セキュリティカメラなどを組み合わせて、安全性を確保している。

 (参考・関連記事)「アマゾン、ITを利用し、安全な不在時配達を徹底追求」


物流コストの削減も狙う

 一方で、こうした施策は、物流コストの削減にもつながっていると指摘されている。

 例えば、今回のAmazon Dayについて報じている、米フォーチュン誌の記事は、Prime会員向け配達サービスでアマゾンに重くのしかかっているコストが、大幅に削減できる可能性があると伝えている。

 確かに、アマゾンの決算資料を見ると、その物流コストは、この10年ほど、右肩上がりで推移している。昨年(2018年)は、物流施設と輸送にかかった費用が、617億ドル(約6兆8900億円)に上った(ドイツ・スタティスタのインフォグラフィックス)。

筆者:小久保 重信

JBpress

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