JX金属上場にかかる期待

2025年3月28日(金)10時26分 財経新聞

●JX金属が上場!今年度最大のIPO!?
 非鉄金属大手のJX金属が、3月19日に東証プライム市場に新規上場した。初値は843円で、売り出し価格の820円を上回り、時価総額も初値ベースで約7800億円となった。

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 売り出し総額は4380億円となり、昨年上場した東京メトロやキオクシアを上回り、2024年度では最大となり、市場の期待の高さも窺える。

 半導体材料・情報通信材料の設備投資や研究開発を加速し、高収益体質実現へと期待がかかる。

 米国の関税懸念や景気後退懸念が顕著となり、日米ともに株価が伸び悩む中、JX金属の上場が明るいニュースとなるだろうか?

●JX金属の歴史
 日産コンツェルンの源流に当たる新日鉱ホールディングスが、新日本石油と経営統合し、2010年にJXホールディングスが発足した。

 発足から3カ月は中間持ち株会社となっていたが、同年7月1日付でJXHD傘下の新日本石油などの3社が合併。JX日航日石エネルギー(現ENEOS)が石油精製・販売事業を担い、金属部門として、日鉱金属を吸収合併したJX金属(旧JX日鉱日石金属)が発足した。

 JX金属は、ENEOSホールディングスの完全子会社だが、今回の上場で持ち株比率が50%未満となる見通しである。

●株価は上昇したが…
 上場から順調に株価が上昇し、一時は1000円を超えたが、3月24日以降は下落し、1000円を割り込んでいる。

 半導体の製造に使う金属材料で世界シェア6割を誇り、上場を機に国内工場の建設など、国内での半導体製造の強化が期待される。

 2024年3月期から2028年3月期までに、年平均で10%〜15%の営業利益成長を目指す。

 期待は膨らむが、足元では不安も多い。

 2025年3月期の営業利益は上昇するが、売上は半減する見込みである。

 半導体事業全体で見ても、1月にDeepSeekショック、2月からはトランプ関税による懸念でエヌビディア株が急落した。

 売上減は、子会社のパンパシフィック・カッパー社の株式一部譲渡が影響しており、単なる事業シフトの転換によるものという見方もある。

 上場による変化が奏功しないと、株高も続かない可能性がある。

財経新聞

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