投資対象のテスラは、量産自動車製造企業へ転換するため試練の時迎える

4月12日(金)12時17分 財経新聞

 テスラとパナソニックが、共同で稼働させている世界最大のEV用電池工場「ギガファクトリー1」における追加投資を凍結するとした。2020年までに生産能力を現在の5割増加する計画だったが、モデル3の販売台数が予想をかなり下回り、おそらくはパナソニック側の意向を踏まえて投資を遅らせる決断をしたと思われる。

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 周知の通り、モデル3の量産は軌道に乗ってきたが、テスラとしての目標、年間100万台の生産規模になるには2018年度の販売台数は大きく下回った。モデルS、モデルX、モデル3を合わせても2018年度テスラの世界販売台数は24万5000台に過ぎなかったのだ。テスラは、SUV「モデルY」を開発して2020年までに発売すると計画しているが、SUVブームに乗れるのか、計画が順調に進むのかを見極めたいとしている。

 テスラは中国を世界最大のEV市場と見て、上海市に世界で2番目となる「組み立て工場」を建設する計画だ。2019年度の稼働予定で、バッテリーも一貫生産する予定としている。パナソニックはここへきて冷静になってきたのか、世界の動向を見ているのか、テスラへの集中投資はリスクが大きくなっていると見ているようだ。テスラは、中国での生産において、中国の電池メーカーと組むことになるのだろうか?ここへきて「テスラマジック」とでも言えるのか、テスラへの投資の熱気は冷めてしまったようだ。

 「EVメーカー」と言うだけで投資ブームがわいたようだが、ポルシェ・ジャガー・VW・ベンツ・ボルボ・日産・トヨタなど軒並みEV生産に乗り出してきており、競争が激化している。これからは電池性能が勝敗を分けるものと言えるが、全固体電池など新開発が相次いでいる。こうした情勢で、現在の電池技術を基準とした投資はできなくなっており、パナソニックも計画の見直しを迫られたのであろう。

 これからは、テスラもポルシェなどプレミアムカーを作る会社と、日産・リーフ、VW・e-Golfなど大衆車を作るメーカーとも競合せざるを得ず、EVと言うだけで「商品価値」を持つことができなくなった。これからが100万台生産メーカーとして本格的に体制を整えなければならなくなる。それには投資・金融知識だけでなく、企業経営に必要なすべての知識を受け入れなければ続かない。かつてアップル社が置かれた立場とも似ている。

 企業は人間の協同作業で成り立つ。製造業は、特に品質管理に従業員の協力が必要なのだ。従業員に対する見方も変えなければ、窮地に追い込まれるのは「イーロン・マスク氏」だ。

財経新聞

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